松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

櫨染プロジェクト その6

2008-12-04 21:58:34 | 櫨染(はじぞめ)プロジェクト
櫨染のサンプル布染色に成功したので、いよいよ展示会用作品の染色をすることになりました。

せっかく大きな布を染め上げるわけですから、報道機関の方に知らせて見て頂くことにしました。幸い大きな事件もなかったためか、各報道機関の記者も来て染色風景を取材していただきました。


見事に黄色の芯が入っています。


芯を薪にした状態。これをさらに細かく砕いてチップにして煮出しやすくします。


今回は1.2kgの芯材を使ったそうです。煮出した液体は割と薄い色なのに、布(ちりめん)を入れるとどんどん美しい黄色に染まっていきます。夢細工の小室さんによると「櫨は染色の素材としてはめちゃくちゃ優秀ですね。」とのこと。ただしやはり染色に使うには、かなりの量の芯材が必要となってくるので、確かに今まで櫨染をする人が絶えていたのもうなずけます。


右が櫨に灰汁をいれて、少々濃くなった黄色。左は蘇芳(すおう)を延喜式通りに入れた黄櫨染。

伝統的な草木染めでこんなにも美しく鮮やかな色が出るとは。櫨染が良いと褒められると、自分が褒められたかのような気持ちになりますね。これらの染色作品は櫨の魅力展で一般の方々にお披露目する予定です。

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櫨染プロジェクト その5

2008-12-01 20:28:53 | 櫨染(はじぞめ)プロジェクト
工房「夢細工」さんから櫨染したサンプル布ができたと連絡がありました。
それが上の写真です。

染色方法を変えて5種類の色を出したとのことでした。いずれも非常に美しい色合いです。こんなにも豊かな色が出るとは正直思いませんでした。櫨の芯材は少量のチップで多くの色が出るそうで、やはり古来万葉の世界において、櫨の木は染色で重宝されただけのことはある素材なのだと、改めて納得しました。

私は染色に関しては全くの素人なのですが、草木染めの自然な美しさには本当に見とれてしまいます。自然が生み出す色というのは人の目をも癒してくれる力があるのかもしれません。

ある人から「こういった櫨染で何を作るの?」と聞かれました。

櫨染で何を作るか?何を作ったらいいでしょうね。すぐに結論を決めることではなく、きっと櫨染で皆から求められるものを提案していくことになるのでしょう。まずは櫨染ができたことを人々に知ってもらう方が重要です。

私は12月にアクロス福岡で開催する「櫨の魅力展」のチラシを作り始めました。

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櫨染プロジェクト その4

2008-11-19 22:49:56 | 櫨染(はじぞめ)プロジェクト
誰かに櫨染を頼むにせよ、とりあえず芯材を取り出しやすいよう、丸太を機械で割ってもらうことにしました。
いずれも外観から見た時より、きれいで大きな芯がはいっていました。



しかし、こうして櫨の丸太を用意して櫨染するぞ!と周囲にぶち上げたのはいいものの、結局そのまま全く進行せず、丸太がころがったまま半年が過ぎてしまいました。

なぜ一向に進まなかったのか?
実は「知力・体力・時の運」というように、知力も体力も揃っているのに、忙しくて櫨染する時間がとれない人ばかりに私が頼りにしていたため、「時の運」に翻弄されるがまま、単にずるずると時間が過ぎてしまったのでした。

このままじゃいつまでたっても「櫨染」はできない。そう思った私は積極的に行動を起こすことにしました。

数件「櫨は扱わない」と断られた後、ようやく秋月にある工房夢細工さんと出会いました。

工房夢細工は桜染めの他、屋久杉染めや柿渋染めなど様々な草木染めをしている所です。化学薬品等を使わずに染色を行うこだわりがあること。多くの草木染めに意欲的に挑戦していること。まさに「櫨染」に挑戦するには最適の場所です。

ようやく櫨染をしてくれる人達が見つかった!
私はほっとしながら、まずはサンプル布が染め上がるのを待つことにしました。

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櫨染プロジェクト その3

2008-11-18 19:04:30 | 櫨染(はじぞめ)プロジェクト
首尾良く櫨の丸太が手に入った私ですが、櫨の芯材がどのように入っているのか気になってしょうがありませんでした。

