遙か昔の少年時代,「病院」というものは私にとって大変身近な存在であった。
別にビンボー自慢をするわけではないが,子供の頃の我が家は誰憚るところなく貧しい家庭だった。衣食住についていえば,住まいはオンボロの借家,日々のパンはかろうじて供されていたものの,着るものときたらほとんど古着のようなものばかり。特に三男坊の私など全て兄たちの「お下がり」ばかりだった(古着の古着の,そのまた古着!) 家のな . . . 本文を読む
そろそろ一周年を迎えようとしている。何の一周年か?と申しますと,それは,自宅の二階仕事部屋の東側壁面に国土地理院2万5千分の1地形図を計18枚ほど繋ぎ合わせてベタベタ貼り付けてからちょうど一年,ということになります(ツマラヌ話題で恐縮です)。
以前,そこの壁には地味な振り子時計がポツンと掛けられており,その他には《宇宙から見た神奈川県》というグラフィック・ポスター(制作:(株)写真化学,サイ . . . 本文を読む
ここ数ヵ月のあいだに,我が家の周辺(半径250m以内)に立地する商業店舗の何軒かにおいてドラスティックな業態転換が見られた。すなわち,
生協 → 動物病院
学習塾(小中学生向け) → 整体治療院
日本料理店 → 介護ステーション
といった具合である。加えて,現在進行中の事例として,
畑地(休耕地) → 特別養護老人施設
などという案件もある。さらに,もう1 . . . 本文を読む
何日か前に小田急線のことを少し書いたので,それの絡みで沿線ネタをもうひとつ。
神奈川県西部,小田急線の鶴巻温泉駅と伊勢原駅とのあいだに,走る電車の窓から広々とした平坦な農耕地が一面に見渡せるエリアがある。そこは二級河川金目川とその支川である鈴川,大根川,善波川などによって作られた沖積低地である。
現在,東京・新宿から神奈川・小田原までの小田急線沿線において車窓から望むことのできる風景とし . . . 本文を読む
暖かな季節になった。しかも零細自営業者にとって今は基本的にヒマな年度初めであるがゆえ,夕方近くになると仕事を適当に切り上げ,自転車に乗って山の方へとひとっ走りに出掛ける日々である。空が曇っていて少しくらい雨がパラついても,春の暖かさのなかでは軽いウィンドブレイカーを羽織るくらいで十分だ。
最近では盆地内の川沿い,それも細流や渓流,小谷,ときには畑のなかを深く穿たれた水路のような溝にチョロチョ . . . 本文を読む
今さら申すまでもないことだが,道路(車道)の右側をごく当然のようにして走行する自転車人が,我が町にも老若男女を問わず少なからず見受けられる。いや,彼ら彼女らを自転車人などと称するのはオコガマシイ。自転車に乗ったサル,とでも断じておけば十分だと思う。あるいは,箸と茶碗を持つ手がどっちだかワカランチンの手合い,とでも婉曲に言っておこうか。とにかく他人事ながら,まったくもう,アブナイではないか。プンプ . . . 本文を読む
つい一週間ほど前のこと,ある古本屋さんで今から約50年前に発行された本を購入した。いや別に,またぞろ「ブックオフ・ネタ」をブリ返そうとしているわけではなく,これは某専門古書店から新しい目録が当方宛てに送られてきて,そこに掲載されていた本を注文購入したという話であります。本のタイトルは『陸水動物実験法』,著者は元・京都大学大津臨湖実験所所長にして日本陸水学会会長であられた上野益三さん,出版社は医学 . . . 本文を読む
現在私ども家族が住まうこの盆地の町に他地域から来訪されるに際しての主要な交通ルートとしては,道路では国道246号,鉄道では小田急線があり,それらはいずれも盆地内をほぼ東西に横切っている。
東側からのルートは,国道246号の場合は伊勢原方面から善波峠に至る長いダラダラ坂を上り,新善波トンネルを抜けると,その先の眼前には秦野盆地がパノラマ状に広がり,さらに遠方には手前に箱根連山を従えた富士山が秀 . . . 本文を読む
繰り返すが,春である。サクラだけではなく,スミレやレンギョウ,ハナズオウ[(c)大島弓子],さらには,EやらFやらGやらも[種名は覚束ないので伏せます],とにもかくにもいろんな花が次から次へと咲きはじめる春なのである。地道に暮らしておればやがてこのような春がまた廻ってくるというアリガタサを,とりあえず誰に感謝しようか。しかも本日はすこぶるお天気がいい日曜日であったりするわけだから,これはもう外に . . . 本文を読む
つい最近の話である。東京方面に用事で出掛けたおり,一寸休憩するためにとある街角の喫茶店に入った。いわゆる今風のスタバとかドトールとかではない。昔ながらの落ち着いた外観の,少々草臥れた感じのする小さな喫茶店である。正直あまり居心地がよいとはいえないフワフワシートに座り,やや暗めの照明のなかでコーヒーを飲みながら,しばしのあいだ疲れを癒していた。最近はどうも長い距離を歩くと首筋と足首に疲労がきて,N . . . 本文を読む
年度が改まり,当地を流れる水無川沿いに植栽された桜もほぼ満開である。暖かい陽差しのなか,たくさんの老若男女が桜の木の下をそぞろ歩いている。赤ん坊を抱いた幸せそうな若夫婦もいれば,足元の覚束ない枯れた老夫婦もいれば,パンチパーマ&濃い化粧のちょっとアブナイ系の男女もいる。まことにオメデタイ季節である。
昨日,小田急線で新宿方面に出掛けた。電車に乗ると,車内にはこれまた真新しい背広姿のフレッシュ . . . 本文を読む