松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

筑前琵琶を和ろうそくの灯りで聞いた

2014-08-31 21:33:17 | 和ろうそくを灯す時
30日(土)に、ギャラリー「水の音 土の音」(朝倉市上秋月)で開催された筑前琵琶のコンサートに行ってきました。

演奏家の高木青鳳さんの横に燭台が据え付けてありました。
私は和ろうそくの数寄屋15号というちょっと大きめの和ろうそくを持っていき、あかりを灯すと、なんとなく芯切りのお世話係になりました。

筑前琵琶といえば平家物語。平家物語といえば筑前琵琶。
…というほど筑前琵琶は知られていますが、恥ずかしながらあまり聞いたことはありません。

音楽が入ると歌詞がわかんなくなる私ですが、高木青鳳さんのよく通る声が部屋中に響き渡り、和ろうそくがそのたびに瞬きながら、次第に耳で聞くだけで平家物語の世界にずんずん入っていくのは不思議な感覚でした。



最後に忘れられなかったのが「耳なし芳一」。

私も今まで何人か音楽家のために和ろうそくの灯りをつけてきましたが、必ず楽譜横に小さなライトスタンドが必要でした。

自分から和ろうそくの灯りのみにした演奏家は初めてです。

部屋が暗くなった時、いくら和ろうそくの灯りが明るいからって、楽譜が見えるほどの明るさじゃありません。大丈夫かなと一瞬心配になりましたが、私の杞憂でした。

灯りの揺らぎによって、演奏する高木さんの影が動き、地の底から這うような声が響いてきました。

「芳いち~~、芳いち~~。」

ぞっとするような怨霊の声と、激しい琵琶の音に合わせて、ゆらゆらと揺らぎ瞬く和ろうそくの灯り。
恐ろしいほど会場は芳一の世界に入り込んでいました。

素晴らしい時間でした。

ただ、唯一、惜しかったものといえば、ワタシです。
曲のあいまに前に進んで芯切りしてましたが、こういう時は黒子の衣装でもつけたかったです。(持ってないけど)

櫨の花はちみつ

2014-08-29 10:49:51 | 販売奮闘日記
私はあまりはちみつは食べない方でした。

なんとなく、はちみつ特有のツンとした所が気になって、人からもらったものをたまに使うぐらいで、どんどんはちみつの瓶が溜まっていくばっかりでした。

ところが、櫨の花から採れるはちみつは、ツンとした所がなく、しかも甘くてコクがあります。初めて食べた時はびっくりしました。

私が知り合った蜂蜜の関係者に聞くと、ほとんど全員が「櫨のはちみつは美味しか。」と常識のごとく断言します。

櫨の花から採れるはちみつは美味しい。

それをみんなに伝えたいとは思ったものの、お店には海外産のハチミツばかり。
国産のものは値段も高いし、そもそも櫨の木が伐採され続けている今、櫨の花も少なくなってはちみつは市場に出回らないくらい希少なものとなっています。

櫨の花から採れるはちみつの美味しさを、どうやってみんなに伝えたらいいのか。

そんなことを思いながら、はや数年経ってしまいましたが、その間に櫨が残る山々を巡る機会もあり、最近、櫨の花からはちみつを採取する養蜂家と知り合うこともできました。

その養蜂家は「自分は櫨が一番、美味しかと思うし、好きやけど、お客さんは好かんとよ。」と言うので、「どうしてですか?」と聞くと「櫨はかぶれるって言ってイメージが悪いけん、買ってくれんとよ。」

櫨マケのイメージのせいで、櫨のはちみつまでも悪い評価になっているとは。

櫨はウルシ科なので、樹液にウルシオールというアレルギー成分がはいっています。
しかし、櫨の実にはほとんどはいっていないし、わずかな量でも抽出する時点で全て消えるため、櫨蝋はかぶれる心配はありません。

もちろん、櫨の花から採れる蜜に入っているわけがありません。

現在、櫨=かぶれるというイメージで、せっかく希少価値のあるはちみつが低い評価となっているのは、非常に残念です。

蜂蜜を販売していいものかどうか、迷いながらも数年経ちましたが、まだ少しは残っている櫨の蜂蜜を目の前にして、思い出されたのは和ろうそくを販売しはじめた時のことです。

当時も、売れなかったらどうしようとかいろいろ迷いましたが、結局、売れるかどうかを考えるよりも先に、櫨の良さを知ってもらいたいという気持ちの方が遙かに強くて、そして実際に共感して頂ける方に励まされ、今の自分の活動があります。

