遥かなる山・・・ペテカリ岳 (1736m)
(チーヤンの初登頂へ3年振りのリベンジ山行)
■ 山 行 日 2012年9月7日(金) 2泊3日
■ ル ー ト ニシュオマナイ川~ベッピリガイ林道
~ペテカリ山荘~ペテカリ岳西尾根 往復
■ メ ン バ ー 夫婦登山 №17
■ 登 山 形 態 沢登り&登山道
■ 地 形 図 1/25000地形図 「ピリガイ山」
■ コースタイム 山荘から登り6時間 下り 4時間30分
<登り>
登山口(ニシュオマナイ川出合) 11:25---F1 12:15---乗越尾根 12:55---
ベッピリガイ林道出合 13:40---ペテカリ山荘 15:00 山荘 C1
ペテカリ山荘 4:20---C1050 6:05---C1259 7:20---C1301 8:40
---ペテカリ岳 10:17 (登り 5時間57分)
<下り>
ペテカリ岳 11:15---C1210コル 13:15---C1301 12:20---
C1293 13:35---1000m標識 14:40---沢出合 15:30-ほ(出合で安着)--
山荘 16:00 C2 (下り 4時間45分)
山荘 6:15---乗越出合 7:25---乗越尾根上 8:00---
ニシュオマナイ川渡渉 9:10---登山口駐車地 9:15
※ ペテカリ山荘までの登山ルートは、「一人歩きの北海道山紀行」函館のsakagさんのHPより
お借りしました。西尾根コースのルート図はガイド本を参照して下さい。
★ リベンジ+サプライズ山行
2009年7月23日、ペテカリ岳未踏の妻チーヤンが初登頂を目指した夫婦登山だった。
この山をペテカリ山荘から目指すには今回と同じ神威山荘のあるニシュオマナイ川を渡渉して支流沢を
辿り、中ノ岳から派生する西尾根を乗越してベッピリガイ沢川に出合いベッピリガイ林道4.8キロを歩い
てペテカリ山荘に到着という約4時間を必要とする登山口へのアプローチがある。
このルートは以前エスケープルートとしてのみ使われた非常の場合のルートだったが、現在静内ダム側
からの林道が長い間閉鎖されたままとなり、すっかり登山道化されたメジャーなルートに変わってしまっ
たようだ。
昨年は、ペテカリ山荘の東に位置する 「ベッピリガイ山(1307m)」に登るため同じルートを歩いているの
で二人とも記憶に新しい登行であり地図を出さずにベッピリガイ林道まで来た。
そして今回3年ぶりのリベンジで再来する機会を得て残暑厳しい中での挑戦となる。
更に最終3日目は、以前から気になっていたペテカリ山荘の南西に位置する「ウチイチ山(1021m)」という
超マイナーな1000m超峰のサプライズ遡行も予定するちょっとハードスケジュールの夫婦登山となった。
<1日目> 【9月7日(金)】 快晴
7:50 自宅発
快晴の中準備万端?でゆっくりの出発となる。
今日の目的はペテカリ山荘までの登行なので早い出発は必要なかった。
ゲートが開放された元浦川林道に入りゲートのある入林ポストに記入して長い林道を走る。
神威山荘の手前からニシュオマナイ川側に降りる林道に入って間もなく林道脇の駐車場所となる。
すでに本州ナンバーとレンタカーの2台が駐車してあり先客がいる安堵感も少し湧く。
11:00 着
★ 登山靴・・・
11:25 出発
最初に渡渉するニシュオマナイ川を見ると水量は少なく渡渉のためと思われる石の砂防ダムが置かれ
て沢靴は必要ないと判断し最初から登山靴で出発する。
以降の支流沢沿いの踏み跡は多少の増水があったとしても登山靴を濡らすほどではないのでこの時
