松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

櫨の木、伐採の日

2013-12-22 21:17:12 | 櫨伝導への道
今日、朝倉地域の筑後川の川沿いで櫨の木を切るとの連絡が入り、現地に赴きました。
駐車場の真ん中に楠の木と櫨の木が隣り合わせに立っていて、櫨だけが立ち枯れしていました。

周囲を見渡すとすぐ近くにかなり大きな楠が立っています。昭和28年の筑後川水害で多くの方がその木につかまって助かったといういわれのある巨木でした。周辺はその巨木の子孫達とみられる楠が多く、櫨は楠との闘いに敗れてしまった様子。

このまま朽ちてしまうと、台風などで倒れる可能性もあり、非常に危険です。今のうちに処分して欲しいと、管理者から若き木こりのKさんに相談があったのでした。

単純に木を切るといっても、そう簡単じゃありません。木を切る時の位置や、どの枝から切っていくべきかの順番など、一本の木とはいえ、綿密に段取りを決めて動かなくてはなりません。おまけにすぐ近くには電線も通っています。

Kさんはさっそくロープを駆使して木に登っていき、バサバサと枝を払っていきました。


一番下の太い部分を切るのはチェーンソーでもかなり時間がかかった上、途中でチェーンソーの調子がおかしくなりました。櫨の木材は硬いし粘っこいので、木工所でも嫌われモノです。以前、知り合いの方に頼んだ時、刃がダメになったこともあります。しかし、苦戦しながらも、Kさん、無事に切り倒しました。


鮮やかな黄色の芯材がお目見えしてきました。チェーンソーの動きとともに、黄色い木粉が周囲に飛び散ります。

切ったばかりの櫨は、まだ水分も多く非常に重いので運ぶのも一苦労でしたが、なんとか皆、回収しました。

もし連絡がなかったら、きっとこの櫨はストーブかお風呂の薪になって燃やされてしまったかもしれません。
巡り巡って当委員会のもとに届いた櫨の木。大切にしたいと思います。

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今日の櫨紅葉レポート_20131108

2013-11-09 07:32:21 | 櫨伝導への道
天気は快晴です。
道の駅くるめに、当委員会の和ろうそくを納品するついでに、すぐ近くの櫨並木に立ち寄りました。

山本町柳坂曽根の櫨並木、と言います。
約200本の櫨の9割以上は伊吉櫨(いきちはぜ)です。伊吉櫨は松山櫨から生まれた優秀品種で筑後地域全般に広まりました。

耳納山(みのうやま)から流れる水とともに連なって植えられた櫨は大きく育ち、非常に迫力があります。


まだ一分紅葉といった感じ。

来週も立ち寄ってみたいと思います。

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枝を切られた櫨

2013-11-08 01:45:00 | 櫨伝導への道
久しぶりに、私が一番好きな櫨の木を見に行くと、ばっさりと片側の枝が切られていました。
上の画像は数年前はこのような風景だったんです。


あぜ道の上にかかっていたので、車の通行の邪魔になるから枝を切られたのでしょう。

数年前、初めてこの櫨を見た時、あまりの樹形の美しさに感動し、しばらく見とれていたのを思い出しました。
紅葉し始めた赤い葉っぱの一枚一枚を鮮明に残したいと思い、できるだけ絞って、膝をついて低い位置から撮影したのが昨日のようです。

昔の美しい樹形を見られないのは、あまりに残念です。

知らぬ間に私たちは好きな風景、愛すべき景観を失っていくのだ、そう思うと胸が痛くなります。

逆側から撮影してみました。


よく見ると真ん中付近が紅葉しています。

残された枝で、この秋も精一杯色づいていくつもり。

そう、誇り高く主張しているかのようです。


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今日の櫨紅葉レポート_20131106

2013-11-06 12:02:46 | 櫨伝導への道
そろそろ櫨が色づく季節になってきました。
今月は出来る限り櫨紅葉の様子をスマホで撮影して投稿していこうと思います。