櫨のはちみつは、少量ながらも九州各地で採取されていますが、いずれも櫨と言っては売れないため、「百花蜜」ブレンドとして混ぜられる場合もあることを聞いた時、心は決まりました。

自分が少しでもできることをやっていこう。自分のペースで販売していこうと思います。

容器は使い安いパック型で130g。櫨キャンドル作りや櫨染体験教室をメインに販売しますが、9月からは「道の駅くるめ」でも定期的に販売することが決定しました。
価格は1,500円です。

どうぞ極上の美味しさを味わってください。




認知症予防に芯づくり

2014-08-27 07:41:17 | 和ろうそく芯ものがたり
就労支援施設・藍カフェを紹介してくれたのは、くるめ起業会で知り合った「くるめ後見パートナー」深町哲也さんです。

「くるめ後見パートナー」とは認知症になったの方のための任意後見契約に基づき、財産管理や事務の支援をするサービスですが、最も力をいれているのが認知症予防講座です。

今の日本では認知症予備軍800万人!
認知症になって症状が進んでからでは遅すぎることがいっぱいありますが、認知症は予防をすることができます。

認知症予防に必要な要素とされるのは4つ。

1,野菜、魚、果物を中心とした食生活
2,一日30分以上の運動
3,早寝早起き、酒・タバコを控える等の生活習慣
4,絵を描いたり編み物等、頭と手先を使う

この4番、芯作り作業にぴったりです。

認知症予防のために、作業療法の一環として芯作りを行えば、芯の安定供給→和ろうそくの安定供給と販売につながっていきます。

今は、ほとんど善意と熱意で有志3人が続けているものの、いろんな事情で忙しかったりして、芯の製作が追いつかない場合がたびたびあり、苦慮していました。

和ろうそくを作って販売し、広めること。それは櫨の景観を守ることに繋がります。

まだまだ道は遠いですが、いろんな方の協力と支援のおかげで、今日も一日、前に進んでいます。

田主丸ファン倶楽部交流会、待ってます!

2014-08-26 08:30:20 | 今後の予定
昨年、都市圏など田主丸以外に住んでいる人々を対象に、田主丸を愛する「田主丸ファン倶楽部」なるものが結成されました。

田主丸の自然、フルーツ、植木などいろんな魅力を満喫して、なにより交流を大事にしようという主旨のもと、さっそく今年の秋にイベントが開催されます。

以下、ご紹介します。

「初秋の田主丸を楽しむ会」
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2014年9月7日、久留米市・田主丸町日帰りバスツアーを開きます。
田主丸は耳納連山と筑後川に挟まれた田園地帯。ぶどうや柿など果実の産地として名高く、胡麻焼酎の紅乙女や巨峰ワインも有名です。
都会の喧噪を離れ、初秋の一日をプチグリーンツーリズムで楽しんでみませんか。

当日は13時、福岡市・天神を貸し切りバスで出発、蔵元訪問やぶどう狩り、こけ玉作り、温泉のあと、夕食は耳納連山の中腹にあるレストランでバーベキューです。
筑後川のうなぎや鮎を肴に、地元の日本酒や焼酎、ワインを酌み交わしましょう。

会費はバーベキュー代のみ5000円。
定員40人。

主なスケジュールは以下の通りです。
13時
 福岡市・天神の日本銀行福岡支店前出発
/田主丸着
14時=若竹屋酒造場
14時半=ぶどう狩り(高山果樹園)
15時10分=こけ玉作り(九州農園)和ろうそく作り体験(JR田主丸駅)
16時半=温泉(みのう山荘)
17時半=バーベキュー(レストラン「グリーンヒル」)
20時=グリーンヒル発
21時=天神着

天神からの送迎バスは主催する田主丸町観光振興会が負担し、こけ玉作りも無料です。
(ほか実費ご負担は、ぶどう狩りお持ち帰り分と温泉入浴料)

みなさまのご参加をお待ちしています。
またハンドルキーパーがいるなど、お車での参加も定員外で受け付けます。

田主丸ファン倶楽部 小川(副会長)
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私も及ばずながら和ろうそく作り体験ということで協力させていただきます。