期の靴の判断はニシュオマナイ川の水量で決まると言っても過言ではない。
久しぶりの重荷を背負うも目指すペテカリ山荘への足取りは軽い。
支流沢の中間地点に唯一の滝があり50分程で着いた。休憩も取らず40分程で乗越尾根に到着。
12:53 乗越尾根上
ここでも休憩は無し・・・
唯一の滝と乗越の登り、下りでは残置ロープがあって助けられる。以前は無かったのでこの辺も登行者
の多さが伺える。
13:18 尾根を乗越しベッピリガイ沢のある広い河原に着く
完全に涸れ沢状態のベッピリガイ沢に少し驚き、更に真新しい林道に驚く。
間伐のための林道整備らしいがここまで整備するなら静内ダム側の林道を開放してほしいものだ・・
と強く思った。
ここから山荘まで約4.8キロの林道歩きに今暫くの辛抱である。
それにしても立派な林道になったものだ・・・
14:20 林道上のC439地点
ウチイチ山の東の沢出合でペテカリ山荘まで2.5キロの標識があり確認する。
最終日はここから東の沢に入りウチイシ山を目指す予定だ。
15:00 ペテカリ山荘 到着
乗越し尾根の登り、笹が覆いかぶさる急登もしっかりした踏み跡がある
乗越を終えてかなり降りた小沢二股で清流をご馳走になる
立派に整備されたベッピリガイ林道を歩く
(注:林道名は未確認ですがペテカリ林道または東の沢林道と呼ぶ場合もあるそうです)
山荘に向かって左側に設置された標識です。C439 東の沢出合です。
山荘に到着すると裸の男性に迎えられる・・・
★ お裾分け・・・
山荘には先客が1パーティー3名で東京から来たと言う釣り人だった。
釣りを終えて体を洗っていた時に到着したようで上半身裸だったのでチト驚いたが、快く出迎えてくれた。
仲間の一人はまだ釣り中とのことでこの時は2名と出会う。
再来した山荘。いつもながら整備された綺麗な山小屋である。
管理している静内山岳会を始め関係者には感謝です。
一階に自分たちのスペースを借りザックを降ろす。
少しすると単独の男性とガイド登山の2人組みが到着して2組みとも二階に上がった。
急ぐ安着のために山荘横の水道で持ち上げたビールを冷やす。
釣り人も今日はニジマスの石狩鍋と刺身、そして押し寿司を作るので一緒にどうぞ・・と言われついつい
期待してします。ビールは無かったようなので一杯ずつだがご馳走し喜んで頂く。
私たちも質素ながらジンギスカンで夕食を始めると石狩鍋とニジマス子の酢醤油漬そして刺身のお裾分
けを頂き会話が弾む。更に山ブドウを煮て作った焼酎割りも頂きいたせりつくせり気分だった。
釣り人達はまったく登山経験が無いようでしたが昨日三人でペテカリ岳に登って来たと言う。
朝3:30に出発して下山したのは夜8:00だと聞いてびっくりした。
聞くと地図もコンパスも無く登山道を登り休憩はどっぷりと写真も取りながら・・ようやく着いた頂上では
昼寝もしてとにかくゆっくりしたらしい。
帰りの長さを気にする事無く降りたら意外に時間が掛かり遅くなった・・という話である。
水と食料、ヘッドランプは装備していたらしく難無く下山出来たことは何よりだったと思う。
宴もたけなわでしたが明日に備えて20:00には床に就いたが、釣り人たちはもう少し盛り上がっていた。
ニジマスの刺身をご馳走になる・・・
★ 夜のお裾分け・・・
何時頃か覚えていないが近くから大きな合唱で目が覚める。
私たち以外に一階で寝ていたのは釣り人の一人だけで他の二名は二階に寝てるようだった。
半端じゃない大音量・・・のイビキ
これにはさすがに参った。それが朝まで続く・・・
夜のお裾分け・・なんていらないのにホントに参った。
