先日,『川の生態系を探る』というテーマの市民講座を受講した。ワタクシ個人的な立場としては,その手の催事は一切スルーする(係わらない)ことを基本としているのだが,今回その催しにあえて参加したのは,たまたま会場となった場所が拙宅のごく近所であったこと,その日は何故かヒマをもてあましていたこと,講師として来られた方が県内では比較的名の知れた中堅どころの魚類研究者(or魚屋さん)であったこと,などの理由 . . . 本文を読む
諸般の事情により今まで記録する機会を逸してきた過去の拙い思い出話が,我が心中には少なからず存在する。別に誰のために何のためにというハッキリとした目的意識があるわけでもなく,ただ一応は自己検証しておかねばナ,という引っ掛かりがどこかにあるがために記憶の引き出しに後生大事に保管し続けているガラクタのようなものたちである。もっとも本心では,やはり誰かに一寸伝えておきたいのだ。共感・同感ないし異論・反論 . . . 本文を読む
10日ほど前から,両手の甲を中心に「虫さされ」のような跡が何ヶ所も発生するようになった。最初の4~5日は市販の「かゆみ止め薬」などを塗って対処していたが,一向に良くならず,それどころか患部がだんだんと増殖・成長・拡散してきて何やら悲惨な状況になりつつあるように思われたので,自家判断(自力更正)をあきらめて潔く医者の力を頼ることにした。
念のためインターネットで関連事項を検索してみると,どうも . . . 本文を読む
それは東京都の江戸川区内を流れる川での出来事だそうだ。ずっと以前から河川敷の土地を自分らで勝手に耕して野菜畑や果樹園などを作っている地元住民に対して,再三の警告にも耳を貸さないことに業を煮やした行政側が,とうとう河川敷内に点在する作業小屋等の不法工作物を重機使用による強制撤去に踏み切った,というニュースが昨日TVで報じられていた(ただし,肝心の畑と農作物の除去については「お上の情け」でもう少し先 . . . 本文を読む
川に棲む生き物について。なかでもとりわけ「絶滅危惧種」なるシロモノについて。大多数の人々にとっては全くドーデモイイと思われることを以下に少々述べさせていただく。
世に存在する「絶滅危惧種」あるいは「貴重種」ないしは「稀少種」などと称される生き物に関して,ごく一般的なものをいくつか列挙してみると,動物ではニホンカワウソ,イリオモテヤマネコ,アマミノクロウサギ,カンムリワシ,シマフクロウ,ミヤコ . . . 本文を読む
最近,東京都杉並区内の河川生物調査の仕事を引き受けた。対象河川は神田川,善福寺川,妙正寺川など,いずれも住宅密集地区を流れる典型的な中小都市河川である。ひとこと註釈を加えておくと,この地域においては「川」というものはほぼ例外なく,人々の日々暮らす「街」とは全く相容れぬ存在,いわば「異物」として扱われており,鉄格子のフェンスにより道路と河道とは厳然と区画され,水際部は高さ7~8mもあろうかというコ . . . 本文を読む
先日,我が茅屋の山向こう,西丹沢の玄倉川流域でキャンパー10数人が出水で流されるという事故があった。何でも,豪雨の中をものともせず中洲でテントを張って遊んでいたところが急な増水でニッチモサッチモ,結局みんな流されて合計13人も死んでしまったということだ。実にオロカな人々である。マスコミは総じて彼らの取った行動を遠慮がちに非難していたようだが,このような場合もっと厳しく,もっと強く死人に対して鞭打 . . . 本文を読む
以下はある特定の場所・地域を対象とした話題ではなく,恐らくは現実的にも充分あり得べき類型的地域事象ないし事例を想定したものとしてお読みいただきたい。それは都市河川と地域住民との関わり,より具体的に申せば「河川改修事業」において,いわゆるひとつの“文化的な付加価値”として“ゆとり予算”のオマケの一例としてしばしば築造されることの多い「親水施設」の在り方についての,いってみればヨタ話である。
ま . . . 本文を読む
現在,我が家には玄関脇と仕事場入り口の2箇所に水槽が置かれている。玄関の方は,いわゆる“床の間のお飾り”的に見栄えよくした水槽で,中で泳いでいる魚もタニクティス・アルボヌベス(東南アジア産),オトシンクルス・アーノルディー及びコリドラス・パレアタス(ともに南米産)などの,いずれもごくポピュラーな熱帯魚である。その他,水草や巻貝なども二,三投入し,多少なりともバランスト・アクアリウム風な気遣いも持 . . . 本文を読む
相変らず雑事にかまけた日々を過ごしており(その雑事が食うための仕事の主要部分を占めているのだが),気がつけば「川」を主題とする私の基本的見解の整理・取りまとめに着手しないまま,はや1年以上が経過してしまった。ホントは単に億劫なだけ,といった方が当たっているか(このグータラには将来必ずやツケが回ってくるような気がする)。そんなわけで再び思い出したように,あるいは何者かにせかされるようにブチブチとさ . . . 本文を読む
憂鬱な心境の断片を少々。今般,世界的規模で発生している異常気象,ならびに多少なりともそれに起因すると考えられる本邦特定地域における河川の増水・洪水・氾濫,あるいは場所によっては減水・渇水・干出等々の自然現象,河川流域で日々を暮らす人々にとっては歓迎されざる,いや憎むべきといった方がより適切であろうが,そのような自然現象に関して,人は私に何を発言せよというのか? (いえ,二,三の方面から聞かれたり . . . 本文を読む
昨年に引き続いて今年も青森県において魚類調査を行うことになり,先週の3日~4日の2日間出張した。朝一番の飛行機で出掛けて翌日の最終便で戻るといった,例によってセワシナイ調査旅行ではある。今年度の調査対象河川はなかなかに魅力的な川で,かの有名な“世界遺産”白神山地にその源を発し,緑深いブナ原生林のなかを緩やかに谷を刻んで北流し,鯵ヶ沢海岸付近で日本海へと流出する二級河川赤石川である。
折悪しく . . . 本文を読む
今朝の朝日新聞神奈川版に, 『オイカワ,ヨシノボリ,いずれはアユも....魚戻ったアイデア魚道』 という見出しの,いわゆるヨタ記事を見つけた。以下のコメントは本来ならば《川の構造について》の論考としてキッチリと書くべきテーマなのだが,どうも現在,体調不良につきあまり建設的な意見は出せずブツブツ文句しか言えそうもないので,ここでアブクと化してしまう。以下,新聞記事の転載とそれに関する私見を併記する . . . 本文を読む
川の流れの種類,特性,機能と構造等々を分類・再整理したい。したいんですが,今ちょっと時間がなくて.....(言い訳言い訳)。で,最初は繰り言から始まります。
関東平野の片隅で生を受けた私にとって,幼年時,自分の住む世界は基本的に平らな大地がどこまでもどこまでも続くところであった。ちょうどジャック・ブレルが《平野の国,それは私自身だ》と唄ったそのままの世界。そこでは,山というものは絵本の . . . 本文を読む
昨日と一昨日の2日間,滋賀県東部の山中で川の調査を行ってきた。下等植物緑藻類の一種(特ニ名ヲ秘ス)の生育・分布状況,他地域への移殖可能性の検討,等々に係るややメンドーな調査である。幸い2日間を通じて穏やかな好天にめぐまれ,かなり気持ちよく川の中を歩き回ることができた。水温は約12℃,pHは8~8.5のアルカリ河川で,水あくまでも澄み,岸辺の淀みにはこの夏生まれたタカハヤの稚魚が群れたりしている。 . . . 本文を読む