体験場所はなんとJRカッパ駅。
観光に来られる方は必ず田主丸駅で写真を撮っているスポットの2F。あの河童のオメメががある部屋です。

以前、伝説の河童語り部・故藤田正登氏がおられた頃は、子供達を集めて河童のお話会が開かれていて、今でも河童関連の資料が展示されています。

こちらのお部屋で和ろうそく作りの体験をして、眺めのいいグリーンヒルでバーベキューです。
地元の人達もたくさん参加しての貴重な交流会となります。

田主丸ファン倶楽部は、田主丸以外に住んでいる方達なら誰でも入ることができます。

この機会にどうぞ田主丸においでください。

お問合せはこちらまで
田主丸町観光振興会
(久留米観光コンベンション国際交流協会田主丸事務所内 TEL 0943-72-4956 FAX 72-4959)

今後の予定

2014-08-25 08:57:25 | 今後の予定
毎日雨が続いているうちに、いつのまにか夏が終わってしまいました。

今後の予定です。
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8月26日(火)11時~ 櫨染&刺し子入門教室
ぎやらりぃかふぇ 月のまつり(うきは市吉井町福益 241-1)
午前中に櫨染して、午後からは櫨染した糸で刺し子します。お気軽にお問合せを。

8月27日(水)13時~ 櫨キャンドル作り体験
民藝工藝の店 どいざき 福岡市西区石丸2丁目43-1
お問合せ TEL092-882-5253

9月5日(金)10時~ 櫨染刺し子入門教室
山辺道文化館(久留米市草野町草野487-1)
櫨染糸はとてもキレイです。お気軽にお問合せを。

9月6日(土)10時~ 和ろうそく作り教室
中間市地域交流センター
お問い合わせ093-246-6224

9月7日(日)15時10分より 和ろうそく作り体験(初秋の田主丸を楽しむ会)
JR田主丸駅
お問合せ 久留米観光コンベンション国際交流協会田主丸事務所 TEL0943-72-4956

9月17日(水)19時~21時 セリーヌの夕べ(ワインソムリエが選ぶワインを楽しむ会)
「のらや」うきは市吉井町1108
お問合せ のらや 090-3882-2991
和ろうそくを灯してのワインを楽しむ交流会です。ワイン好きはぜひ!

9月20日(土) 櫨フォーラムin あさくら
フレアス甘木(朝倉市甘木)
参加無料
NPO法人朝倉の会主催。櫨仲間が集います。午前中に櫨の石鹸作りワークショップ予定

9月21~23日 八女灯籠人形祭り
ギャラリー房屋(八女市本町)
和蝋燭職人・大西明弘さんが来て手がけ和蝋燭作り実演あり

9月26日(金)櫨染刺し子入門教室
山辺道文化館(久留米市草野町草野487-1)
櫨染糸はとてもキレイです。お気軽にお問合せを。

10月15日(水)~19日(日) 櫨の魅力展
中芳我邸(愛媛県喜多郡内子町内子 2655)
お問合せ Tel 0893-50-6270 (上芳我倶楽部)
櫨の作品展示会。今年は櫨染刺し子、櫨染手織り作品の他、櫨の木工作品も。期間中は櫨キャンドル作り体験、櫨染体験あり

11月8日土曜日夕刻~
「和蠟燭の灯りで琵琶の音を楽しむ会(仮称)」
矢部屋許斐本家(八女市本町お茶のこのみ園)

11月9日(日)久留米まち旅 櫨染体験
山辺道文化館(久留米市草野町)
参加料4,300円
konoitoさんの首巻きを櫨染します。
ティータイムにとっておきのアレを用意しています。

11月14日(土)櫨キャンドル作り体験教室
お問合せ 朝倉市中央図書館(朝倉市甘木198-1)TEL 0946-22-3059

11月18~30日 櫨の魅力展
民藝工藝の店 どいざき 福岡市西区石丸2丁目43-1
お問合せ TEL092-882-5253
毎年恒例の櫨の作品展示会。今年は櫨染刺し子、櫨染手織り作品の他、櫨の木工作品も。期間中は櫨キャンドル作り体験、櫨染体験あり

11月22・23日 子供達向け櫨体験
えーるぴあ久留米・山本町の櫨並木
櫨紅葉の美しい櫨まつり期間中に、子供達向けの櫨並木散策と櫨キャンドル作り体験。

11月29日(土)ふくおかできるマーケット
天神中央公園
お問合せ 株式会社サヴィー内「ふくおか“できる!”マーケット」事務局

まだまだ追加していきます。

櫨染黄金色ワークショップ、8/26に急遽開催

2014-08-24 09:52:03 | 櫨染(はじぞめ)プロジェクト
先週の8月22日に櫨染ワークショップを山辺道文化館で行って、とても好評だったので、まだ染め足りないという声もあって、急遽26日の火曜日午前中にも櫨染をすることになりました。

画像はアサヒシューズの体験教室で作ってこられた白いスニーカーを櫨染したもの。
靴を染めたのは初めてですが、びっくりするほどきれいな黄金色になりました。
スニーカーを染めている様子。


とてもカンタンに染められます。

おなじみのストールも染めてもらいました。


できあがり!緑に映えてきれいですね!