そこで、丸太を持ち運びができるように40cm位に切ってもらって近所の製材屋さんに持って行くと、かえって中途半端な長さの丸太だから機械で切ることはできないと言われました。しかし櫨の木の話をあーだこーだと粘って話しているうちに、製材屋さんもたまりかねて早く決着をつけたくなってきたのか、「だぁ。ちょっと切ってみよ。」と言われました。


チェーンソーでウィーーンという音をたてて櫨の木の側面を切ってもらいます。


黄色い芯材の粉が飛び散り、櫨の芯材が姿を表しました。
思ったよりも黄色が深くて鮮やかな色です。

丸太を庭に放置しても半年ほどじゃ全然乾燥まで至らないばかりか、丸太のままだったら中身が乾燥するまで10年近くかかる場合もあるのだそうです。


つまりこの櫨の木は、まだみずみずしい新鮮な丸太だったってわけですね。

櫨の丸太を手に入れたのはいいものの、櫨染をいったい誰がどのようにするのか?

実はこの時点で私はまだ何も考えついていませんでした。染色家に知り合いがいるわけでもないし、自分ができるわけもなし。ただ芯の鮮やかな黄色を見ながら、きっとできる。絶対に櫨染はできる!と確信のようなものは生まれていたのです。

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櫨染(はじぞめ)プロジェクト その2

2008-11-12 22:27:36 | 櫨染(はじぞめ)プロジェクト
墓場横にあった櫨の木が偶然手に入ることになりました。

さっそく櫨の持ち主のところへ行くと、ありましたありました。庭の片隅に所在なく横たわっていました。薪にするために置いてあったそうですが、結局使われずに残っていたのが幸いしました。

なぜ薪にならなかったのか?私の推測なんですが、櫨の木を燃やす時の煙でマケるという人もいます。おかげで、きっと薪リストの最後になったのかもしれません。

木の切り株をよく見てみましょう。


やっぱり黄色です。櫨です。どうやらキレイに残っている様子。じっと見ているうちに、自分がマグロを一本釣りしたような気分になってきました。

櫨の木は重いので持ち上げるのは重労働です。すったもんだしているうちに、櫨の持ち主がトラクターに乗って現れて、櫨の木を軽トラの荷台に入れてくれました。



せっかく貴重な櫨の木が手に入ったわけだから、有効に使わせてもらおう。櫨の黄色い芯の部分を見ながら、私は強く思いました。

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明日は都合によりブログお休みです。

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櫨染(はじぞめ)プロジェクト その1

2008-11-11 22:38:36 | 櫨染(はじぞめ)プロジェクト
昨年の7月頃、櫨の伝来を調べているうちに、平安時代に使用された「櫨色(はじいろ)」という名前があることを知り、「櫨色(はじいろ)観察」というタイトルで書きました。

その時、平安時代に作られた「櫨色」というものを、いつか見てみたいと切望しながらも叶わず、半ばあきらめていました。櫨の木も持っていないし、染色すらしたこともないし。

しかし物事というのは偶然と必然が重なって動いていくモノ。

上の画像を見て下さい。何の変哲もない櫨の写真。全体を撮すのを忘れてたし、イマイチぱっとしない写真ですが、今思い起こせば、この櫨を見に行ったことが後々、大きなターニングポイントとなり、あきらめていた「櫨染」への道が見えてくることになったのでした。

この櫨は通っている筑前町の弓道場近くの墓場横にありました。格段美しいというわけでもなかったので、昨年秋、一度見に行った後、すっかり頭から忘れていました。

その後、弓の先生から「あの墓場の櫨、全部切られてたよ。」との知らせを聞き、ああ、例によって、邪魔になったから切られたんだろうなと思うと、苦々しい気持ちになったものの、別に自分の土地でもあるまいし、どうすることもできません。

