ISIの上にも30x年

映画を見た時の感想を入れときます

1999/10/20 「ディープ・ブルー」

1999-10-20 12:00:00 | 日記
「ディープ・ブルー」(1999年米)

 この映画は「ダイ・ハード2」「クリフハンガー」の監督レニー・ハーレンが監督。
サメに襲われた人々を描いた話で、サメと言えば「ジョーズ」と言う傑作があるが、
あれにどこまで対抗できるかが見物。
ただ、目先を変えようとして、海上の施設に場所を限定。
それは「ジョーズ3」と同じような気がする。
しかも遺伝子操作で怪物になった、サメでもないモノが相手となると
逆につまらなくなりそうだが、そこらへんがどうなっているやら。
出演はサミュエル・L・ジャクソンを除くと知らないヤツばかり。
誰がやられるかわからないようにするのが狙いらしいが、
意表を突く事ばかりに、作品の意図が集中するのも考え物。
まあ、ジョーズのバッタもんだと思って、見てしまえ。

 冒頭は船でくつろぐカップル。突如、ものすごい振動で何かに襲われ、
船は大揺れ今にも沈められそう。海に落ちる者も。現れたのは巨大なサメ。
ジョーズのなぞりのような始まりだが、ここからがちょっと異なる。
突然モリを撃ち込み助ける男。彼はサメの専門家カーターだ。
キマイラ製薬は、スーザン博士指揮の下、サメを利用して実験をしていた。
スーザンは父親がアルツハイマーで死亡。
この病気を駆逐するため、サメの脳から有効な脳組織を培養して抽出する計画なのだ。
もちろん、違法なDNA操作はしていないと言う。
だが、社長フランクリン(サミュエル・L・ジャクソン)は
予算オーバーで、まもなく研究をストップせざるを得ないと言う。
研究に執念を燃やすスーザンは、何とかあと数日で成果を見せるからと主張。
とりあえず、それを待つ事にし、フランクリンは視察に来る事に。
研究所は太平洋上にあるアクアティカ。かつての軍事施設を利用した物だ。
そこにいるメンバーは、サメと泳ぐ事ができるカーター。エンジニアのスコッグス。
研究医のジム。その恋人ジャン。コックのダドリー。
施設は、海上の塔でもう1人のメンバーであるおばさんが訪問者を監視し
海底3階あたりで研究しているのだ。
理屈はよく分からないが、細胞をどんどん培養して孫まで作るとサメは超巨大に成長。
ジョーズで見慣れたサメとは違って、何だかいびつな感じでちょっとなじめない。
その脳組織を抽出した結果、ガン細胞だかが減少するのを確認し、一同大喜び。
だが調子に乗ってサメに近づいたジムは、片腕を食われてしまう。
サメは暴れて逃げ出す。
あわてて一同は救援隊を呼ぶ事になるが、海上へ上がるとそこは嵐。
ヘリが到着して、ワイヤーでタンカをつり上げる事になり、
一同はまあ安心して海底へ。だが、フックが海中にもたれていて、
これを逃げたサメが食いつき、引っ張られたためにヘリは墜落。
おばさんの塔を巻き込んで爆発。
海底に戻った一同は、上の方で何やら振動を感じ、強化ガラスから海を見ると
ジムをくわえたままのサメが、タンカを強化ガラスにたたきつけると簡単にヒビが入り
ガラスが割れて浸水。あわてて逃げる一同。
どうもおかしい、体がでかいし、頭が良すぎると不思議がるが、
スーザンはうなだれながら、研究成果を早めるため、
違法なDNA操作をした事を認める。
一方、コックのダドリーがいるキッチンにも浸水。そこにも別のサメが。
合計3匹出てくるわけで、その数の多さが逆に脅威を薄れさせる。
ダドリーはオーブンに逃げ込むが、サメも頭が良くて電源をONにする。
あわてて脱出。ここで何とかして倒すのだが、その方法はもう忘れた。