で、今日は久留米市田主丸町の櫨です。用水路の横の櫨ですが、まあ、一分咲きじゃなくて一分紅葉といったところですか。

アップで見てみましょう。


葉っぱの中が一枚だけ赤くなってます。

これもまたなんとも味わいのある紅葉の様子です。ただし、櫨が全部このように紅葉していくわけじゃありません。
遺伝子か、はたまた天候によるものなのかもしれません。

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「小さい秋みつけた」ワークショップ&ライブ

2013-11-03 05:46:21 | 櫨伝導への道
11月は、民藝工藝の店どいざきさんで、ワークショップとライブをします。

櫨灯りでハーモニカ&トークライブ
「櫨でつながった この楽しき日々」

ひょんなことから櫨に出会い、和ろうそくの芯職人になった女3人。身体にいいもの、やさしいもの。そして櫨の魅力と夢を語ります。

11月16日(土)15時~ (約一時間ぐらい)
場所 民藝工藝の店どいざき(福岡市西区石丸2-43-1)
TEL/FAX(092)882-5253

ハーモニカ 吉牟田千香子
出演者 ちくご松山櫨復活委員会 (矢野眞由美 堀純子、吉牟田千香子)
参加費 300円(身体に優しいお茶菓子by堀純子)
お問い合せ・お申し込み どいざき TEL 092-882-5253

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ワークショップスケジュール
■ 櫨キャンドル作り

秋になると真っ赤に紅葉する櫨。ちくご松山櫨復活委員会では6年前から、日本にしかない貴重な櫨の魅力を知って欲しいとの思いから、櫨の話をしながら伝統の和ろうそくの芯づくり実演、誰でも簡単にできる櫨キャンドル作りを行っています。

11/13(水)14(木)①13:30 ②15:00
16(土)①13:30
場所 民藝工藝の店どいざき(福岡市西区石丸2-43-1 TEL 092-882-5253)
参加費1,500円(器付き)
定員 各回3名 製作時間 30分~1時間

■ 手捺染ワークショップ

あらかじめ用意したスクリーンの版を使った‘手捺染’体験。35cm×45cm程度を染めます。
できた作品は当日持ち帰ることができます。

11/20(水) 21(木) 23(土) 30(土)①11:00 ②13:30 ③15:00
場所 民藝工藝の店どいざき(福岡市西区石丸2-43-1 TEL 092-882-5253)
参加費2,500円 (材料費込)
定員 各回2名 製作時間 30分~1時間

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工房ヌーノ・手捺染展 「秋もよう」
~ tenassen chikako yoshimuta ~

「手捺染」で布を染め、その柄のおもしろさを大切に、服やバックなどを制作しています。「布」っていいな…と思います。(by 吉牟田千香子)

11/19(火)~12/1(日)(月曜休み)
場所 民藝工藝の店どいざき(福岡市西区石丸2-43-1 TEL 092-882-5253)
工房ヌーノに関するお問合せ TEL 092-501-0570

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大濠公園能楽堂で「蝋燭能」

2013-11-02 16:16:47 | 櫨伝導への道
11月8日(金)に大濠公園能楽堂で「蝋燭能」が上演されます。

あれは先月半ばごろ。
芯作り職人・堀純子さんから同公演のことを聞き、ちょっと問い合わせてみよう、と電話したことがきっかけとなり、いろんな経緯を経て、このたび、ちくご松山櫨復活委員会から和ろうそくを提供させていただくことになりました。

といっても、元をただすと「大與(だいよ)」の和ろうそく手がけ職人・大西明弘さんから、京都のお寺で一度使われた和ろうそくを、当委員会に提供していただいたおかげです。

大濠公園能楽堂では今まで残念ながら和ろうそくが使われず、石油系パラフィンろうそくが灯されてきました。
しかし、やはり本物の櫨の和ろうそくで蝋燭能を演出したいという主催者側の要望や、公演を見るお客様からの要望、そして自分自身もぜひ見てみたいという思いがありました。

ろうそくなんて、普通のろうそくも和ろうそくも、あまり変わりがないのじゃないか?という人がいますが、そういう方に、ぜひ和ろうそくによる蝋燭能を観ていただきたいと思います。

