松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

久留米まち旅博覧会 〜櫨染〜

2017-11-05 17:42:18 | 櫨染(はじぞめ)プロジェクト
毎年秋に開催されている体験型観光プログラム「久留米まち旅博覧会」。今年は第13回になります。
当委員会では毎回いろんな趣向にチャレンジしていますが、今回は2年前に好評だった「櫨染」プログラムを再び実施することになりました。
櫨染プログラムは当初は1回のみの実施でしたが、参加者さんの要望に合わせて、なんと3回も実施することに。

櫨染は櫨の木の丸太の芯材を使います。

この外側の皮と白い部分を取り除いて、チップにします。

こんな感じ。

チップの色だけでも、とってもキレイです。

今回の参加者さんは、みな草木染めは初めてだとか。
ちょっと緊張の面持ちでしたが、いよいよ染液につけていきます。



んで、ひたすら染液に混ぜながら浸すこと20分。
この時間を省略すると、糸の奥まで染みこまないので、じっくりおしゃべりしながら浸します。



真剣です。


色が鮮やかについてきました。

みょうばんを使って媒染、すすぎと繰り返し、クリアな色に染め上がりました。


終わった後は、2Fの木春食堂へ。毎週木曜のみの30食限定ランチは大人気。身体に優しい野菜中心の料理をいただきました。
ちなみにこのプログラムを毎回木曜に実施するのは、木春食堂に合わせてなんですね〜。
やっぱりこのランチを食べなくちゃ。


まち旅の参加者さん用へスペシャルデザートもつけてもらいました。


今回初めての「まち旅手帖」。御朱印帳みたくまち旅参加者が集めて回ることができる手帖です。
櫨染はこれ。櫨染和紙を貼りました。


櫨染の金色で幸せが訪れますように。

櫨染黄金色ワークショップ、8/26に急遽開催

2014-08-24 09:52:03 | 櫨染(はじぞめ)プロジェクト
先週の8月22日に櫨染ワークショップを山辺道文化館で行って、とても好評だったので、まだ染め足りないという声もあって、急遽26日の火曜日午前中にも櫨染をすることになりました。

画像はアサヒシューズの体験教室で作ってこられた白いスニーカーを櫨染したもの。
靴を染めたのは初めてですが、びっくりするほどきれいな黄金色になりました。
スニーカーを染めている様子。


とてもカンタンに染められます。

おなじみのストールも染めてもらいました。


できあがり!緑に映えてきれいですね!

(photo by Hiroko kawaguchi)


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8月26日火曜日 11時より
ぎやらりぃかふぇ 月のまつり うきは市吉井町福益 241-1
申込先 info@mahaze.com 矢野まで

染める布等を持ってきてください。
ストール、ハンカチはこちらで少し用意しています。
染め代500~2000円(染める布の量で変わります。)
※汚れてもいい服装で来てください。櫨染色が水にはねて服に付着する場合があります。
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「空色のおくりもの」でオリジナルのふんわり櫨染ハンカチをどうぞ

2014-05-08 14:19:08 | 櫨染(はじぞめ)プロジェクト
明日、5/9(金)、久留米岩田屋屋上sorairo広場にて開催のイベント「クリエイターとつくる空色のおくりもの」に出店します。

今回は母の日プレゼント企画。春先からコツコツと練習してきた櫨染(はじぞめ)の体験ワークショップを行います。

konoitoさんの肌に心地よいミニタオルを櫨染して黄色く染めます。
吉井町のギャラリー「月のまつり」の福井さんから指導協力していただけることになり、心強い限り。
参加費は1,000円。

ミニハンカチ以外にも、首巻きストールなど少し種類も用意してるのでオプションで染められますよ。

ほかにも様々なお店が出店していていろんな体験ができます。
貴重な機会ですので、ぜひ明日は久留米岩田屋にお越しください。


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櫨染(はじぞめ)プロジェクト始動

2014-03-10 22:17:50 | 櫨染(はじぞめ)プロジェクト
今日は快晴。まだ肌寒い三月ですが、今年は櫨染プロジェクトが動き出しました。

芯巻き職人・堀純子さんを中心に、櫨屋敷で櫨染のワークショップ開催を目指して勉強会です。
うきは市のギャラリー「月のまつり」の福井さんの指導のもと、絹やリネン、綿などいろんな素材でストールなどを櫨で染めていきます。


櫨の芯材を切り出したチップを煮詰めてきれいな櫨染色がでてきました。


ストールの種類によっても色が変わってきます。


色合いが楽しめるのが草木染めの醍醐味ですね。それにしても櫨ひとつでずいぶん違う雰囲気になりますね。


午後の光にあたって鮮やかな色がひらめきました。

今は絹ストールなど、高級な商品でしか扱っていませんが、今年はワークショップを中心に、もっと積極的に櫨染を楽しめるといいなぁと思います。

ワークショップは5月以降に行う予定ですので、ぜひお楽しみに!

