9月20日、朝倉市フレアス甘木にて「第三回櫨フォーラム」が開催されました。
画像は荒木製蝋合資会社の荒木眞治社長。
会場に櫨の枝を持参してこられました。櫨の実のつき方を解説しながら、どうやって櫨の実をもぐのかを実際に説明していただきました。
櫨の実を枝からチョキンと切ってしまうと、その枝から実は3年ぐらいならないこと。
実がついている時には、来年の芽の準備がもうできているからであること。
そういった実の採取についてあまりに何も知らず、ただ枝を切って実を採取する人が多くて困っていること。
基本的なことですが、櫨の実の採取は櫨蝋産業の根幹に関わることです。
また熊本廣文さん、朝倉市より植樹の報告がありました。
接ぎ木が成功しているかはあまり芳しくない内容でしたが、少なくとも答えを得られているというのは進歩です。
午前中は櫨蝋を使った石鹸作りWSでした。講師は(株)ツツミプランニングの河北龍志氏。
この日のWSではオリーブ油、パーム油、五島の椿油を使った石鹸を作りました。
製法は石鹸の基本であるコールドプロセスです。
石鹸といえど、良い原料ばかりを選んで作っていて、贅沢な石鹸になりました。
NPO法人あさくらの会では、「朝倉石鹸」として1200円で販売しています。
また、第三部では滋賀県から大與の手がけ和ろうそく職人大西明弘さんがお話をされました。
最近出回っている、怪しげな和ろうそく左と、櫨ろうそく右を比べています。
やたらと煙が出ている和ろうそくは、なにやらいろんな材料が混ぜられている様子。ちょっとパラフィン系の合成ろうそくのような燃え方です。
こういう質の悪い和ろうそくが身体にも環境にも悪く、和ろうそくの価値を貶めているとわかっていても、価格が安く大量生産できるので市場には出回っています。
本当の櫨の和ろうそくとの違いを、私たちももっと伝えていかねばならないと思いました。
最後に山口より花柳寿寛福さんがプロジェクタで、和ろうそくの世界の話を発表されました。
日本舞踊の花柳流からアプローチする和ろうそくは、和ろうそくをどう使うかという視点に立つと大変興味深いものがあります。
5年前、八女市明永寺で地元高校生と一緒に「八女のちょぼくれ」を作り上げました。
山口では地元の学生と一緒にイベントを行い、和蝋燭の輪が広がっています。
今回の櫨フォーラムは、櫨をテーマにいろんな世界の方が集まり、それぞれの立場から提案いただきました。
朝倉櫨フォーラムは最終回となりましたが、櫨フォーラムを通じて、いろんな地域の方たちと仲良く繋がったのは大変意義深いことだったと思います。
この櫨の灯りの輪が途切れないように、活動をつないでいかなくちゃと改めて思った一日でした。