毎日、昼に夕にと、食卓に登場してくれたお前(春キャベツ)だが、お前はもう育ちすぎた。姿形は同じでも、芯の方までしっかりしてきて、柔らかさが失われてしまった。強い日差しの中で、日光をたくさん受けて育てられたのだから、仕方ないと言えば仕方ない。それが自然というものなのだから・・・。ただ、お前がしっかりし過ぎると、妻の喉を通りにくくなる。圧力鍋で柔らかくしてあげるのにも、限界がある。だから、そろそろお前ともお別れだ!私も残念でしょうがない。お前の代役は決めようにも、なかなか思いつかない。それで、私は本当に困っている。季節が逆戻りできるのならば、春から冬へと戻って欲しい。そうすれば、お前も柔らかくなるだろう。でも、それは無理というものだ。
今日、お前の姿をスーパーで見かけた。それはまさしくお前、春キャベツだった。外葉は柔らかそうな色つやをし、恰好もまさしくお前そのものだったから、私は迷わず、二つも買ってきた。でも、どんどん剥いていっても、葉はシャキシャキ、パリパリのまま、かつてのお前とは比べ物にならん、普通のキャベツみたいに元気だった。もう本当に店頭に並ぶことはないんだろうと思う。また、来年までのお別れだ。来年また会おう!
でも、そのころまで妻がお前を食べられるような状態でいられるかどうか?もしかしたら、食べられなくなっているのかも知れない。そうしたら、お前が我が家の食卓に登場する機械も減ることだろう。何しろ、私は、シャキシャキとした普通のキャベツのファンなのだから、お前の出番はないかもしれない。その時は、悪しからずだ。取り敢えず、今年は、毎日登場してくれて、本当にお疲れさんでした。チュース!