更に夜中1時頃に車の音がして山荘のドアを開けた。何でこの時間に?・・すぐに出て行って車に戻った
ようだがこれでまた目が覚めて寝る事が出来なかった。完全なる寝不足状態で朝を迎える。
★ 同行者・・・
昨日到着した単独の男性から出発は何時ですか。と聞かれ5:00を予定しています。と言ったら
4:00に一緒に出ませんか。と誘われてつい良いですよ。と答えてしまった。
その後で3:00でも良いですよ・・と言われたがさすがに断った。
この男性は東京から来られた方で出来ればペテカリの下山後神威山荘までその日に戻り9日に神威岳
に登りたいとの希望があったようだった。早出の理由は分かったが力のありそうな単独行者にゆっくり登
山のエバ夫婦とはレベルが違うとすぐに悟った。
<2日目> 【9月8日(土)】 快晴
起床 2:30
大音量の合唱は一先ず休憩のようで釣り人はまだシュラフにくるまっていた。
後で分かった事だが二階で寝ていた釣り人二人も大合唱だったらしく寝れなかったという被害を知る。
出発 4:20
4:00出発の約束もあまりに暗いのでビビるエバ。少しだけ遅らせて頂く。
そしてヘッドランプを点けて出発。沢沿いの踏み跡を何とか確認しながら歩き沢~笹の中の登山道へ登
る。
★ 体調に変化・・・
5:00を過ぎると次第に明るくなり樹林帯の中に日が差すようになって来た。
ヘッドランプも消してつづら折りの登山道を登るが急に体調の変化に気付いたのはエバでした。
吐き気と喉の渇きそして空腹感で力が入らなくなってしまった。
単独のNさんには、先に登ってもらい別れる事になった。
以降・・・休憩は30分も経たずに何度も取りはじめその度に水を飲む。
行動食はあまり口に出来ず胸焼けした気分がずっと続いた。
調子の良いチーヤンは心配し下山してもいいよ・・・(あなただけ)と言ってくれる優しさ。
ペースは一気に落ちるも登り続けた。
地形図上、西尾根のC1301付近から望む「ペテカリ岳」を望む
★ ひと踏ん張り・・・
8:40 C1301地点
ここまで4時間20分・・・あれだけ休んだのに実際この時間は早いと見た。
しかしここから100m降りて最後の登りは500mの直登が待っている。死に掛けたエバも最後の
ひと踏ん張りと気合を入れて見た。
コルからは高度計を見ながら「あと何メートル」と自分に言い聞かせるように一歩づつ歩を進めるだけ。
チーヤンはかなり前も途中で待っていたようで申し訳なく思う。
頂上からは先行していたNさんが下山して来るのを確認。聞くと登り5時間だった言う。
挨拶をしてまた別れる結果となる。調子が良ければこのまま神威山荘まで行きますと言っていた。
最後の登り もう1600mを過ぎた頃に先発したNさんが降りて来た。
まもなく頂上。待ちに待ってくれたチーヤンお待たせ・・です。
北の尾根向かいに「1839峰」が懐かしい・・・
★ 初登頂は快晴・絶景・・・
10:17 ペテカリ岳頂上
情けないほど嬉しく辛い何とも言えないエバの登頂だが、チーヤンには最高の展望と初登頂だった。
ぬるくも美味しいビールで乾杯し貸切の眺望と登頂を祝う。
爽やかな風もじっとしていると寒いくらいで少しくぼんだ山頂テン場に移動して休憩する。
靴を脱ぎ棄て靴下も脱いでゆっくりと寝転がる・・。
1時間近くも休んで何とか下山する気になった。
11:15 下山開始
チーヤンの初登頂 おめでとう! 頂上ビールを飲んで、エバ元気を装う・・・
暫しの眺望を楽しむもやはり体調は戻っていなかった・・頂上から東尾根方向
頂上で見つけた一株・・・メアカンキンバイに似ているが不明 誰か分かりませんか?
