不易流行

ＯＢ施主様のご紹介であるおばあちゃん宅を訪問させていただいた。雨漏りがしているらしく、どこに相談していいかわからない、とのことだった。

ご相談の『雨漏り』については、ちゃちゃっと屋根に上って、状態を把握し、打つ手を考えた。それはいつも通りの仕事。

そのあと、『お茶をどうぞ』とのことで、初めての面会ながら会話が弾んだ。ぼくが言うのも失礼だが、女性らしい品の漂うおばあちゃんだ。

『昔の話しなんてしても、若い人は聞く耳を持たないでしょう。今と昔は違うからねぇ。でもほんとうに人生というのはいろいろなことが起こるものですねぇ。』

昭和元年のお生まれ。戦前・戦中・戦後を駆け抜けてこられた。

その『体験』は、まぎれもない真実だ。ぼくらの想像は遠く及ばない。

いっぱいお話しを聞きたいと思った。

そしたら、いっぱいお話しをしてくださった。

いやいやいやいやいや、、、おもしろくておもしろくて（表現が適当でないが）、あっという間に時間が過ぎた。

確かに、今と昔は違う。確かに、そんなこと言ったって今は通用しないかもしれない。

でもやっぱり、

昔の方がはるかに優れ、昔の方がはるかに美しかったものがあるような気がしてならない。日本人の美学ともいうべき姿が。

あの時代の体験をされてきた方がどんどん少なくなっている。媒体を通したものでなく、生の声を聴ける時間は少ない。

もっとお話しを聞きたい、そんな気持ちを新たにしたのでした。

ではまた。

おさむ