松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

木ろう石けん作りin第21回福岡県農林水産まつり

2017-10-29 17:02:14 | ワックスと石鹸
昨日と今日は第21回福岡県農林水産まつりが天神中央公園(福岡市)で開催されました。


あいにく台風が南方で通過しているせいで初日は雨が降ったり止んだり。


私は林業体験ゾーンで、福岡県の特用林産物である「木ろう(櫨蝋)」の石けんづくりワークショップとパネル展示を行いました。
手伝ってくれたのは県の担当の方達や、スタッフの和田祥子さんら。
土日の2日間で合計100人のワークショップです。

最初は雨が激しかったのでどうなることかと危ぶんでいましたが、意外なことに結構お客さんが訪れては興味深そうにのぞき込まれるので
櫨の石けんのことを説明して体験してもらいました。

「櫨?きゃっ!ワタシは昔、櫨マケしたのよ。」と嫌そうな顔をされる年配の女性も、とりあえず作ってもらうことに。


櫨の石けんワークショップは、櫨蝋100%で作った石けん素地パウダーを使います。
そのままでも石けんはできますが、やはり何かを少し混ぜ込んだ方がパワーアップします。

そこでオススメなのが、野草パウダー。
ヨモギ、ドクダミ、スギナなどのお肌に良い野草を乾燥しパウダーにしたものを混ぜ込むことで、野草が持つ植物成分をたくさん取り入れることができます。

日田市鶴河内にある「かじわら農園」さんの野草パウダーを使います。

かじわら農園さんは無農薬の循環農法で野菜を作っておられていて、当委員会の依頼で野草も採取しては乾燥パウダーにしてくれました。
もちろん石けんばかりか食用にも使えます。

水と野草パウダーを混ぜ込んで練り練り。


成形して出来上がり。最後に石けんのついた手を洗ってもらうと、皆びっくりします。
「ええ?何コレ。なんか全然ふつーの石けんと違う!」

いつもは久留米市田主丸町にある紅乙女酒造 耳納蒸留所の敷地内にある「水縄茶寮」で、毎週水曜に少人数でまったりとワークショップを行っていますが、
今日は、入れ替わり立ち替わりでたくさんの方達に体験してもらって、ついに100人ワークショップ到達!よかったよかった。


櫨の石けんを体験してもらった人は、もう櫨マケという悪いイメージが払拭されたのか、皆、興味しんしんで櫨のちらしをもらったりして満足げに帰っていかれました。

櫨ろうから石けんを作る。
その企画を思いついてから、ここまで来るのにもう3年以上になります。

夢と思いを込めて石けんを作った後、どう売っていくのか、どう広めていくのか、まだまだ未知数で不安を感じる時もありますが、ワークショップをするたびに参加者の皆さんから櫨の石けんの良さを逆に私が教えられ、励まされています。

紅乙女酒造耳納蒸留所 水縄茶寮でのワークショップの詳細はこちら


櫨蝋のワックス

2014-08-17 21:31:09 | ワックスと石鹸
ここしばらく、ほとんどHPの手入れをしていないワタシですが、コンスタントに「福岡よかもん市場」で櫨蝋のワックスが売れています。

実のところ、和ろうそくよりも売れています。
どうしてかなー?と思っていたら、購入していただいた方からメールがきました。

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以前に既に絶版になっている松永重児先生著「弓に生きる」を読み、「肥後三郎」の流れを汲む
「松永重宣」銘の弓を二張り所有しているが故、弓と矢の手入れ用に蜜蝋かくるみオイルか迷って
いたところ、松山櫨(はぜ)復活奮闘日記の「弓に生きる」と「櫨蝋のワックス」をネットで拝見し、
即決で購入しました。( … 遅い!)

早速、このお盆休みに、他の三張り(「横山黎明」)の弓と竹矢の手入れに使ってみたいと思います。

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ブログ記事「弓に生きる」はこちらです。せっかくだから、再掲させていただきます。

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ある方から「どうして櫨蝋のワックスを弓に塗るといいのか?」と聞かれました。
それで(あれ?何でいいって思ったんだっけ?)と
最初の頃をつらつら思い出してみると…。