そのまま時は過ぎて春になった時、櫨染のことが話題になり、弓の先生に話すと
「櫨の芯材で染色ができる?それじゃ、あの切られた墓場の櫨は使えんやろうか?」
墓場に行ってみると、確かに櫨はすっかり影も形もなくなっていました。切られた櫨はどこへ行ったのか?たまたま近くを通りかかる人がいたので櫨の行方を知らないか聞いてみました。すると、なんとその人は土地の所有者で、庭に切った櫨の木を置いているとのことでした。

「薪にしようと思ってそのまま庭に置いとったけど、もう春になったけん、いらんから持っていっていいよ。邪魔になるけ。」

この棚からボタ餅のような幸運に、私は一瞬ボーゼンとしてしまいました。ついに櫨の木が手に入ったのです。

こうして、私の櫨染への道が始まり、迷うことなくすぐさま櫨の木を取りに行くことにしました。

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ハゼノキの歴史は謎だらけ その2

2007-07-27 21:28:23 | 櫨染(はじぞめ)プロジェクト
画像は櫨の心材を使った「櫨染」の色です。
大学の先生が化学的興味で試験的に染められたものを
見せていただきました。

染色の世界では「櫨色(はじいろ)」や
「櫨染(はじぞめ)」という言葉があるので、
それはハゼノキを使っているのか、
それともヤマハゼを使っているのか
はたまたヤマウルシを使っているのかを
染色の専門家Tさんにお聞きしてみました。

すると、そもそも今では櫨を素材としては
もう使っていないそうです。
染色として櫨を使うには、切り倒さなくてはならないわけで
櫨の素材自体が少なくなっている今の日本では
ほとんど不可能に近いということでした。

昔の文献もわからないことだらけです。
「延喜式」などの文献に残っている
黄櫨染(天皇陛下の色)については、材料のみで、
染色の方法などについては一切不明なのです。

以前のエントリでお伝えしていますが
古代は色で身分や地位を表していましたから、
染色職人は、今で言えば最新技術を誇る技術者たちです。
そんな人たちが自分たちの生み出した染色の最新技術を
文献に残すわけはないだろう、
やはり一子相伝のような扱いではないかとのことでした。

また、お米の研ぎ方や味噌汁の作り方を
書いている料理本が、ほとんどないように、
当たり前だと考えられている物事は
書き残す必要がありません。
ですから当たり前と思われている物事は
文献には残りにくいわけです。

櫨の染色については、どちらにもあてはまりました。

染色技術は、時代が移り変わるにつれて
素材が変わり、技術も変わり、特に文献に残ることなく
昔の記憶が失われていったわけです。

ところで櫨のことを「黄櫨」と呼ぶ場合があります。
これは今では櫨の別名とされていますが
もともとは南欧から中国にかけて分布する
ウルシ科の「ハグマノキ」で、
心材から黄色染料を採ることで
この名前があるという説がありました。
しかし黄色の染料は、同じウルシ科の
ヤマウルシ、ヤマハゼ、ハゼノキでも
同じように採れるそうですから、
これもまた一つの説と考えるべきでしょう。

なんだかますますアヤフヤになってきました。
とはいえ、一つだけ断言できるのは
昔から「櫨」とよばれるウルシ科の植物が
日本にあったことだけは確かだってことです。
「櫨色」「櫨染」「黄櫨染」という言葉が残っている、
それだけは櫨(の種類)が身近に存在したという証ですね。

さて、古代日本で櫨が活躍していたものが
染色の他に、もう一つあります。
それは「弓」です。
次回から「弓」の材料としての櫨について書く予定です。

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櫨色(はじいろ)観察 まとめ

2007-07-15 19:45:51 | 櫨染(はじぞめ)プロジェクト
櫨が天皇陛下のみ身につけられる禁色の材料として
今でも用いられているというのを知って、私は非常に驚きました。
特に黄櫨染に太陽の色が隠れているという不思議さに至っては
しばらく感動でモノも言えませんでした。

以前ご紹介した高橋善蔵著「窮民夜光の珠」の一説を
思い出したので再掲します。

「夜光珠というのは唐土の珍宝であったが、
人に知られないで久しい間埋もれていた。
それを卞和(べんか)という楚国の賢人が
山中で発見して掌中で磨きに磨き、
ついに雲上にまで輝くような光を発して
楚国の宝となった。
今やわが国の櫨もその功能を知る人がなく、
薪にされる始末である。
そこで櫨栽培を研究して、
その要領をここにまとめて夜光珠と題するのである」
(山田龍雄 現代語訳 日本農書全集より)

