一枚の古ぼけたモノクロ写真がある。3才と5才の幼い兄弟が祭り半天を身にまとい,バラック建てのようなボロ家の前で仲良く並んで笑っている。チビた下駄をはき,頭に鉢巻き,顔にはうっすら化粧をほどこし,兄は弟の手をしっかりと握っている。小さいのが3才の私,そして大きい方が5才の兄だ。今ではとうに記憶が薄れてしまって当時のことなどほとんど何も思い出せないのだが,恐らくは秋祭りのときのスナップ写真だろうか。 . . . 本文を読む
ミーシャはもうじき15才の誕生日を迎える。おお,十五年の歳月よ! 季節が流れる,お城が見える,なんて科白が思わず口をついてしまうほどに,東急ハンズ二子玉川店での初めての出会いから,はや15年にもなろうとしているのだ。ものの本によれば,ネコの15才はヒトの年齢に換算すると凡そ90才に相当するのだという。そしてこの先,1年ごとに5才分の年をとってゆくらしい。それじゃあネコは,いったい何歳まで生きるの . . . 本文を読む