こちらも一株でした・・・オオイワツメクサだと思います。
南西の方向に登って来た西尾根と明日登る予定のウチイチ山と次の目標ピリガイ山を望む
★ 無情・・・
具合の悪いエバでも下りは少しは楽だと思った。
しかしそれもつかの間・・・
何度も繰り返すアップダウンで次第に足に力が入らなくなってしまった。
何度も何度も休みこれが最後の登りかと思う1050の登りでついに倒れ込んでしまった。
そしてそのまま目をつぶってしまった・・・。
チーヤンはもう何分も前に歩いているはず・・・
気持ち良かったぁ~・・・風が当たり眠るように
ほんの1~2分の至福に感じた。持ち上げた3リットルの水も残り僅かとなる。
無理をして行動食をお腹に入れて最後の登りを登り切る。
するとそのピークにジェル状のビタミン補給食が置いてあった。
涙が出るほど嬉しく一気に食べ尽くす。
元気を取戻しいざ下りへ・・・
調子の悪い時はこのアップダウンは本当にも「無情」だと思った。
でも一歩一歩進めば必ずゴールもあると・・いつもながらに再認識する。
★ 至福・・・
この一杯のために俺は登る・・と言っても過言では無く美味しいからショウガナイ。
登る時に沢で冷やしていたビールを下山時に一本開ける。
16:00 下山、山荘到着
本当にお疲れ様でした・・・と言われたのはエバの方かも。
何とか無事の下山に疲れはピークを迎えていた。
今日の泊りは、ガイド登山の2名と18時頃に到着した1名そして私たちの3組5名だけだった。
疲労困憊の中でも、もう一杯の至福と簡単な夕食を済ませるとさすがに目を開けていられず
18時には床に就いてしまう始末・・・。
明日はサプライズ遡行の「ウチイチ山」だったが、エバ夫婦の一行一座の定説はどうなるのか・・
<3日目> 【9月9日(日)】 小雨~本降りへ
夜中に目が覚めると雨音らしき気配を感じたが、確認する元気も無くきっと沢の音だろう
・・と再び寝てしまった。
しかし・・・
起床 4:30
起きて外に出ると本降りの雨だった。
★ ウチイチ山遡行中止・・・
内心「やった!」と胸を撫で下ろしたのはエバ・・・
内心「最初から行かない」と分かっていたよとチーヤン・・・
「ダメだね、ウチイチ山は中止して帰ろ」の苦笑の一言で決定。
下山開始 6:15
単独者は「私はピークハント」と言って雨の中ペテカリを目指して出発する。
ガイド登山の2名と私たちはほぼ同じ時間に山荘を出発する。
雨は降ったり止んだりを繰り返すも尾根を乗越し支流沢の終盤が近づくと本降りになって豪雨に
変わって来た。
最後はびしょ濡れで車に着く。
駐車地 9:15
9/9 下山の朝 小雨が降っています。ウチイチ山は即中止にして下山です。
乗越沢の唯一の滝右岸の岩場を降りるチーヤン・・トラロープが残置してあった。
★ 成果と反省・・・
山行全体としては結果オーライで終わる。
今回の目的はチーヤンの初登頂だったのでその目的は達成したし快晴・絶景のおまけ付に
文句の一つもない。
雨による「ウチイチ山の中止」は、正直「ウソ」で天気でも中止にしていたと思う。
一行一座のエバ定説を中々脱する事が出来ないのが現状。
落ちゆく体力と気力の復活が今後の課題かも。
年に一度は重荷を背負った山行が必要と改めて感じた。
今度はテントも背負って是非稜線のテント泊をやりたいと思う。
目的達成のピークハントは重視せず、山を楽しめる夫婦登山の継続が大事
その結果として目標が近づけば何よりである。
来年は、カムエク~コイカクの縦走とか大雪山の縦走も視野に入れて計画したい。
今年最大の夫婦登山だったかも知れないが、無事下山した事に感謝したい。
帰路、温泉を柏陽館にしようと思ったら13時からの営業で断念し
三石温泉「蔵三」にするとガイド登山のTさん一行2名と再会。更に高速道路が雨で通行止めだったので
予定では通らなかった「いずみ食堂」に寄るとここでもTさんに会う。
かもそば 950円 腰のある極太手打ちとかものダシの利いた汁は絶品でした。
帰路、門別町の国道沿いにある「いずみ食堂」の手打ちそばは人気が高い
以上・・・一部9/14追加報告