(photo by Hiroko kawaguchi)


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8月26日火曜日 11時より
ぎやらりぃかふぇ 月のまつり うきは市吉井町福益 241-1
申込先 info@mahaze.com 矢野まで

染める布等を持ってきてください。
ストール、ハンカチはこちらで少し用意しています。
染め代500~2000円(染める布の量で変わります。)
※汚れてもいい服装で来てください。櫨染色が水にはねて服に付着する場合があります。
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就労支援施設・藍カフェへ その2

2014-08-23 06:34:39 | 和ろうそく芯ものがたり
今回、障がい者の方の作業に芯作りはどうかと紹介され、就労支援施設・藍カフェを訪れました。
芯作りは家の中でやる作業であり、時間にとらわれずマイペースに続けられる点がメリットです。

とはいうものの、人間は十人十色。
向き・不向きもありますから、実際に試してもらうことが必要です。

私は芯作りの作業道具一式を持っていきました。

藍カフェでは、耳が聞こえない高田さんを紹介され、芯作りのやり方は、紙に文字で書いたり、パソコンの画面を通して説明しました。高田さんはカンの良い方で、唇の動きで理解することもありました。

一緒に芯巻き作業をしている様子です。


とても器用な方で、私の指先を熱心に見ているうちに、コツをすぐに飲み込んでいきました。
実際、私自身がやり始めた時と比べたら、ずっと早く上手にできそうです。

芯引きと芯巻き。
2つの作業用の道具一式を渡して、しばらく練習してもらうことになりました。
二週間後にできた芯を評価して、うまく続けられそうだったら、いよいよ本格運転です。

就労支援施設・藍カフェへ その1

2014-08-22 09:47:18 | 和ろうそく芯ものがたり
久留米市にある就労支援施設・藍カフェに行ってきました。
かわいい外観です。
建物自体はかなり古そうですが、中に入ると、壁にはこんなアートが。


そして入り口には


ここで、障がい者の方たちがいろんな作業ををしていらっしゃいます。

ここの方たちに、和ろうそくの芯づくりをお願いすることにしました。
芯づくりはちょっとしたコツと技術がいりますが、基本的に単純作業だし、なんといってもマイペースで続けられます。

作業として、気に入っていただけるといいんですが。


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筑前琵琶を和ろうそくの灯りで

2014-08-21 09:58:30 | 今後の予定
日本古来の琵琶の音色を、和ろうそくの灯りの中で聞きませんか。

来る8月30日(土)に、朝倉市秋月のギャラリー「水の音 土の音」で筑前琵琶ライブが行われます。

「水の音 土の音」はとても素敵な雰囲気の古民家です。HPはこちらです。奥様の寺崎たかこさんが陶芸家で、時々、櫨キャンドル体験教室用のキャンドルホルダーとしてオリジナルで作っていただいています。普段は美味しいコーヒー&自家製ケーキで、ゆったりと過ごせる喫茶で、私も大好きな場所です。

今回の若手演奏家、高木青鳳さん(写真)をお迎えしてのライブは、特別に和ろうそくの灯りを灯していただくことになりました。

音楽と和ろうそくの相性は非常に良く、今までも様々なイベントで灯してきました。

秋月の小京都での日本古来の楽器・琵琶の音色とのコラボは、きっと素敵な夜になりそうで、私も非常に楽しみです。

期日: 8月30日(土) 
時間: 18時半~20時15分 (受付18時より)
場所: 珈琲ギャラリー「水の音 土の音」
会費: お一人様3000円 (ケーキセット含む)
お申し込みはこちらからどうぞ。




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スペースゆうのキャンドルスタンド

2014-08-20 09:41:00 | 販売奮闘日記
今日は久留米市田主丸町にあるステンドグラス工房「スペースゆう」の俣野さんのキャンドルスタンドを紹介します。

私が行う櫨キャンドル体験教室用の耳納焼キャンドルホルダーに合わせて作って頂きました。

昨年の一年間で体験教室に参加してくれた方は約300人。
そのうち2/3以上は、身体障がい者授産施設「SELP耳納学園」で作られるキャンドルホルダーを使っていただいています。