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櫨染和紙_新たな発見

2011-07-12 08:36:39 | 櫨染(はじぞめ)プロジェクト
10日と11日の櫨染和紙による写経は、無事に終わりました。

特に昨日はご住職の読経あたりから、バリバリバリッという雷鳴が轟き、写経の時間中ずっと雷が鳴っていました。でも写経への集中力は全く影響なかったようで、皆さんの熱心さに私の方が感銘を受けました。

さて、実は櫨染和紙について、新たな発見があったので書いておこうと思います。

和紙を櫨染にすること。
それは櫨染の「黄色」が、富や理想の象徴の色だからと解釈していたわけですが、なんとそれだけじゃなかったんです!

画像を見て下さい。


これは写経された方の紙の裏側から撮影したものです。
墨汁が裏側までしみ通っている部分と、そうでない部分がありますね。

今回、櫨の芯材チップを煮立てた後、ミョウバンと混ぜて刷毛で和紙に一枚ずつ塗っていったわけですが、わざと塗りムラを作って微妙な風合いを出していたんです。

櫨染液を塗っている所と塗ってない所ができて、塗ってない部分だけが墨汁が滲んでいました。

これは理由があるに違いない!

というわけで、いろんな方に聞いてみると、沖縄で櫨の石鹸を生産販売されているぷりりんまりりんさんから情報をいただきました。

礬水引き(どうさびき)です。

礬水引きとは日本画で和紙や絵絹などの滲み止めを行うための技法で、膠(にかわ)とミョウバンを混ぜた礬水液を天気の良い日に和紙に塗るんだそうです。

この技法によって筆のタッチが滲まずシャープな線が可能となります。

今回の場合、墨汁の成分にすでに膠が入っていますから、ミョウバン入りの櫨染液を塗った部分は滲まなかったのです。

つまり和紙を櫨染にするということは、墨汁の滲みを防ぐという役割も果たしていたんですね!

日本画より写経の方が歴史は古いでしょうから、礬水引きという技法も、もとを遡ると写経のための技法だったのかもしれません。

今回の写経イベントによって、櫨染(草木染め)+写経+礬水引き(日本画技法)という三つのジャンルの知識がクロスオーバーし、伝統文化や技術の奥深さの一端を垣間見ることができました。

こういう事があるから、やっぱり櫨の活動って面白いんですよね。

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櫨染和紙による写経

2011-07-11 07:21:47 | 櫨染(はじぞめ)プロジェクト
昨日と今日、櫨染和紙による写経を櫨屋敷にて開催中です。

写経といえば、普通は定期的にお寺で行われていますが、一般の古民家で櫨染和紙による写経を行うというのは日本全国広しといえども、ここ櫨屋敷だけでしょう。

正直言って、写経セットとかは百円ショップに売られているし、写経自体は好きな時間にどんな紙でもいいから書くことで取り組めることなんですが、わざわざこのイベントを櫨屋敷で開催した意味を書いておきたいと思います。

例えば料理などにも言えることですが、素材を厳選し、丁寧に調理をした料理は、やはり良い器に入れることで一層味が美味しくなるもんです。もちろん場所も大切だからこそ、レストランや料亭が存在するのです。

演出は真実を際だたせる効果があります。

櫨染和紙による写経イベントの場合、写経をするための紙にこだわりました。

櫨染はもともと正倉院文書の経典出納記録に記載されていました。すなわち写経用の色紙として使われていたのです。櫨染の色は太陽の色であり、富や理想の象徴の色でもあります。

写経をする紙に、わざわざこの色をつけたのは、自分たちの豊かな理想への祈りが込められたためではないかと、勝手ながら私は思っています。

当委員会では、櫨染和紙にするために、細かくチップにした櫨の芯材を、煮立てて色を出した後に、八女の手漉き和紙に一枚ずつ刷毛で塗っていきました。

大量生産の時代にわざわざ手間ひまかけて仕上げた櫨染和紙は、優しく微妙な風合いになりました。

今回は浄土真宗のお経・三誓偈の経文を写経しましたが、親鸞という方の生まれた鎌倉時代は、うち続く天災に苦しむ社会不安があり、腐敗や堕落、退廃にまみれた政治や宗教が蔓延した時代でした。