(チーヤンの初登頂へ3年振りのリベンジ山行)
■ 山 行 日 2012年9月7日(金) 2泊3日
■ ル ー ト ニシュオマナイ川~ベッピリガイ林道
~ペテカリ山荘~ペテカリ岳西尾根 往復
■ メ ン バ ー 夫婦登山 №17
■ 登 山 形 態 沢登り&登山道
■ 地 形 図 1/25000地形図 「ピリガイ山」
■ コースタイム 山荘から登り6時間 下り 4時間30分
<登り>
登山口(ニシュオマナイ川出合) 11:25---F1 12:15---乗越尾根 12:55---
ベッピリガイ林道出合 13:40---ペテカリ山荘 15:00 山荘 C1
ペテカリ山荘 4:20---C1050 6:05---C1259 7:20---C1301 8:40
---ペテカリ岳 10:17 (登り 5時間57分)
<下り>
ペテカリ岳 11:15---C1210コル 13:15---C1301 12:20---
C1293 13:35---1000m標識 14:40---沢出合 15:30-ほ(出合で安着)--
山荘 16:00 C2 (下り 4時間45分)
山荘 6:15---乗越出合 7:25---乗越尾根上 8:00---
ニシュオマナイ川渡渉 9:10---登山口駐車地 9:15
※ ペテカリ山荘までの登山ルートは、「一人歩きの北海道山紀行」函館のsakagさんのHPより
お借りしました。西尾根コースのルート図はガイド本を参照して下さい。
★ リベンジ+サプライズ山行
2009年7月23日、ペテカリ岳未踏の妻チーヤンが初登頂を目指した夫婦登山だった。
この山をペテカリ山荘から目指すには今回と同じ神威山荘のあるニシュオマナイ川を渡渉して支流沢を
辿り、中ノ岳から派生する西尾根を乗越してベッピリガイ沢川に出合いベッピリガイ林道4.8キロを歩い
てペテカリ山荘に到着という約4時間を必要とする登山口へのアプローチがある。
このルートは以前エスケープルートとしてのみ使われた非常の場合のルートだったが、現在静内ダム側
からの林道が長い間閉鎖されたままとなり、すっかり登山道化されたメジャーなルートに変わってしまっ
たようだ。
昨年は、ペテカリ山荘の東に位置する 「ベッピリガイ山(1307m)」に登るため同じルートを歩いているの
で二人とも記憶に新しい登行であり地図を出さずにベッピリガイ林道まで来た。
そして今回3年ぶりのリベンジで再来する機会を得て残暑厳しい中での挑戦となる。
更に最終3日目は、以前から気になっていたペテカリ山荘の南西に位置する「ウチイチ山(1021m)」という
超マイナーな1000m超峰のサプライズ遡行も予定するちょっとハードスケジュールの夫婦登山となった。
<1日目> 【9月7日(金)】 快晴
7:50 自宅発
快晴の中準備万端?でゆっくりの出発となる。
今日の目的はペテカリ山荘までの登行なので早い出発は必要なかった。
ゲートが開放された元浦川林道に入りゲートのある入林ポストに記入して長い林道を走る。
神威山荘の手前からニシュオマナイ川側に降りる林道に入って間もなく林道脇の駐車場所となる。
すでに本州ナンバーとレンタカーの2台が駐車してあり先客がいる安堵感も少し湧く。
11:00 着
★ 登山靴・・・
11:25 出発
最初に渡渉するニシュオマナイ川を見ると水量は少なく渡渉のためと思われる石の砂防ダムが置かれ
て沢靴は必要ないと判断し最初から登山靴で出発する。
以降の支流沢沿いの踏み跡は多少の増水があったとしても登山靴を濡らすほどではないのでこの時
期の靴の判断はニシュオマナイ川の水量で決まると言っても過言ではない。
久しぶりの重荷を背負うも目指すペテカリ山荘への足取りは軽い。
支流沢の中間地点に唯一の滝があり50分程で着いた。休憩も取らず40分程で乗越尾根に到着。
12:53 乗越尾根上
ここでも休憩は無し・・・
唯一の滝と乗越の登り、下りでは残置ロープがあって助けられる。以前は無かったのでこの辺も登行者
の多さが伺える。
13:18 尾根を乗越しベッピリガイ沢のある広い河原に着く
