駐車場の真ん中に楠の木と櫨の木が隣り合わせに立っていて、櫨だけが立ち枯れしていました。
周囲を見渡すとすぐ近くにかなり大きな楠が立っています。昭和28年の筑後川水害で多くの方がその木につかまって助かったといういわれのある巨木でした。周辺はその巨木の子孫達とみられる楠が多く、櫨は楠との闘いに敗れてしまった様子。
このまま朽ちてしまうと、台風などで倒れる可能性もあり、非常に危険です。今のうちに処分して欲しいと、管理者から若き木こりのKさんに相談があったのでした。
単純に木を切るといっても、そう簡単じゃありません。木を切る時の位置や、どの枝から切っていくべきかの順番など、一本の木とはいえ、綿密に段取りを決めて動かなくてはなりません。おまけにすぐ近くには電線も通っています。
Kさんはさっそくロープを駆使して木に登っていき、バサバサと枝を払っていきました。
一番下の太い部分を切るのはチェーンソーでもかなり時間がかかった上、途中でチェーンソーの調子がおかしくなりました。櫨の木材は硬いし粘っこいので、木工所でも嫌われモノです。以前、知り合いの方に頼んだ時、刃がダメになったこともあります。しかし、苦戦しながらも、Kさん、無事に切り倒しました。
鮮やかな黄色の芯材がお目見えしてきました。チェーンソーの動きとともに、黄色い木粉が周囲に飛び散ります。
切ったばかりの櫨は、まだ水分も多く非常に重いので運ぶのも一苦労でしたが、なんとか皆、回収しました。
もし連絡がなかったら、きっとこの櫨はストーブかお風呂の薪になって燃やされてしまったかもしれません。
巡り巡って当委員会のもとに届いた櫨の木。大切にしたいと思います。
押してくださると励みになります。
人気ブログランキングへ