牛久市に住むT様は、先代社長が20年前に新築工事をさせていただいたOB施主様です。ご夫婦とても仲がよく、特に奥様はご主人が『大好き!』といってはばからなかったほどです。しかし、当時お元気だったご主人は7年前に他界され、現在はおひとりで生活されています。
大好きだったご主人が他界してしまったあと、生きる気力さえ失いかけたT様は、とうとう体調をこわしてしまい、しばらく入院されることもありました。『おさむのひとりごと』をことのほか楽しみに読んでくださっていたT様。ぼくのことを『おさむしゃちょう』といつも親しげに呼んでくださる、とってもチャーミングな方です。
退院してきた頃にうかがった時のことです。『おさむしゃちょう・・・』とおっしゃる姿があまりにもいとおしくて、なんというかこう、衝動的に恥ずかしげもなくぼくはつい『ハグハグ』してしまいました。
T様、とっても安心してくださったんです。とってもよろこんでくださいました。
それから数年を経た今回、ある修理工事が完了したために、久しぶりにT様を訪問しました。カタロ通信11月号を手渡し、次の予定が間近だったために当たり障りのない世間話をして、車に乗ろうとしたときのことです。
『きょうは、はぐはぐしてくれないの?』
ぐっ、、、、、っときたぼく。
さっと振り返って、ひと目も気にせずT様をぎゅっとハグハグしました。
『うわぁ、きんじょのひとがわらってるよ。くるしぃよ・・・』
ぼくのこころの中の爽快感は、なんと表現したらいいのかわからないくらいです。しばらくひとり車の中、笑顔が止まりませんでした。
誰もが受け入れざるを得ない『現実』という壁。大きな家にひとり住むT様を思いながら『人生』を感じるのでした。
家づくりの仕事って、すてきです。
ではまた。
おさむ