松永重児著「肥後三郎 弓に生きる」という本にあったのでした。

いつも私は弓道場でも何かと櫨の話ばかりしているんですが、
先生が読んでいたこの本に「櫨のことが書いてあったよ!」と教えてくれたのでした。

この本をちょっとだけご紹介すると…
著者松永重児氏は、もともと東京在住の弓造り職人でした。
しかし東京では竹や櫨、ニベ(鹿の生皮を煮詰めた接着剤)の良いものが手に入りません。
良い弓を作りたいという一心で、彼は熊本の球磨川べりに移り住みます。
そして京弓と薩摩弓の特徴を生かした名弓「肥後三郎」を生み出します。
この本は弓造り一筋に打ち込んだ職人の、弓への思いを熱く熱く熱く語った本なのです。

ただ実のところ、やはり弓造りの主役は竹にあり、二番手はニベなのではないかと思います。
その二つの話題だけで、松永氏の頭の八割を占めていたような。

しかし確かに櫨の側木にワックスを塗ると書いてありました。

--------引用
「…昔はロウ仕上げ、クルミ仕上げといって、側木に塗って艶を出していました。…中略…
こうした艶や色を出すのも、弓を育てる一つなんですね。」
--------引用おわり

この一文を読んだ私の先生が、
「和ろうそくを弓にそのまま塗ろうとしたけど、固くて塗りにくかったよ。あれ。」
「先生、櫨のワックスならありますよ。クリーム状になるから塗りやすいですよ。」

それで試しに塗ってみたら、確かに竹弓にみるみる艶が出てきました。
おまけに弓ばかりでなく、固い安土で痛みやすい竹矢の先っぽにも塗ると
艶だし保護になることがわかりました。

そんなわけで、竹弓・竹矢を愛する弓引き用に「櫨蝋のワックス」デビューとなったのです。

私は、このアイディアの示唆を与えてくれた本「弓に生きる」に感謝し
松永重児氏が生み出した名弓「肥後三郎」を相良弓矢製作所からお借りして
7月から始まる「櫨の灯り展」に展示させていただくことにしました。

先日亡くなった水野晴郎氏に倣って言うならば、
「いやあ、弓って、本当にいいもんですね~。」

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こうして「櫨蝋のワックス」を購入して竹弓・竹矢に使っていただいて、本当にありがたいです<(_ _)>



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櫨蝋を使った石鹸作り勉強会

2014-07-30 10:36:53 | ワックスと石鹸
昨日は朝倉市のもやい広場で、NPO法人朝倉の会主催の「櫨蝋を使った手作り石鹸教室」が開催されました。

講師は(株)ツツミプランニングの河北龍志さん。
コールドプロセスという基本の手作り石鹸の作り方を、丁寧に教えていただき、とても勉強になりました。



材料は主にオリーブ油をメインに使い、櫨蝋は少なかったのですが、少ない量でも他の油にない重要な役割がありました。

オリーブ油や他の油と一緒に櫨蝋を入れてぬるま湯程度に温め、それを水酸化ナトリウムを加えるとどんどん反応してクリーム状になっていきました。

このトレース(クリーム状になること)が出てくるタイミングを、櫨蝋が大変スムーズに助けてくれるとのことです。

朝倉の会のメンバーの中には廃油石鹸を手作りした方もおり、興味深そうに見守っておられました。

熟成にはしばらくかかります。


良い石鹸ができますように。

なお、この手作り石鹸教室は9月20日(土)に開催される「第三回櫨フォーラムinあさくら」でも行っていただくことになりました。詳細は決まり次第、お知らせします。

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ワックスを塗ってみた

2009-08-08 21:50:09 | ワックスと石鹸
画像はカイヅカイブキという木の木片のオモテとウラです。

右が櫨蝋のワックスを塗った面。左は全く塗ってない面です。ご覧の通り輝きが全く違っています。生で見てみるともっとはっきりするんですが、このワックスは木材に自然に染みこんで表面にツヤを出して保護します。

カイヅカイブキという木は外側が白くて芯材が赤い木材なので、花台やテーブル、カウンターなどにも使われています。櫨蝋のワックスを塗ることで、汚れにくく耐久性が加わることになります。

…とまあ、こんな風に比較写真を撮影すれば、みんなにもわかりやすくなりますよね。

そうだ!こうやって、どんな人にも一目瞭然にわかるようなアプローチをかけていこうっと!