櫨キャンドルは和ろうそくの灯りと同じなので、画像のように、大きな炎と揺らぎが魅力ですが、夏場の室内や外では空調があたると、せっかくの炎の揺らぎが風で流れてしまうのが難点でした。

一般的には和紙で囲うと良いのですが、そうすると肝心の炎が見えなくなってしまいます。

俣野さんのキャンドルホルダーは、その両方を解決してくれました。
キャンドルスタンドをぽんと置くだけで、少々の風でも大丈夫。炎が流れることなくゆったりと燃え続け、その炎の形も、ステンドグラスの色と一緒に楽しむことが出来ます。おかげで、この櫨キャンドルはいつも体験教室で灯しています。



体験教室で櫨キャンドルを作っていただいて、家で灯してもらうといいですね。販売価格は5,400円です。
灯し終わって蝋がなくなったら、櫨キャンドルの手作りキット(1回分648円、5回分1,836円)で中身を補充することもできます。

おまけ。
最近、俣野さんが作ったステンドグラス箸置き(1個500円)です。

すてきですね!

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芯づくり、続けること

2014-08-19 07:49:28 | 和ろうそく芯ものがたり
画像は和ろうそく用の芯。
芯作り職人の吉牟田さんが作ってくれたばかりの芯です。

日本独特の和ろうそくの美しい灯りを支える芯になります。

この作業はちょっとしたコツと技術がいりますが、作業賃金はほんのわずか。
たまに「よくそんな、お金にもならんことをするね。」と、やや憐れみに近い表情の目で言われることもあります。

確かにこの作業を「労働」と考えると、あまりにも単価が低すぎてやってられません。
以前は、仕事として頼むことすら、私としては申し訳ない気持ちでなかなか言い出すこともできませんでした。

しかし以前、同じ芯巻き職人の堀さん、吉牟田さんから言われました。

「労働して単にお金をもらうことより、「やりがい」のあることをする方が大事」

もちろん、お金は続けていくために少しは必要ですが、人の役に立つことをする喜び。
それは何事にも代えがたいことだと言います。

私も櫨に関わっている根本は、自分自身に活動の中にやりがいを感じているからです。

活動を始めて7年。
お金のニオイを嗅ぎつける人達が、ふと寄ってきては首を振りながら素早く去っていく中で、本当に志の近しい仲間が、緩く繋がりながら応援してくれています。

「お金はほんの少し。でも人に喜んでもらいたい。」

和ろうそくの芯作りは、そんな思いがこもっています。


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速報・内子町・中芳我邸で櫨の魅力展

2014-08-18 08:59:29 | 今後の予定
速報です。
今年の秋、愛媛県内子町の「中芳我邸ゲストハウス」にて「櫨の魅力展」の開催が決定しました!

内子町は松山市からちょっと奥に入ったところの山間にあり、幕末・明治に木蝋産業で栄えた町です。美しい町並みが残っていて、上品な雰囲気のある観光地です。

写真は本芳我家から分家した上芳我家の建物。住宅と土蔵、釜場、蝋搾り小屋などが並んでいます。重厚な漆喰の壁と名家らしい風格が漂う三階建ての木造建築物です。

この上芳我家の敷地に隣接したセレクトショップ「上芳我倶楽部」で、当委員会の商品をたくさん取り扱っていただいています。

現在、残念ながら四国にはほとんど櫨農家がおらず、櫨も残っていません。
「櫨マケ」というイメージの悪さも地元では手伝って、もはや櫨の思い出しか残っておらず、櫨が遺跡化している感があります。

当委員会としては、もっと櫨の良さを発信して、皆さんに理解を深めてもらえたら、四国で櫨の居場所を少しでも見つけられるんじゃないか、とかねてから思っていたものの、なかなか九州から踏み出せずにいました。

今回、いろんな偶然が重なって、上芳我家をはじめ、芳我家一門からのご協力も賜り、思いもよらず念願の「櫨の魅力展」を「櫨蝋の町」である内子町で開催できることになり、私も感慨もひとしおです。

今のところ決まっているのは

期日 10月15日(水)~19日(日)
場所 中芳我邸ゲストハウス

詳細は追ってお知らせしたいと思います。
皆さんも、ぜひ、この機会に内子町を訪れませんか?