 一同は海上へ何とか上がろうとするが、ヘリの爆発の影響で上は火事になっていて
浸水もあって簡単には上がれない。しかも浸水している所はサメの危険がある。
状況としては、ジョーズ3と似たものがある。
絶望する一同を、普通だったら一番の悪玉である出資者のフランクリンは
かつて雪山で遭難したが生還した過去を持ち、
生き延びるためには皆でがんばるしかないと言うフランクリン。
ところが、その背後にあるプールから、突然CGの妙に速い速度ではい上がったサメに
たちまち食われてしまう。
とにかく逃げるしかないと、一同はシャフトから上へ上がるが
ハシゴが折れて、ジャンが水中に落ちてしまう。
カーターが助けようとするが、うまいタイミングでサメがここに現れ
水中に消えたかと思うと、次の瞬間、ジャンをくわえたサメが現れるという始末。
スーザンと比べて、悪いところのない女性出演者が、ここで簡単にやられてしまう。
ダドリーと合流するが、上へ上がるには破壊工作をしなければ道がない。
カーターとスコッグスが取り組む事になるが、ここでも簡単にスコッグスがやられる。
一方、残されたスーザンは、これだけ犠牲が出たからこそ、
資料を持ち帰らねば犬死にだと研究室へ戻るが、そこにもサメが現れる。
ここで簡単に食われても良さそうだが、そうはならず、
ウェットスーツを脱いで、裸にでもなるかと思ったが裸にはならず
電線をかませて感電死させる。ジョーズ2と同じ手段だ。残りはあと1匹。
余裕があるのか、ウェットスーツを再び着て残るカーター、ダドリーと合流。
サメが迫る中、水圧を利用して上昇する事になるが、
急速に上昇すると肺が破裂してしまうのだ。
と言う感じで、なかなか上がれないもどかしさは面白いのだが
もちろんそんなシーンは長くは続かない。
一同は何とか海上に上がるが、たちまちダドリーが襲われ、足を負傷。
ダドリーは死なずに逃れるが、このままではサメが施設から外へ出てしまい
繁殖したらえらい事だ。
カーターは水中銃を撃ち込み、電流で爆破する事を計画。だがうまくおびき寄せられず
ここへ来て突然スーザンは、責任を感じるようになったのか
囮が必要と言って海に飛び込む。
飛び込む事は飛び込むが、カーターの心の準備はできておらず
ガブガブガブと3口で簡単に食われてしまい、何の役にも立たず。
もう1人の女性が早めに死んだため、
この悪役の方は意外に生き延びるかと思えばこの始末だ。
カーターはサメに飛び移って押さえ、そこをダドリーが水中銃を撃ち込む。
もろともに命中してしまい、このままではカーターは逃げられないのだが
施設のフェンスを破るところでカーターの体が離れ、サメだけが海へ。
そこで爆発して吹っ飛び、ようやくすべてのサメが退治される。
共に負傷した生き残りカーターとダドリーは、何も知らない交代要員の到着を待つ。

 と言うわけで、結局のところ見てみるとやはりジョーズのバッタもんで
あちらが1匹をひたすら怖く見せていたのに対し
こちらは3匹も出てくる始末で、当然1匹ごとのサスペンスは落ちるわけで
さっき倒せたんだから、こいつも倒せるはずと言う印象を受ける始末だ。
監督は有名俳優を避けたのは、誰がやられるかわからないようにしたためと言うが
物語的には、こいつが主役だから生き残るはずと言う予想はだいたい当たり
唯一意表を突いたのは、主役かに思えた女科学者が、ムダに食われた点くらいか。
襲われるのではとハラハラするシーンは大丈夫で
逆に襲われるのは突然と言う展開が続き、驚かせようと言う事に必死と言う感じ。
おかげで、そこに気づくと話は結構読めてしまう。
よくわからない施設の構造は、追いつめられてるのかどうかわからないので難があるし
サメの倒し方は、ジョーズシリーズで使われた手の繰り返し。
怖がらせ方も、ジョーズの怖がらせ方をうろ覚えでマネしたと言う程度。
まさにバッタもんと言う感じ。
まあ、バッタもんにはバッタもんとしての楽しみ方もあるのだが。
コメント
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