え?今、何をやってるかって?
HP作りですよ。HP。完成まで、まだしばらくかかりそうです。

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石鹸がよかもん市場に登場

2009-08-05 22:28:47 | ワックスと石鹸
福岡よかもん市場の当委員会のショップページに行くと、ブラウザウィンドウには「和ろうそく、櫨キャンドル、櫨染(はじぞめ)、ワックス、石鹸」と書いてあります。

で、今まで石鹸が出てなかったんですね。やっとというか、とうとう出ました。

箱入りと箱なしを販売しています。まあ、もちろんオススメは箱なしです。200円安いし、箱入りだと後で箱が邪魔になっちゃったりする場合もあるし。

もちろん箱入りはギフト用にオススメです。

箱入りは以前からあったんですが、箱なしを使ったのは、値段と箱の使い道の他に、とても重要な出来事がありました。

リピーター用です。なんと櫨の石鹸を使ったAさんは、非常に気に入ってまとめ買いをしてもらったのです。その時、まだ箱入りしか販売してなかったので、ダンボールでいかにあの箱が邪魔になるかを痛感した私。

やっぱこういう場合は箱なしがいいよね

というわけで、ぜひみなさんも使ってみてくださいね!



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アリババにワックス出てます

2009-08-04 21:34:37 | ワックスと石鹸
お知らせです。
実は中国のネットショップの最大手のモール「アリババ」に、なんと櫨蝋のワックスが出ています。
サイトページはこちらです。

今年の春、福岡県中小企業振興センターからの呼びかけがあり、福岡県の地元産物を中国の人々に販売しようという試みに私も参加することにしたのでした。

櫨蝋が中国に行くということについては、かなり私も感慨深いものがあります。

なぜって、中国からは「中国うるし蝋」が日本に安価で入ってきているからです。つまり櫨蝋のライバル。

中国うるし蝋で作るロウソクは、やはり煙が出るし櫨蝋と比べて粘靱性も低いので、品質的には劣るものの、現在はその値段の安さが大いに櫨蝋を脅かしている状態です。

その中国うるし蝋の国、中国へ櫨蝋が乗り込んじゃってるわけですよ。このページでは、安心で安全な高品質ワックスとしてアピールしていると思いますが(中国語なのでワカラン)、果たして値段の高さを乗り越えて中国の人々は価値を認めてくれるのかな?

なんだかこの状況、オセロでもやってるみたいな感じです。

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手作り石鹸体験再び

2009-05-17 21:18:23 | ワックスと石鹸
今日は日曜日。例によってサロン・ド・井筒屋U店でのキャンドル作り体験です。
ところが、午前中からひどい雨が降っていて、ほとんど開店休業状態。あまりにヒマなので、まるは油脂さんの「手作り石鹸体験」をすることにしました。この石鹸作りは、実はかなりオトクな値段なんです。


いつものように材料を入れて貰ってコネコネしていきます。3月に作ったのは、ちょっと平べったかったので使いにくかったことから、今度はボール状に作ることにしました。それに立方体。


今回もよもぎを入れて貰ってミント石鹸にしました。ボール状とサイコロ状の石鹸が私の作ったやつです。

うむ!これなら使い心地はもっと良くなるハズ。


こちらは夕方来てくれたひだまりプロダクツのアイドル淡竹石鹸のTくんです。なんと新しい紙芝居を徹夜で作ってきてくれました。この紙芝居のタイトルは「カスリマン」。あの永井豪の「デビルマン」へのオマージュでしょうか。70年代レトロアニメのタイトルを選んでくれるとは。

次は19日火曜の13:00からです。場所は博多リバレイン地下二階イニミニマニモ内サロン・ド・井筒屋U店です。お時間があったら、ぜひいらしてくださいね!

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広がる櫨蝋のワックス

2009-03-31 22:27:32 | ワックスと石鹸
大阪の弓具店から櫨蝋のワックスの注文がありました。ひゃっほう!

今度から近畿地方での大会や審査の販売コーナーの片隅に、櫨蝋のワックスが置かれることになります。特にもうすぐ京都で大きい大会があると聞きました。大きい大会ってどんな大会でしょうね?とにかく大きい大会にはたくさんの参加者がいるでしょうから、皆さんの目に触れる機会も増えることでしょう。

櫨蝋のワックスを取り扱って頂く所がどんどん増えていくのはとっても嬉しいですね。特に弓具店は同じ弓引きが使ってくれると思うと、ありがたやありがたや。

櫨蝋のワックスは伸びがいいので、竹弓や竹矢に塗る時は少しの量で十分です。「弓ふきん」を付けているのでそれでキュッキュッと拭けば、古ぼけてきた竹も輝いてきます。…と、毎回竹弓・竹矢を持っている方に説明してますが、よく考えたら当の本人が竹弓を使ってなかったのがなんとも説得力に欠けるというか…。ま、とにかくあと半年でマイ竹弓が手に入るからいいか。