和ろうそくの炎には、大胆な揺らぎと美しさにあります。

「能」という日本の大切な伝統文化を演出するために、和ろうそくは必要不可欠な灯りと言えるでしょう。

今回の蝋燭能、私も大変楽しみにしています。

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里帰りと櫨の紅葉

2013-10-05 07:58:23 | 櫨伝導への道
私の知り合いのおじさんは、太平洋戦争で南方へ行きました。
戦争ではとても大変な思いをしたらしく、終戦後は周囲に詳しく語ろうとはしませんでした。

しかし、少ないながらも彼が残した言葉を、私は伝え聞くことができました。

敗戦後にやっとの思いで日本の港に着き、焼け野原になっていた都市部を過ぎて、故郷の田舎に帰ってきた時のことです。

目の前に広がっていたのは櫨の紅葉でした。

紅い、紅い櫨並木。

幼い時に、友達と櫨の木でちゃんばらごっこをしては櫨マケし、大根おろしと油あげで介抱してくれた母親。走馬燈のように懐かしい思い出が蘇り、涙が止まらなくなったといいます。

自分は故郷に戻ってきたんだ。ここが自分の故郷なんだと。

今では戦争を経験した人も少なくなりました。

帰還兵が櫨の紅葉を見て、どのような思いで涙が止まらなかったのか、私には想像することしかできません。

でも時々、年配の方から「良い活動をしているね」と言われると、私自身の胸が詰まるような思いをすることがあります。

櫨は日本の木であり、日本人の思い出がいっぱい詰まった身近な故郷の木です。

平和な世の中とはいえ、人は人生で苦労したり悲しいことを経験するし、心も傷つくことがあります。

でもそういった人々の心を癒す力が、故郷の風景にはあると私は信じています。



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櫨フォーラム、盛況でした

2013-09-15 11:34:12 | 櫨伝導への道
昨日、フレアス甘木で第二回櫨フォーラムが開催されました。

午前中は櫨蝋でクレヨン作り
指導は山口県立大学の小橋圭介先生。
山口県の田布施町で櫨の実ろう復活委員会の岡部正彦さん提唱のクレヨン作りを、ワークショップとして子供たちと一緒に取り組んでいる方です。

たくさんの方が参加されました。
今回の櫨フォーラムは各地域から集まった櫨好きばかり。それぞれ地域で活動をしています。

次は自分たちでできるようにしっかり学ぼうという思いで積極的に取り組んでおられました。



特に田布施町は人口16000人ぐらいの小さな町なのに、過去に総理大臣を二名も輩出したことで有名な町です。

日本の舵取りをする人が生まれた町から始まった「櫨クレヨン作り」が、今回のワークショップによって地域に広がり、そしてそれぞれの地域で地元に残る櫨の歴史や良さを伝えて広げられたら、きっと櫨は各地で地元の人から愛され残っていくのではないか、そんな嬉しい予感めいた思いで感無量のワークショップでした。

午後からは朝倉での櫨の植栽状況とメインの講演「夢はバイオの花見」でした。
あの奇跡の一本松の後継樹を育てている、住友林業の中村健太郎氏を講師に迎え、興味深いバイオ育苗の話や醍醐桜や瓔珞桜の話を聞きました。

終わった後、中村氏から話を聞くと、江戸時代が接ぎ木技術が一番進んでいたそうです。
むしろ今はかえって技術が退化しているのだと。

エジプトのピラミッドやアンデスのマチュピチュみたいに、後世の人間が「ハテナ?」と首をひねって戸惑っているのと同じです。

そしてまさしく櫨もそうです。
古文書ではさまざまな技術が書かれているのに、そのほとんどが失われており、現在作るのに苦労しているのです。

「だから、いろんな技術はしっかりと残さないといけない。文書でもいい。なんでも、とにかく100年後の人間が見てもできるだけよくわかるように。」

一つの樹木を大切にすることは、文化を守ることでもあります。

櫨もまた、日本人の文化の一翼を担っているのだという思いを強くしました。

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立丁尾花さんのステンドグラス

2013-09-13 22:35:08 | 櫨伝導への道
同級生の尚子ちゃんに誘われて、うきは市吉井町にある燈具のお店「立丁尾花」さんを訪ねました。
古民家に所狭しとステンドグラスのランプが飾られていてアンティークな雰囲気のお店です。