私たちは、昔と違って技術が進んで便利な生活を送っていますが、先日の東日本大震災、それに対応する政治やマスコミなど一連の出来事を見ていると、人間の心は、鎌倉時代とあまり変わっていないのではないかと思えてなりません。

人間の心は見つからない答えを求めて彷徨っていると言われています。

今回、この手間ひまかけた櫨染和紙に一文字ずつ書くことは、不安の中で彷徨いつつ、それでも生きていかねばならない自分たちを、少しでも勇気づけてくれるのではないかと、そう思ったわけです。

もちろん写経をしている時間、櫨屋敷では櫨キャンドルも灯しています。写経をしながら、ふと疲れた時に温かい炎を見つめて目が癒されるように。

昨日、写経をされた方が、いずれも充実した時間を過ごすことができたと満足そうな面持ちだったので、私自身も勇気づけられて温かい気持ちになりました。

「櫨染和紙による写経」は、全くの初めてのイベントでしたが、やってよかったと思います。

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7月10日と11日は写経の日…。

2011-07-06 22:17:25 | 櫨染(はじぞめ)プロジェクト
7月10日(日)と11日(月)は櫨屋敷での写経です。


刻々と近づいてくる中、櫨染和紙の準備も進んでいます。

八女の和紙屋さんでは、原料から櫨染(はじぞめ)色を出す手法は、やはりうまくいきませんでした。
そこで、媒染剤を使ってみることにしました。

布などを草木染めをする場合、必ず定着剤(媒染剤)を使いますが、これは染めた色が落ちないようにするため。日本では昔からみょうばんなどを使った媒染と鉄媒染の二種類が使われてきたそうです。

紙だから媒染剤は必要ないだろうと思っていたのですが、ものは試しです。櫨の木のチップを煮立てた染液に、焼きみょうばんの粉をいれてみると…染まりました!

ようやく黄色になりました。みょうばんに感謝感謝です。

あとはこれを刷毛で和紙に塗っていけば出来上がりです。
刷毛のむらが微妙な色合いで和紙に広がります。


ようやく櫨染写経の準備が整ってきました。

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「日本の色 世界の色」に掲載されました!

2010-02-25 22:56:41 | 櫨染(はじぞめ)プロジェクト
本が届いた時、しばらくの間封筒を見て「あれ?こんな本、注文したっけ?」と首をひねってました。

で、中身を開いてから、ず~~っと以前にメールで問い合わせがあったのを思い出しました。

「そうだ!櫨染とか櫨の木の芯材とかの画像が欲しいって言われたんだっけ!」

てなわけで、さっそく掲載ページをパラパラとめくると…ありました!


ページの下には雛人形の写真で「黄櫨染」の説明もあります。

ふ~む。こうしてみるとあらためて感慨深いものがあります。

書籍になるなんて…。

しかも色の教科書みたいな本に掲載されるなんて…。もう感謝感激です。
活動をやってきて、何か少し報われたような気がします。

もしご興味のある方がおられたら、ぜひご覧下さいね!

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杣のけやき染め工房

2009-09-15 00:10:34 | 櫨染(はじぞめ)プロジェクト
矢部村に行ってきたのは「杣のけやき染め工房」を訪れるためでした。

ここはOさんの草木染め工房で、主に染め体験と機織り体験ができます。

入り口には染めに使う小枝のチップが干してあります。



工房の中は、草木染め特有の柔らかい色彩の洋服や小物が並んでいます。


奥には機織り機も数台あって、子ども達の体験にもぴったりですね。


様々な色の糸があります。


ここは名前のとおり、けやき染めを主にいろんな草木染めをされていますが、もちろん私が来たからには「櫨染」です。

さてさて、どのようにできるでしょう?

