第10回 「細胞の不思議」 2024年8月22日 10:00〜11:30
講師 JT生命誌研究館 館長 永田 和宏 様
会場 JT生命誌研究館
JT生命誌研究館は高槻の芥川商店街を西に抜けてから北方向に進みすぐのところに位置しています。
入口を入ると手入れされた桜が連日の暑さの中で心地よい木陰を作ってくれていました。
昨年もクビアカツヤカミキリの被害対策の為一部の桜にはネットが張られていましたが今年も少し残っていました。
ただ、朝早くから園内の手入れをされている職員の方々がいらっしゃり、植物が大切にされているところだと感じました。本日も大変な酷暑でした。
前置きが長くなりましたが、
午前中の永田館長の講義のテーマはご自身の著書のひとつのタイトルでもある「細胞の不思議」でした。
普段の生活の中で私たちはどれだけ細胞の大きさのことを考えるでしょうか?
とかく大きい物には目を奪われがちですが、
生命を作る動物細胞の大きさは一つ1mmの100分の1で、
人の場合は 細胞の数が60兆個あって1列に並べると60万kmにもなりその長さは地球を15周もするし、
また一つの細胞の中の遺伝子を並べると1、8mになるそうです。
どこまで小さい単位なのかと思っていたら、その数が多すぎて壮大なスケールとなっていきました。
まさにミクロコスモスです。
最初に書いた人の細胞の数の定説はのちに修正されて
現在では60兆個から37兆個になっているそうです。
この定説が変更された経緯についてお話を聞いているとサイエンスというものへの入口から中へ誘われているような気持ちになりました。
*根拠不明の定説を疑え!
*なんの役にも立たない数字や情報よりも知りたいという欲求が大切です!
*もし本当の数字があるならそれを知りたいという根源的な欲求が研究や学問の根拠となる。
知るということへの探究心が刺激を受けました。
長い細胞説の歴史の中でも何度も定説が否定され新しい定説が生まれるという繰り返しだったそうです。
また細胞には200〜300種くらいの種類があり、それぞれの細胞には寿命があると聞きました。
一番長生きの神経細胞の寿命は200日ほどなので1年経つと全て入れ替わっていることになります。
皆さんも間違いなく日々変わっているようです。
細胞はたくさん集まってその形を作っていますが、ひとつの細胞の周りの膜は非常に薄いことから生命はとても危うくて、柔らかいもので成り立っていることも想像できました。
細胞の不思議、生命の神秘 これからもたびたび感じていきたいと思いました。
昼食は参加者全員揃って近所の中華料理店へ行きました。
班長・副班長会の企画で短かい準備期間の中スムーズに準備を進めていただき、楽しいランチタイムとなりました。
第11回 「JT生命誌研究館の見学」 2024年8月22日 13:15〜14:30
場所 JT生命誌研究館
午後はJT生命誌研究館のガイドスタッフ3名の方の案内で館内の見学をしました。
館内は科学のコンサートホールとも呼ばれているそうです。
展示内容が豊富で展示方法も多彩な工夫がありましたが、どの展示も繊細な旋律からなるような気がしました。
ガイドスタッフの方のお話もとても聞きやすくわかりやすく解説していただきました。
2重らせん階段の1階は地球誕生、4階は現在という設定です。
食草園ではチョウと食草の関係を聞きましたが、あいにくチョウには出会えませんでした。
DNAは物質であり、ゲノムはその情報のこと! 何度聞いても忘れてしまいます・・・・
生命誌絵巻は多様な生きものが長い時間の中で誕生した様子が表現されています。
ガイドスタッフの皆様 生命の歴史や多様な生き物についてのお話とご案内ありがとうございました。
次回の講座は9月5日の予定です。
テーマは「水草を観察してみよう」「植物が見せる不思議な世界」 です。
お楽しみに!