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櫨の石鹸、ギフトショーへ

2009-01-26 21:11:23 | ワックスと石鹸
当委員会製「櫨の石鹸」が2月3日から6日まで東京ビッグサイトで行われる「ギフトショー」で展示販売されることになりました。

展示ブースは近江手作り和ろうそく「大與」内での販売となります。手がけ和ろうそく職人の四代目、巧さんが櫨の石鹸を気に入って取り扱っていただくことになりました。

しかし、せっかく東京でギフトショーに初お目見えするんですから、どうも今までの手作り感あふれるパッケージでは見劣りがするし、消費者にその価値をわかってもらうことが必要です。

どんな高価な石鹸でも、その原料はなんらかのワックスや油です。牛脂だったり、カルナバ蝋だったり、パーム蝋だったり。いずれも櫨蝋と比べると安価ですし、パーム蝋に至っては原料のアブラヤシのプランテーションのため熱帯雨林が焼き払われており、大きな環境問題になっています。

櫨蝋を素材にした石鹸は、キメの細やかさと泡立ちの良さからいって、他のどんなワックス原料と比べても品質では一流品だと思います。しかし、まだ一つ一つを手作りしている製品で日々改良が進められているので、大量生産はおぼつきません。

先日から、あーでもない、こーでもないと苦心しながら作ったパッケージが上の画像。箱は以前は手作りしてましたが、さすがに箱屋さんから作ってもらったもので、これでマシになったかな。石鹸の量も100gに近くなってきました。たっぷり使えます。

さて、櫨の石鹸、敏腕バイヤーが目を光らせるギフトショーではどんな評価が下されるのやら。心落ち着いて結果を待ちたいと思います。

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石鹸箱のデザイン

2009-01-12 23:27:14 | ワックスと石鹸
「櫨の石鹸」の箱デザインを一新することにしました。

今までうんちくをびっしりと箱の裏側に書き込んだり、キャッチコピーもいろいろと箱の表面に書いたりしてましたが、とにかくシンプルにした方が良いとのアドバイスがあり、あーでもない、こーでもないと朝から一日中やって、できたのがコレ。ん?あんまし変わってない?んなこたーないです。…たぶん。

もちろん今までのスタイル同様、展開図をデザインしてプリントアウトした後、カッターナイフで切り、ノリでくっつけるという、原始的かつ家内制手工業みたいな作業です。

こんなデザインで果たしてよいのか、実を言うと自分が作るチラシもパッケージデザインも全然自信がありません。石鹸の箱にしたって、本当は袋の方がいいんじゃないかとか、そうすると接着面はどうしようかなとか…。いちいちデザインで悩んでいては前に進まないので、とりあえずその時のベストを尽くすしかありません。弓を引く時のように、背伸びをせず、限られた材料でできるだけ良いモノを目指そうと思います。

そんなわけで、また変わるかもしんないけど、今回はこれでいくかな…。

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櫨の石鹸、進化中です。

2008-08-11 21:00:57 | ワックスと石鹸
櫨の石鹸がバージョンアップしました。
以前のものより、一回り大きくなって、きめ細かな泡立ちが更にスムーズになってます。
櫨の石鹸は、原料の油脂に「櫨」を使っています。(ま、わざわざ言わなくてもわかるよね)
もともと櫨は結晶が小さく粘り気があるので、石鹸の原料に適しているのです。

しかし、なんといっても価格的に高いのがネック。大抵の石鹸の原料は、安価なパーム油なんですが、櫨蝋と比べるとあまりに安い値段で仕入れることができてしまいます。

…なんでそんなに安いんでしょうね?
ちょっと調べてみると、パーム油の原料であるアブラヤシを作るために、マレーシアなどでは熱帯雨林を焼き払って広大なプランテーションができて、大量生産しているのだそうです。もちろん石鹸だけのためにアブラヤシを作ってるわけじゃなくて、最近は「環境に優しい天然資源パーム油」による合成洗剤が作られてますし、パーム核油ってのは加工食品にも使われますし、最近はほら、アレ。バイオディーゼル燃料への有力な燃料なんです。(単位面積当たりの得られる油脂の量は大豆の7倍)おかげでプランテーションもますます広大になり生産量は増大中。今日も熱帯雨林をせっせと焼き払ってるんでしょうか。環境を守るためのアレコレが、環境破壊の尖兵になっているわけですね。