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京都の手染メ屋さん

2009-07-27 23:38:35 | 櫨染(はじぞめ)プロジェクト
京都に草木染めのTシャツを作っている「手染メ屋」さんがあります。草木染めでTシャツってピンとこなかった私ですが、HPに掲載された商品をみると、とてもカッコいいTシャツばかりです。

そこの青木店長さんから、ぜひ櫨染をしてみたいとのお申し出がありました。以前のエントリ「櫨チップを作る」で、やっと櫨の芯材でチップを作ったばかり。この機会にモニターとして使って貰うことになりました。

ワクワクしながら染め上がりを待っていると、上記の画像通り、二種類のTシャツと、絹のストールがきれいに染め上がりました。


見ての通り、黄金色というか山吹色というかキラキラと光った黄色です。

この美しい色を見ていると、苦労して櫨の芯材を切り出してカンナで削った甲斐があるというもの。改めて櫨染の美しさに感動しました。「手染メ屋」さんからは、一般の方が櫨染を楽しめるように、染め方の分量や時間などのデータを作って頂きました。とても参考になると思います。

この櫨のチップ、8月にはよかもん市場にお目見えできそうです。

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櫨チップを作る その2

2009-07-15 00:38:43 | 櫨染(はじぞめ)プロジェクト
暗礁に乗り上げたかに見えた櫨チップ作り。すっかりあきらめムードになった頃、なんとついにチェーンソー+電気カンナで作ってくれる方が現れました。

「黄色い芯材だけにするのは一苦労だ。」とブツブツ言いながらも、なんとか苦労しながらも外側の白い部分と黄色い芯材を分離し、電気カンナをかけて櫨チップを作ってくれました。出来上がった櫨チップが上の画像です。

チップになっても十分黄色いですね。
もちろん使ったチェーンソーも電気カンナもいまや櫨専用です。ついでに作業服も黄色の粉末が飛び散って黄色くなったそうです。櫨チップをじっと見てると削った鰹節みたいな感じですね。

ここに至るまで、紆余曲折があったなと考えると感慨深いものです。

この櫨チップ、もうすぐ「よかもん市場」のラインナップに入る予定です。

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櫨チップを作る その1

2009-07-13 22:41:15 | 櫨染(はじぞめ)プロジェクト
以前のエントリで櫨をインテリア研究所へデータ作りのために提供したことを書きました。

もっと櫨の使い道があるのではないか?という期待を込めてますが、今のところ、まるっきり期待薄です。しかしまあ、とりあえず染色だけは昔からあるんだから、染色材料としての使い道を整えてやるべきだとの思いは以前からありました。

一般の草木染めをしている方たちに、もっと櫨染をしてもらっていろんな作品を作ってもらったら?

思いもかけないような素晴らしい作品が櫨染で出来上がったら?日本全国櫨染展ができちゃうかも?!

考えているうちに私の妄想はどんどん膨らんで、思わずニヤニヤしてきました。それにはともかく、櫨染しやすいように「櫨チップ」を作らなくちゃいけません。櫨チップって、要するに櫨の芯材だけを小さく砕けばいいだけなんだし、木工所に言えばできるんじゃない?

最初は簡単にそう思ってました。ま、私はいつも何でも簡単だと思う楽天家なんですけどね。

そこで知り合いのツテを頼って木工所とかに「櫨を染色用に細かくチップ状にしたい。」との希望を伝えると、なんと全ての木工所から断られてしまったのです。これにはすっかり戸惑ってしまいました。

木工所が櫨を嫌う理由はいくつも挙げられました。

チップ状にする時、他の材木が入ってはだめというのも神経を使う作業ですし、材木の白い外側を外して黄色い芯材だけにするのも困難な作業になる上、チップにしたら、逆に櫨独特の黄色い材木のクズがノコにくっつくので他の材木に影響するという、非常に厄介な作業です。

要するにハゼだけを扱う場所がまず必要で、そうでなければ割に合わない作業です。

そんな厄介なコト、誰がしてくれる?

最初の膨らんだ妄想は、どんどん萎んでいきました。

もちろん膨大な資金源があれば、何でも可能でしょうけど、資金なんてあるわきゃーない。自分でするしかないのか。でも私はカッターナイフしか扱ったことのない人間だから、紙より固いものを切るって考えただけでも大いに不安になってきます。

こうして、私はなすすべもなく櫨チップの事を悶々と考えながら日々が過ぎていきました。

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ギャラリーみかみへ

2009-04-24 23:42:55 | 櫨染(はじぞめ)プロジェクト
久山町のギャラリーみかみへ行ってきました。
こちらはログハウス全体が貸しギャラリーになっています。参加している作家はリサイクル着物や陶器や自然木を使った印鑑作家など17人というマーケット並の多さ。