黄櫨染は、一見渋い色なのですが、
隠れた光を持つというのが、まさに夜光珠を思わせます。
櫨には底知れない能力があるという一種の証じゃないでしょうか。

今回、たまたま色彩や染色の事を知り
日本文化のすばらしさにも改めて感銘しました。
これからもっともっと櫨の可能性を探っていこうと思います。

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櫨色(はじいろ)観察 その4

2007-07-14 22:09:39 | 櫨染(はじぞめ)プロジェクト
今日はいよいよ黄櫨染の話です。
「黄櫨染」

櫨の若芽の煎汁で下染めした後、上から蘇芳を重ね染めしてできる黄褐色です。

「延喜式」巻十四(縫殿寮)にこう書かれています。

黄櫨綾(こうろのあや)一疋(ひき)。
櫨十四斤。蘇芳(すおう)十一斤。酢二升。灰三斛。薪八荷。

蘇芳は南アジア原産のマメ科の植物です。つまり舶来モノ。

紫式部日記の中から引用すると
「色ゆるされたる人々は、
例の青いろ赤いろの唐衣に、地摺の裳、
表着は、おしわたして蘇芳の織物なり。」

高貴な人たちのみ許された色。
憧れと羨ましさの象徴でもありますね。

ところで、なぜこの黄櫨染が天皇の袍色なのでしょうか。
素材の蘇芳が高価だったからでしょうか。
しかし高価だったのは皇太子の黄丹も同じです。
また、黄櫨染は太陽の光を象ったものだと言われてきましたが、
渋い黄褐色がなぜ太陽なのか?
かなり首をかしげてしまいます。

すると、そんな疑問に答えてくれるサイトがありました!

なんと黄櫨染は光によってその色が変わるというのです!
しかも驚いたことに、光を通すと、
その部分だけ赤に変わるという摩訶不思議。

黄櫨染を再現した奥田祐斎氏は
「天皇がお召しになっていた着物が、
ろうそくをともすと真っ赤に変わるのを見て、
当時の人々は、沈んだ太陽がふたたび呼び戻された、
と思ったのでしょう」とコメントしています。

確かに、太陽を象るのに、単純な赤とか黄色じゃなく、
複雑な混色と高い染色技術によって生まれ、
光によって現れる色というところが
まさしく天皇にふさわしい色と思われたのかもしれません。

この黄櫨染、あまりに染め方が微妙だそうで、
歴代天皇の御衣でも同じ色に見えるものはほとんどないそうです。
(色見本はあくまで大体の色だと思ってください。)

前回でも述べたように、黄櫨染の制定は
黄丹が東宮(皇太子)の色だと制定されてから
100年近く経っています。
その一見ゆったりとした時間の中で、
染色職人たちによる、たゆむことのない研究と努力が
世界でも類を見ない「太陽が現れる色」の発明に
繋がっているのではないでしょうか。

天皇の黄櫨染と東宮の黄丹はともに禁色とされ、
今に受け継がれています。

(参考資料・福田邦夫著「すぐわかる日本の伝統色」)

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櫨色(はじいろ)観察 その3

2007-07-13 10:54:01 | 櫨染(はじぞめ)プロジェクト
今日は黄櫨染の紹介の前に、少し歴史のおさらいです。

日本において、色は地位と身分を表す重要な役目を持っていました。
推古天皇11年(603)聖徳太子によって
冠位十二階の官職・位階の色が制定されます。

万物は木・火・土・金・水の5つの元素からなるという
古代中国の自然哲学・五行思想が元になっており
五行の五色(青・赤・黄・白・黒)に加え、一番上に紫を置きました。
6色それぞれに濃・薄の二段階つけることで12色できます。
これで冠位十二階の色というわけですね。