現在出回っているほとんどの安い石鹸はパーム油ですが、この安さはやはり見えない代償を伴っているんだなと思います。

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靴墨にも櫨蝋が

2008-08-01 23:00:56 | ワックスと石鹸
先日、水俣へ行った時、はぜのき館で撮ってきた写真です。
靴墨にも櫨蝋が使われているとのことです。
これらの商品を使ったことはありませんが、櫨蝋のワックスを靴磨きに使う場合もあることを、以前のエントリで書きました。

あれから実際に使っていただいた方からの話をまとめると、新品の靴には効果的な櫨蝋のワックスも、ある程度使い込んで表面の色が落ちたりした物にはあまり効果がないとのことです。深いキズや革が擦れてデコボコができてしまった場合は、こうした市販の靴墨の方が効果的なようです。茶色とかもあればいいのに。


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ワックスと「弓ふきん」

2008-07-29 20:29:14 | ワックスと石鹸
櫨蝋のワックスを使用していただいている方からメールをいただきました。
ワックスを矢に塗った後、ユガケにワックスが付いてしまうと、
引き分けの時にギリ粉が効かずに暴発する恐れがあるとのことです。

実際弓矢にワックスを手で塗っただけでは、表面が乾くまで多少ベタベタするのが気になっていました。
何か対策はないかなと思って作ったのがこれ。

「弓ふきん」です。

材料は家の引き出しの奥に埋まっていた和風手ぬぐい。
弓矢を拭きあげるのに扱いやすい大きさに切って手縫いしました。
ワックスを塗った後に、この「弓ふきん」で余分なワックスを拭き上げ、仕上げに弓道具屋さんで売っている鹿皮で磨き上げれば完璧!

大切な竹弓・竹矢がピカピカ&適度に保湿されるってわけです。

ところが周囲の人に「和風手ぬぐい」が引き出しに余ってないか聞きまわりましたがどうも最近は出回ってない様子です。
日本人の生活習慣が「手ぬぐい」→「タオル」に変わったってことなんでしょう。
手ぬぐいも使い所によっては、タオルよりずっと使いやすいシーンがあるんですけどね。

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靴磨き その2

2008-05-21 20:34:15 | ワックスと石鹸
「櫨蝋のワックス」が靴磨きに向いてるかどうか、製造元の野口植栽蝋さんに聞いてみました。

「ああ、いいっちゃないかな。
ほら、博多に政治家とかがお客さんの高級靴を作りよる靴職人がおるって。
そん人が、この櫨蝋のワックスば気に入って買うてくれよるよ。
これじゃないといかんち言うてさ。」

なんとオーダーメイド靴職人の愛用品だったとは。
すっかり自信を得た私は、H・Tさんに商品をお送りして結果を待ちました。
するとすぐにH・Tさんから使ってみたとのメールが届きました。
以下はH・Tさんからの使用報告です。

「感想としては、「これって、もしかしてものすごい高品質なの?!」です。

たまたま昨日届いた作業用革靴があったので、先端の方に塗ってみたところ、す
ーっと溶け込むようになじんでいき、色が映え、光り出しました。喜んで写真に
撮ったのですが、あまり上手く撮れなかったので、部屋の中で先日購入した靴用
革のハキレに塗ってみて、撮影しました。(上の画像です。)
右側が無処理、左側が「櫨蝋のワックス」を塗ったものです。

写真でも十分すばらしさが分かるかと思いますが、本物はもっと美しく差が出て
いました。お見せできないのが本当に残念です。

ちなみに塗り方は、せっかく安全なものを使うのですから、手を良く洗ってから
指先に少し櫨蝋ワックスを付けて、指に靴への愛情を込めながら塗っていきまし
た。今、パソコンを打ちながらふと右手の人差し指を嗅いでみると、ものすごく
上品な楠の香りがしています。

鏡面磨きにはならなかったですが、今のところの感想としては、ワックスという
より、「乳化性靴クリームのものすごく良いもの」です。色は映えるし、艶は出
るし、何といっても手でそのまま塗れるのですから、今まで使っていた「手に付
けてはいけないもの」よりもよっぽど使いやすいです。香りも、今までの靴用品
の中では最高です。(普通のシューケア用品は石油から作られているものが入っ
ていたり、上質なオイルでもミンクオイル(動物性脂)で、匂いを嗅ぐ気にはな
れないものでしたが、櫨蝋ワックスは、むしろアロマに近い、爽やかな香りがし
ました。
正直これほどのものが来るとは思っていませんでした。」