ログハウスに所狭しと品物が飾られていました。


二回までたっぷりのスペースです。


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公式サイトは盆の花などの提灯

☆みかみギャラリー☆
住所:福岡県糟屋郡新宮町的野488-1
(県道35号線を的野交差点で曲がったところ)


地元新聞に掲載されました

2009-01-03 22:20:03 | 櫨染(はじぞめ)プロジェクト
元旦の新聞と一緒に折り込みで配布される「地元新聞」というフリー・ペーパーに、「櫨染」の記事が掲載されました。地元新聞は甘木・朝倉・浮羽地方に6万部発行されています。最近は広告ばかりでなく、記事も充実してきて、まさに地元新聞といった感じで、よく読まれています。



櫨染の内容も丁寧に書いて頂き、感謝感謝。

櫨染したハンカチやティッシュケースなどグッズ販売も好評だったのですが、「櫨の魅力展」が終わったので、ひとまず一段落。しかし3月に山口で開催する「和蝋燭の世界」で展示販売をすることになりましたし、これからも各地のイベントで展示販売できそうです。

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新聞に掲載されました

2008-12-06 22:08:19 | 櫨染(はじぞめ)プロジェクト
先日の櫨染公開による記事が毎日新聞の地方版に掲載されました。
以下は引用です。

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櫨染め:久留米の団体、“伝統の黄金色”復活 将来は反物や小物も /福岡

 江戸時代に、久留米市田主丸町で発見され、和ろうそくの原料として重宝された「松山櫨(はぜ)」を見直そうと活動する「松山櫨復活委員会」(矢野真由美幹事)が4日、朝倉市秋月の工房で、櫨の木を煮出して染める「櫨染め」を復活させた。同会などによると、櫨を使った染色は平安時代にはあり、明治時代初頭まで続いていたとみられるが、現在では櫨の木自体が減ったことなどから、途絶えていたという。

 有馬藩が、果肉が多くろう分が豊富な松山櫨の栽培を奨励したため、田主丸町一帯には櫨が多く植えられていたが、現在はその数が激減。矢野さんは07年、幼いころに見た櫨の彩りを復活させたいと会を結成し、耳納連山のふもとで松山櫨を栽培する傍ら、九州産原料の和ろうそくを商品化するなど、櫨の魅力を発信している。

 櫨について調べるうちに「櫨染め」があったことを知り、今年秋、復活を思い立った。全国一の櫨の産地・熊本県水俣市から樹齢約40年の幹を取り寄せ、朝倉市の染色家、小室容久(やすひさ)さん(54)に協力を依頼した。小室さんが、チップ状にした幹の芯を約15時間煮出し、黄金色になった液に絹織物を何度も浸し、あくに漬けると、山吹色に似た濃い黄色に染まった。

 小室さんは「他の原料よりまぶしい黄色に仕上がった。日本古来の櫨のよさを見直し、博多織の仲間とも協力し、反物や和装小物を作ってみたい」と意気込んでいる。【平野美紀】

〔筑後版〕毎日新聞 2008年12月5日 地方版
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感謝感謝。実はまだ新聞の方は見てないんですが、きれいな黄色の布を持ち上げた小室さんの写真が載っているそうな。

しかしそれにしても、櫨染をきちんとやった染色作家というのは今までいなかったのか?とよく聞かれますが、小室さんも思い当たらないそうです。染色に使うには相当量の芯材が必要なんですが、その櫨の芯材が手に入らないし、たまたま丸太を一本手に入れたとしても、その丸太に入っている芯がどの程度あるかとか、芯のみを切り出す面倒臭さを考えると、櫨染にあえて手を出す人がいなかったというのもうなずけます。私が京都の著名な染色家に問い合わせた時も、「芯材が手に入らないから不可能だ。」と言われました。

江戸時代や明治時代にはまだ櫨染はあったのではないかと推測されますが、化学染料が使われるようになってからは、草木染めなど全く試みられなくなったし、そもそも薬品で様々な色が出るのにわざわざ手間かけて櫨染しようとする人はいなかったのでしょう。

報道記者さん達への公開染色では簡単に魔法のように黄色が染め上がってましたが、実はアレは前日から準備に余念がなく芯材は15時間も煮出されていました。櫨染は普通の染色同様に簡単に出来るものでもないようです。

日本の伝統の色として残っていた櫨染や黄櫨染(こうろぜん)。その本物の色を皆さんにもぜひ見てもらって、感動を味わって欲しいなと思います。
期間は12/22~28 場所はアクロス福岡2F匠ギャラリーです。

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