完全に涸れ沢状態のベッピリガイ沢に少し驚き、更に真新しい林道に驚く。
間伐のための林道整備らしいがここまで整備するなら静内ダム側の林道を開放してほしいものだ・・
と強く思った。
ここから山荘まで約4.8キロの林道歩きに今暫くの辛抱である。
それにしても立派な林道になったものだ・・・
14:20 林道上のC439地点
ウチイチ山の東の沢出合でペテカリ山荘まで2.5キロの標識があり確認する。
最終日はここから東の沢に入りウチイシ山を目指す予定だ。
15:00 ペテカリ山荘 到着
乗越し尾根の登り、笹が覆いかぶさる急登もしっかりした踏み跡がある
乗越を終えてかなり降りた小沢二股で清流をご馳走になる
立派に整備されたベッピリガイ林道を歩く
(注:林道名は未確認ですがペテカリ林道または東の沢林道と呼ぶ場合もあるそうです)
山荘に向かって左側に設置された標識です。C439 東の沢出合です。
山荘に到着すると裸の男性に迎えられる・・・
★ お裾分け・・・
山荘には先客が1パーティー3名で東京から来たと言う釣り人だった。
釣りを終えて体を洗っていた時に到着したようで上半身裸だったのでチト驚いたが、快く出迎えてくれた。
仲間の一人はまだ釣り中とのことでこの時は2名と出会う。
再来した山荘。いつもながら整備された綺麗な山小屋である。
管理している静内山岳会を始め関係者には感謝です。
一階に自分たちのスペースを借りザックを降ろす。
少しすると単独の男性とガイド登山の2人組みが到着して2組みとも二階に上がった。
急ぐ安着のために山荘横の水道で持ち上げたビールを冷やす。
釣り人も今日はニジマスの石狩鍋と刺身、そして押し寿司を作るので一緒にどうぞ・・と言われついつい
期待してします。ビールは無かったようなので一杯ずつだがご馳走し喜んで頂く。
私たちも質素ながらジンギスカンで夕食を始めると石狩鍋とニジマス子の酢醤油漬そして刺身のお裾分
けを頂き会話が弾む。更に山ブドウを煮て作った焼酎割りも頂きいたせりつくせり気分だった。
釣り人達はまったく登山経験が無いようでしたが昨日三人でペテカリ岳に登って来たと言う。
朝3:30に出発して下山したのは夜8:00だと聞いてびっくりした。
聞くと地図もコンパスも無く登山道を登り休憩はどっぷりと写真も取りながら・・ようやく着いた頂上では
昼寝もしてとにかくゆっくりしたらしい。
帰りの長さを気にする事無く降りたら意外に時間が掛かり遅くなった・・という話である。
水と食料、ヘッドランプは装備していたらしく難無く下山出来たことは何よりだったと思う。
宴もたけなわでしたが明日に備えて20:00には床に就いたが、釣り人たちはもう少し盛り上がっていた。
ニジマスの刺身をご馳走になる・・・
★ 夜のお裾分け・・・
何時頃か覚えていないが近くから大きな合唱で目が覚める。
私たち以外に一階で寝ていたのは釣り人の一人だけで他の二名は二階に寝てるようだった。
半端じゃない大音量・・・のイビキ
これにはさすがに参った。それが朝まで続く・・・
夜のお裾分け・・なんていらないのにホントに参った。
更に夜中1時頃に車の音がして山荘のドアを開けた。何でこの時間に?・・すぐに出て行って車に戻った
ようだがこれでまた目が覚めて寝る事が出来なかった。完全なる寝不足状態で朝を迎える。
★ 同行者・・・
昨日到着した単独の男性から出発は何時ですか。と聞かれ5:00を予定しています。と言ったら
4:00に一緒に出ませんか。と誘われてつい良いですよ。と答えてしまった。
その後で3:00でも良いですよ・・と言われたがさすがに断った。
この男性は東京から来られた方で出来ればペテカリの下山後神威山荘までその日に戻り9日に神威岳
に登りたいとの希望があったようだった。早出の理由は分かったが力のありそうな単独行者にゆっくり登
山のエバ夫婦とはレベルが違うとすぐに悟った。
<2日目> 【9月8日(土)】 快晴
起床 2:30
大音量の合唱は一先ず休憩のようで釣り人はまだシュラフにくるまっていた。
後で分かった事だが二階で寝ていた釣り人二人も大合唱だったらしく寝れなかったという被害を知る。