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櫨蝋のワックス

2014-08-17 21:31:09 | ワックスと石鹸
ここしばらく、ほとんどHPの手入れをしていないワタシですが、コンスタントに「福岡よかもん市場」で櫨蝋のワックスが売れています。

実のところ、和ろうそくよりも売れています。
どうしてかなー?と思っていたら、購入していただいた方からメールがきました。

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以前に既に絶版になっている松永重児先生著「弓に生きる」を読み、「肥後三郎」の流れを汲む
「松永重宣」銘の弓を二張り所有しているが故、弓と矢の手入れ用に蜜蝋かくるみオイルか迷って
いたところ、松山櫨(はぜ)復活奮闘日記の「弓に生きる」と「櫨蝋のワックス」をネットで拝見し、
即決で購入しました。( … 遅い!)

早速、このお盆休みに、他の三張り(「横山黎明」)の弓と竹矢の手入れに使ってみたいと思います。

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ブログ記事「弓に生きる」はこちらです。せっかくだから、再掲させていただきます。

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ある方から「どうして櫨蝋のワックスを弓に塗るといいのか?」と聞かれました。
それで(あれ?何でいいって思ったんだっけ?)と
最初の頃をつらつら思い出してみると…。

松永重児著「肥後三郎 弓に生きる」という本にあったのでした。

いつも私は弓道場でも何かと櫨の話ばかりしているんですが、
先生が読んでいたこの本に「櫨のことが書いてあったよ!」と教えてくれたのでした。

この本をちょっとだけご紹介すると…
著者松永重児氏は、もともと東京在住の弓造り職人でした。
しかし東京では竹や櫨、ニベ(鹿の生皮を煮詰めた接着剤)の良いものが手に入りません。
良い弓を作りたいという一心で、彼は熊本の球磨川べりに移り住みます。
そして京弓と薩摩弓の特徴を生かした名弓「肥後三郎」を生み出します。
この本は弓造り一筋に打ち込んだ職人の、弓への思いを熱く熱く熱く語った本なのです。

ただ実のところ、やはり弓造りの主役は竹にあり、二番手はニベなのではないかと思います。
その二つの話題だけで、松永氏の頭の八割を占めていたような。

しかし確かに櫨の側木にワックスを塗ると書いてありました。

--------引用
「…昔はロウ仕上げ、クルミ仕上げといって、側木に塗って艶を出していました。…中略…
こうした艶や色を出すのも、弓を育てる一つなんですね。」
--------引用おわり

この一文を読んだ私の先生が、
「和ろうそくを弓にそのまま塗ろうとしたけど、固くて塗りにくかったよ。あれ。」
「先生、櫨のワックスならありますよ。クリーム状になるから塗りやすいですよ。」

それで試しに塗ってみたら、確かに竹弓にみるみる艶が出てきました。
おまけに弓ばかりでなく、固い安土で痛みやすい竹矢の先っぽにも塗ると
艶だし保護になることがわかりました。

そんなわけで、竹弓・竹矢を愛する弓引き用に「櫨蝋のワックス」デビューとなったのです。

私は、このアイディアの示唆を与えてくれた本「弓に生きる」に感謝し
松永重児氏が生み出した名弓「肥後三郎」を相良弓矢製作所からお借りして
7月から始まる「櫨の灯り展」に展示させていただくことにしました。

先日亡くなった水野晴郎氏に倣って言うならば、
「いやあ、弓って、本当にいいもんですね~。」

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こうして「櫨蝋のワックス」を購入して竹弓・竹矢に使っていただいて、本当にありがたいです<(_ _)>



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中間市で櫨キャンドル作り体験

2014-08-16 10:08:43 | 今後の予定
9月6日に中間市地域交流センターで櫨キャンドル作り体験教室を行います。
15日の西日本新聞北九州版に掲載されました。

中間市は今では多くの住宅が建ち並んだ都市ですが、以前は櫨がたくさん植えられ、製蝋業も盛んだったとのことです。

北九州方面の方でご都合の良い方はぜひご参加ください。

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今日はお盆

2014-08-15 08:03:34 | 復活奮闘日記
今日はお盆です。
お客様からは、普段は忙しくてなかなか灯さない櫨の和ろうそくでも、お盆には必ず灯してゆっくりと拝むとよく言われます。

櫨の和ろうそくは、ご先祖様をお迎えする、おもてなしの蝋燭です。

両親のこと、祖父母のこと、あるいは親族のこと、様々な思いを抱えている私たちですが、今日はぜひ、ゆったりと燃えていく和ろうそくの灯りのもと、手を合わせてください。

きっとご先祖様は私たちを優しく見守ってくれています。


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