これら位階を表す色を位色(いしき)といい、これらの位色を抜きにしては
古代の色彩を語ることはできないと言われています。

天武天皇14年(686)、位階は48に拡大し、朝服の色も規定されました。
ここで面白いのは、臣下の最高位が深紫になり
皇族の服色は朱華(はねず)と規定されたことです。

ちなみに朱華R250G199B193はこんな色

この朱華はのちの皇太子の色「黄丹(おうに)」へとつながっていくようです。

さて、養老二年(718)、衣服令に皇太子礼服として「黄丹衣」の記載がされ、
以来、代々の皇太子の色となりました。
平成三年「立太子の礼」では、現皇太子の着用されていたのが
まさしくこの黄丹の袍(ほう・上着の意味)です。
黄丹は支子(くちなし)の実からとる黄色染料と紅花の赤の交染による
黄赤色です。紅花染は非常に高価な染料だったため、禁色になったのは
一種の経済政策だとも言われています。

黄丹R238G121B72はこんな色


ところで、皇太子の黄丹の色は決まりましたが、
それから100年位、天皇の袍色は不明になっています。
(主な説では白だと考えられています。)
私の個人的な推測ですけど、その100年の間、
天皇にふさわしい色を探してたんじゃないかという気がします。

嵯峨天皇の弘仁11年(820)、天皇の晴の袍色として黄櫨染が制定されます。
黄櫨染こそ、まさに天皇にふさわしい色でした。
どういうところがふさわしかったのか?

続きは明日お伝えしますね。

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櫨色(はじいろ)観察 その2

2007-07-12 21:21:23 | 櫨染(はじぞめ)プロジェクト
昨日の続きで、もうちょっと詳しく櫨の色について見てみたいと思います。
「櫨色」

これはハゼノキの樹皮で染めた色だそうです。櫨の最も素朴な色だと思います。

「櫨染」

こちらは櫨の黄色い心材の煎汁と灰汁で染めた深い暖味の黄色とのことです。
味わいのある黄色ですね。

「赤白橡(あかしろつるばみ)」R215G169B140

これは昨日の時点では気づいていなかったのですが、櫨を使う色です。
櫨(はぜ)の木の煮汁で黄色く下染した後、
うすく茜の赤を上掛けして染める色です。

ちなみに橡はクヌギの古名です。
しかし、名前は橡なのに橡を全く使わないところが
不思議というか頭を悩ませるところですね。
おかげで最初はわかりませんでした。
この色は、上皇が着用する色として禁色とされていました。

上記三色とも、趣のある素敵な色ですね。

今日はもうちょっと長く書く予定でしたけど
実は私の愛用のMacG5が壊れてしまいました。がーん。
今はMacbookで代用してますけど、気分的にかなりブルーです。あーあ。

明日は黄櫨染について詳しくご紹介したいと思います。

(参考・福田邦夫著「すぐわかる日本の伝統色」)

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櫨色(はじいろ)観察 その1

2007-07-11 22:14:45 | 櫨染(はじぞめ)プロジェクト
櫨の歴史は、櫨が伝来されたとする
1500~1680年くらいから始まるものだと思っていました。
しかし大間違い。
実は、日本には古来から櫨が生息していたのです。

そこで「櫨」が登場するものを遡って調べていると
平安時代に使われた色「櫨色(はじいろ)」という名前に
行き当たりました。
天皇陛下のみ使える禁色として「黄櫨染」という色も存在します。

そこで実際に「櫨色」や「黄櫨染」がどんな色なのか
和色大辞典による和色の色見本をもとに
自分でも画像を作ってみました。

まず「櫨色」はR183 G123 B87


お次の「櫨染」はR217G166B46


そして極めつけ!「黄櫨染」はR214G106B53


ああ、素晴らしいですね。
これらの色見本は「日本の伝統色」として紹介されています。
その色見本を見ると、日本の色のバリエーションの多さには驚きますね。

※注意・デジタルRGBに色配分した時点で実際の色とは違いますし、
時代によって若干変わってきているので
この色見本は絶対正しいわけじゃありません。
イメージとしてできるだけ近い色ということで選ばれているので
ご了承ください。

さて、どのような色かがわかってきたので
明日から、もうちょっと櫨色のことを
詳しく調べてみたいと思います。

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