出発 4:20
4:00出発の約束もあまりに暗いのでビビるエバ。少しだけ遅らせて頂く。
そしてヘッドランプを点けて出発。沢沿いの踏み跡を何とか確認しながら歩き沢~笹の中の登山道へ登
る。
★ 体調に変化・・・
5:00を過ぎると次第に明るくなり樹林帯の中に日が差すようになって来た。
ヘッドランプも消してつづら折りの登山道を登るが急に体調の変化に気付いたのはエバでした。
吐き気と喉の渇きそして空腹感で力が入らなくなってしまった。
単独のNさんには、先に登ってもらい別れる事になった。
以降・・・休憩は30分も経たずに何度も取りはじめその度に水を飲む。
行動食はあまり口に出来ず胸焼けした気分がずっと続いた。
調子の良いチーヤンは心配し下山してもいいよ・・・(あなただけ)と言ってくれる優しさ。
ペースは一気に落ちるも登り続けた。
地形図上、西尾根のC1301付近から望む「ペテカリ岳」を望む
★ ひと踏ん張り・・・
8:40 C1301地点
ここまで4時間20分・・・あれだけ休んだのに実際この時間は早いと見た。
しかしここから100m降りて最後の登りは500mの直登が待っている。死に掛けたエバも最後の
ひと踏ん張りと気合を入れて見た。
コルからは高度計を見ながら「あと何メートル」と自分に言い聞かせるように一歩づつ歩を進めるだけ。
チーヤンはかなり前も途中で待っていたようで申し訳なく思う。
頂上からは先行していたNさんが下山して来るのを確認。聞くと登り5時間だった言う。
挨拶をしてまた別れる結果となる。調子が良ければこのまま神威山荘まで行きますと言っていた。
最後の登り もう1600mを過ぎた頃に先発したNさんが降りて来た。
まもなく頂上。待ちに待ってくれたチーヤンお待たせ・・です。
北の尾根向かいに「1839峰」が懐かしい・・・
★ 初登頂は快晴・絶景・・・
10:17 ペテカリ岳頂上
情けないほど嬉しく辛い何とも言えないエバの登頂だが、チーヤンには最高の展望と初登頂だった。
ぬるくも美味しいビールで乾杯し貸切の眺望と登頂を祝う。
爽やかな風もじっとしていると寒いくらいで少しくぼんだ山頂テン場に移動して休憩する。
靴を脱ぎ棄て靴下も脱いでゆっくりと寝転がる・・。
1時間近くも休んで何とか下山する気になった。
11:15 下山開始
チーヤンの初登頂 おめでとう! 頂上ビールを飲んで、エバ元気を装う・・・
暫しの眺望を楽しむもやはり体調は戻っていなかった・・頂上から東尾根方向
頂上で見つけた一株・・・メアカンキンバイに似ているが不明 誰か分かりませんか?
こちらも一株でした・・・オオイワツメクサだと思います。
南西の方向に登って来た西尾根と明日登る予定のウチイチ山と次の目標ピリガイ山を望む
★ 無情・・・
具合の悪いエバでも下りは少しは楽だと思った。
しかしそれもつかの間・・・
何度も繰り返すアップダウンで次第に足に力が入らなくなってしまった。
何度も何度も休みこれが最後の登りかと思う1050の登りでついに倒れ込んでしまった。
そしてそのまま目をつぶってしまった・・・。
チーヤンはもう何分も前に歩いているはず・・・
気持ち良かったぁ~・・・風が当たり眠るように
ほんの1~2分の至福に感じた。持ち上げた3リットルの水も残り僅かとなる。
無理をして行動食をお腹に入れて最後の登りを登り切る。
するとそのピークにジェル状のビタミン補給食が置いてあった。
涙が出るほど嬉しく一気に食べ尽くす。
元気を取戻しいざ下りへ・・・
調子の悪い時はこのアップダウンは本当にも「無情」だと思った。
でも一歩一歩進めば必ずゴールもあると・・いつもながらに再認識する。
★ 至福・・・
この一杯のために俺は登る・・と言っても過言では無く美味しいからショウガナイ。
登る時に沢で冷やしていたビールを下山時に一本開ける。
16:00 下山、山荘到着
本当にお疲れ様でした・・・と言われたのはエバの方かも。
何とか無事の下山に疲れはピークを迎えていた。
今日の泊りは、ガイド登山の2名と18時頃に到着した1名そして私たちの3組5名だけだった。