ステンドグラスには店主の尾花さんによる絵が描かれています。
季節ごとに飾る作品が違うそうですが、今は十五夜に合わせてうさぎを中心に飾ってありました。

尚子ちゃんが櫨キャンドルを使ったいろんな演出のアイディアを熱心に語るうちに、店主の尾花さんもどんどん新しい提案がでてきて生まれたのがこの画像。

櫨のろうそくは炎の大きさと揺らめきが魅力です。
ゆらゆらと揺れる炎にうさぎさんの影が映り、とても素敵な空間になりました。

櫨の炎だからこそ、このような演出ができる、そう思うとなにやら自信がわいてきます。

誘ってくれた尚子ちゃんに感謝です。

いろんな方たちとの出会いは本当に勉強になることばかりです。


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古巣に戻りました

2013-09-13 00:45:13 | 櫨伝導への道
ここをいったん閉じて、何年になるでしょうか。
しばらくイザ!ブログにいて、たま~に更新してましたが、イザ!ブログがサービス終了になるとのお知らせが来ました。

過去の日記はここにどーんと置いてるし、他のサイトに行くより古巣がいいかなと思い立って、戻ることにしました。

イザ!ブログでの過去記事はインポートしています。

こちらの方でできるだけ頑張って書いていこうと思います。
よろしくお願いします<(_ _)>

国際交流、くるくるくる~

2013-08-16 11:07:56 | 櫨伝導への道

 最近、櫨屋敷に海外のお客さんがたて続けに来られました。


まずはアメリカ・カリフォルニア州のモデスト市から。



引率のバーバラ先生、芯巻き作業の時の私の日本語の説明で


「こうやって、くるくるくる~と巻いていくんですよ。」の一言がウケて


みんなで


「kurukurukuru~~」と大合唱になりました。



とっても愉快な方達でした。


 


お次は香港・韓国・台湾から。



 


こちらもやっぱり芯引き・芯巻きには大興奮で気に入っていただきました。


 


そして、ドイツからは柔道選手チームが櫨キャンドル&生け花体験をしてくれました!



 


日本人とは全く違う感覚の素晴らしさに、お花の教授陣もびっくり。


ドイツでは池坊の支部もあるというし、華道は世界に広がっているんですね。


もちろん、櫨キャンドルの芯作りも張り切ってしてくれました。



皆さん、とっても優しい表情で楽しく過ごされていました。


それにしても、中国語・英語のパンフを作っていたのが役に立ちました。


 


そんなわけで、普段はのんびりやってる櫨屋敷ですが、賑わった数日間です。


 


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お手紙

2013-07-06 09:38:50 | 櫨伝導への道

郵便局に商品注文用の受取人払いハガキの手続きをしました。


 


そういうのがあるとは以前から知ってましたが、なんだかちょっと恥ずかしいのと、面倒くさいのとで、今までやってませんでした。


 


でも櫨便りをせっかく送るんだから、やっぱり活動の資金稼ぎのためにも、和ろうそくやその他の櫨の商品を手軽に買いやすい仕組みを作らないといけません。


 


先月のおわりに、こわごわとカタログとハガキを同封して送ったら、さっそくハガキで注文が来ました!ひゃっほう!


 


しかも通信欄にはメッセージもついていました。



 


わざわざこんな風に気遣って書いていただけるなんて、ありがたいことです。


櫨の活動は、こうした方たちに支えられてるんだなと思うと、鼻の先がじーんときます。


 


私もヘタクソな字ですが、メッセージを書いて、ちょっとしたオマケもつけて商品をお送りしました。


 


 


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櫨から試されるとき

2013-06-24 10:03:00 | 櫨伝導への道


春から夏にかけて、梅雨時はできるだけ櫨には触らない方がいいよ、と言っています。


 

成長が盛んな季節には、樹液に含まれるウルシオールというアレルギー物質のおかげで櫨マケする人がいるからです。

 

一度櫨マケすると、なかなか櫨を好きになってくれないものです。

 

私はよく櫨マケしませんか?と聞かれますが、私の場合は櫨マケしたことはありません。

 

でも、今まで櫨マケしたことがなくても、これから櫨マケする可能性はあります。しょっちゅう触ってますから。

 

もし櫨マケしたら、私は櫨を嫌いになるでしょうか?

