妻は現在、週1回の訪問リハビリを受けているだけで、その他の介護サービスはまだ受けていない。長男は、「オヤジが交通事故に遭ったり、病気になったりしてできなくなったとき、どうするつもりなんだ?こんな状態では、俺も心配だ。オヤジは眠い眠いといっているし、ディサービスを使ってみるなど、介護サービスを利用することに慣れて置く必要がある。サービスを行う方だって、利用者の状態も分からないまま、急に重い患者を受けるというのも大変だ。利用して施設の様子が分かって、施設も利用者の情報を分かっているというところがあれば、いざというときに安心だろう。そろそろ施設利用も考えておいた方が良いんじゃないか?」という。正に、長男の言うことは正論だ。長男はかなり熱を込めて、熱心に説明していた。しかし、妻は、一向に乗り気にならない。そういった説明、正論の部分は、ケアーマネージャーを15年以上やって来て百も承知だ。しかし、介護サービスの利用には消極的な姿勢のまま、現在に至っている。施設について詳しいがゆえの、利用することへの抵抗感が強いのだろうと思う。
それはそうだろう。妻は、施設では、家にいるように自分のペースでは行動できないこと、施設の様々なプログラムをこなすことが自分の症状の改善には全く結びつかないことなど、十分に若手いる。それゆえの、抵抗なのだろう。無駄なエネルギーを使って体力を消耗するよりは、自宅で、マイペースで生活することを選んでいるのだ。
また、長男は、夫婦二人きりではなく、時には、第三者の目や手が入ることの必要性も熱心に説明していた。確かに、二人きりで閉ざされた状態を続けていると、水掛け論で、何ら前に進まない。第三の目や手が入ることで、現状を打開していくこともできるのだろう。まさしくそのとおりだと思った。
私としては、食事介護のために、看護師さんを頼むということも一つかと思う。そうすれば、材料加工や味付け等について、客観的なアドバイスがもらえるし、食事介護の仕方も、見て覚えることができると思う。まあ、そんなところから徐々に始めていくのがいいのかなと思った。