疲労困憊の中でも、もう一杯の至福と簡単な夕食を済ませるとさすがに目を開けていられず
18時には床に就いてしまう始末・・・。
明日はサプライズ遡行の「ウチイチ山」だったが、エバ夫婦の一行一座の定説はどうなるのか・・
<3日目> 【9月9日(日)】 小雨~本降りへ
夜中に目が覚めると雨音らしき気配を感じたが、確認する元気も無くきっと沢の音だろう
・・と再び寝てしまった。
しかし・・・
起床 4:30
起きて外に出ると本降りの雨だった。
★ ウチイチ山遡行中止・・・
内心「やった!」と胸を撫で下ろしたのはエバ・・・
内心「最初から行かない」と分かっていたよとチーヤン・・・
「ダメだね、ウチイチ山は中止して帰ろ」の苦笑の一言で決定。
下山開始 6:15
単独者は「私はピークハント」と言って雨の中ペテカリを目指して出発する。
ガイド登山の2名と私たちはほぼ同じ時間に山荘を出発する。
雨は降ったり止んだりを繰り返すも尾根を乗越し支流沢の終盤が近づくと本降りになって豪雨に
変わって来た。
最後はびしょ濡れで車に着く。
駐車地 9:15
9/9 下山の朝 小雨が降っています。ウチイチ山は即中止にして下山です。
乗越沢の唯一の滝右岸の岩場を降りるチーヤン・・トラロープが残置してあった。
★ 成果と反省・・・
山行全体としては結果オーライで終わる。
今回の目的はチーヤンの初登頂だったのでその目的は達成したし快晴・絶景のおまけ付に
文句の一つもない。
雨による「ウチイチ山の中止」は、正直「ウソ」で天気でも中止にしていたと思う。
一行一座のエバ定説を中々脱する事が出来ないのが現状。
落ちゆく体力と気力の復活が今後の課題かも。
年に一度は重荷を背負った山行が必要と改めて感じた。
今度はテントも背負って是非稜線のテント泊をやりたいと思う。
目的達成のピークハントは重視せず、山を楽しめる夫婦登山の継続が大事
その結果として目標が近づけば何よりである。
来年は、カムエク~コイカクの縦走とか大雪山の縦走も視野に入れて計画したい。
今年最大の夫婦登山だったかも知れないが、無事下山した事に感謝したい。
帰路、温泉を柏陽館にしようと思ったら13時からの営業で断念し
三石温泉「蔵三」にするとガイド登山のTさん一行2名と再会。更に高速道路が雨で通行止めだったので
予定では通らなかった「いずみ食堂」に寄るとここでもTさんに会う。
かもそば 950円 腰のある極太手打ちとかものダシの利いた汁は絶品でした。
帰路、門別町の国道沿いにある「いずみ食堂」の手打ちそばは人気が高い
以上・・・一部9/14追加報告
山は逃げないけど体力はどんどん逃げて行きます。
体力のある内にいつかは登ってみたい憧れの山です。
今年、予定していなのですが、、、。
あの白水川から心身調子を崩しどこも
いけてません
紅葉の時期も楽しんでくださいね
ホント山は逃げないけど体力は気を抜くと
逃げて行きますね。痛恨に感じたペテカリ山行
でした。
飽きるほど長い西尾根ですが山は裏切りません。
是非一度挑戦して見て下さい・・。
お店休みの日山に行きましょう・・・ね。
羊蹄山でしたので中止は残念でした。
私たちは12日に余市岳 13日に羊蹄山に登りました。
来道した友人は「日本百名山」の100座目が羊蹄で
快晴の中で記念の登頂となり喜んでいました。
出来るだけ早く体調が回復する事を祈っています。
また一緒に山で遊びましょう。
私は昨年10月に体調を崩し延べ4週間入院しました。昨シーズンのスキーも今年の北アルプス登山も棒に振ってしまい安静と通院の日々です。病名は慢性腎炎です。今後もブログを楽しみにしております。
すっかりご無沙汰していましたが体調を崩された・・
との事ですが、もう一年になるんですね。
スキーや登山が今お休みでも必ず復活して下さいね。
そして一緒にスキーに行きましょう。楽しみに待っています。
せめて私の山ブログで良ければ寄ってやってください。
来月には屋久島・宮之浦岳に登る予定です。
ブログアップは11月になると思いますが、今から
楽しみです。
どうぞ病気に負けずにいつものファイト・・です。
またコメント下さいね・・。