こんなに気に入っていただくなんて、本当にありがたやありがたや。
逆に私の方がメールをいただいて勉強になりました。

それにしても靴磨きの美学というものも、
本当に男の趣味って感じでかっこいいなぁと、つくづく感じ入った次第です。

しかも、それまで私は乾いた布とかでワックスを塗っていたんですが
H・Tさんからのメールをいただいてはっとしました。
よく考えたら「素手で塗れる」わけですよ。

その後、先日行われた北野天満宮の弓道大会で、
私は「櫨蝋のワックス」を先生方の竹弓に、
さっそく素手で塗って説明すると、とても好評をいただきました。

実をいうと、自分でも今イチ使い所がよく掴めていなかった「櫨蝋のワックス」なんですが
ようやくその価値が少しずつわかってきたのでした。

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靴磨き その1

2008-05-20 21:54:45 | ワックスと石鹸
先日、靴磨きを趣味にしているというH・Tさんからメールをいただきました。
どうやら革靴を磨くのに、「櫨蝋のワックス」が向いているんじゃないかとのことです。

人によっていろんな趣味はあるでしょうが、
靴磨きとは、また変わった趣味だなぁと思ってネットで調べたら、
目からウロコの世界が広がっていました。

靴磨き.comというサイトでは、
靴を磨くことは己を磨くこと。靴に輝きを与えるように、人生に輝きを。というモットーで
革靴をピッカピカに美しくすることを提唱しています。
「鏡面磨き」を行ったbefor afterの写真などを見ると、
くたびれた靴が本当に素晴らしく蘇っているのに驚きました。

靴でその人の価値がわかるというのは、確かによく聞く話です。

トマス・ハリス原作の有名な映画「羊たちの沈黙」の中で
アンソニー・ホプキンス演じるレクター博士が、
ジョディ・フォスター演じるFBI捜査官クラリスと初めて会った時のこと。
レクター博士がクラリスに「バッグはブランド物だが靴は安物だ」みたいなことを言って
クラリスを赤面させたのが印象に残っています。
(ずいぶん前に見た映画なので記憶があやふやですが、こんな感じだったと思います)

また、HTさんからのメールとちょうど同じ頃、
友達のHimenoさんから本を借りて読んでいました。
ブログでも紹介されている本「夢を叶えるゾウ」で、いわゆる自己啓発書なんですが、
生き方に悩んでいる主人公にガネーシャというインドの半身半象の神様が、
自己を変え成功するために一つずつ課題を出していく形式になっています。
なんとその最初の課題が「靴を磨く」なんですよ!

靴を磨く事に何か意味があるのか?と聞く主人公にガネーシャは大阪弁で答えます。
そこんとこだけ引用してみましょう。
「ええか?自分が会社行く時も、営業で外回りする時も、カラオケ行ってバカ騒ぎしてる時も、靴はずっと気張って支えてくれとんのや。そういう自分支えてくれとるもん大事にできんやつが成功するか、アホ!」

靴磨きがいかに大切かという話は、仏陀の教典にもあります。
 釈迦は、何事にも覚えが悪く修行が進まないチュラ・パンタカに、
一枚の布を渡してこう言いました。
「毎日、やってきた人の履き物をぬぐいなさい。
そして必ず「塵垢を払え」と、唱えるのです。」
 彼は、愚直にその教えを守り続けて、ついにある日悟りを開きます。
その悟りとは
「人の心は汚れやすいから、塵や垢を払い続けねばならない。」というものでした。

真っ黒に汚れた廊下を雑巾できれいに拭くと、気持ちがよくなります。
靴磨きも、グッズを揃えて取りかかると、とても楽しそうでした。
その靴磨きの強力なグッズに「櫨蝋のワックス」が候補に挙がっているなんて!

私自身は「きっと靴磨きの良いパートナーになれるはず。」だと思っていましたが、
なんせ実際に革靴を櫨蝋のワックスで磨いたことがなかったので、確信は持てません。
そこで製造元の野口植栽蝋さんに
櫨蝋のワックスが靴磨きに向いているかどうか聞いてみることにしました。

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