櫨の活動を辞めてしまおうと思うでしょうか?

 

そんな時、ある友人の言葉を思い出します。

 

その人は大の猫好きで、子供の時から猫と一緒に寝ていたそうです。ところがひどい猫アレルギーで、医者からは猫を飼うなと言われたそうですが、従いませんでした。アレルギーの症状がひどくなると、薬を飲んだりして猫と一緒に寝ていたと言います。

 

大人になってから、私がなぜそのように頑固に猫を飼ったのかと聞くと、その答えはこうです。

 

「子供の頃、自分にはどうしても猫が必要だったから。」

 

もっとも、愛貓と違って私は櫨と一緒に寝るわけじゃないですから、そこまで深刻じゃありません。

 

ただ、私がもし櫨マケしたら、私は櫨から離れようと思うでしょうか?

 

こんな梅雨時になると、なおさら櫨の葉っぱに触ってみたくなります。

 

櫨にとって、自分は必要なんだろうか?

 

それとも自分にとって、櫨は必要なんだろうか?

 

櫨から試されてるような気がして。

 

 

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みつばちと櫨の花

2013-06-17 11:18:00 | 櫨伝導への道


 


私は夢を見ます。


 


櫨の木だらけの山で、蜜蜂が花に飛び交っている風景を。


 


5月下旬~6月上旬に黄色くて小さい花を咲かせる櫨。そこからは芳しくて爽やかな風味の蜂蜜が採れます。


 


どんな養蜂家でも「櫨の蜂蜜は香りよし、味よしの最高級品だ。」と断言するほどの貴重な蜂蜜です。


 


ところが上品で爽やかな香りは、強烈な匂いに打ち消されるのも宿命。


 


残念なことに、ちょうど櫨と同時期にモチノキの花も咲いてしまうのです。モチノキは香りが強いため、一緒に混ざってしまうとモチノキの風味が勝ってしまい、せっかくの上品な風味が消えてしまいます。


 


「蜜蜂に櫨の花だけ蜂蜜を取ってこい、と命じることができたらいいのになぁ。」と養蜂家の方。


 


純粋な櫨の蜂蜜が採れたら、どんなにいいことでしょう。


 


いつもこの季節になると、私は夢を見ます。


 


青空の中、櫨の花咲く山で蜜蜂が元気に飛び交っている風景を。


 


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櫨屋敷と夫婦松の話 その2

2013-06-12 10:39:00 | 櫨伝導への道

 ガーデニング教室の開催日も迫っているのに、伸びすぎた松の枝に頭を抱えて切羽詰まっていた私。オカネもない私一人ができるわけがありません。


 


ではどうすればいいのか?


何も持っていない人はあきらめるべきなんでしょうか?


 


私は初心に戻ることにしました。


六年前、私は故郷で生まれた松山櫨をなんとか復活させて、故郷の良さや櫨の良さを人々に伝えたいと思いながら、何も持っていない自分ができることはないかと一生懸命考えました。


 


そして出した結論はこうです。


 


人々に櫨の話を伝えることで心を寄せてもらうことです。


 


和ろうそくを作り販売しながら、松山櫨を復活させるのだと皆に伝えていけば、たとえ和ろうそく一本でも、活動の糧になり復活できる道に繋がります。自分自身が資産を持っていなくても、人々の協力があれば、きっと復活できると思いました。


 


だから自分のやることは人々に振り向いてもらうこと。


 


では、櫨の話を伝える場所として櫨屋敷を救うために、今、私がやるべきことは?


 


そう思って電話をした相手は、六年前、最初に櫨の話に心を動かしてくれて、地面に落ちていた櫨の実を一緒に拾ってくれた人でした。


 


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