後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔533〕後期ゴシック彫刻を歩く⑰ ウルム大聖堂とウルム博物館は行くたびに発見があります。

2022年11月16日 | 美術鑑賞
 9月8日(木)、5日間、文字通り寝食を共にしたドイツの友人たちとお別れの日でした。ウルムでの最終の夕食会にシルヴィア、ヴィリー、アンゲリカ、そして私たち3人が顔を揃えました。クラウスは仕事の関係で残念ながら欠席でした。
 シルヴィアからプレゼントをいっぱいいただき、また旅のあれこれに花が咲きました。

 この会食の少し前、私たち3人はウルム大聖堂とウルム博物館を訪れました。
 何回か訪れているウルム大聖堂に、マウホと工房作と言われている「バルバラ祭壇」があるのを認識していませんでした。光を落とした左陣にそれはありました。撮影が難しかったのですが、お目にかけましょう。



 ここではハンス・ムルチャーのキリスト像が有名ですが、外壁にあるのはレプリカで、堂内にあるこちらがオリジナルです。





 ウルム大聖堂から数分のところにあるウルム博物館にエヴァ・ライステンシュナイダー博士(写真集第Ⅴ巻所収)を訪ねました。在館されていて一緒に写真を撮らせてもらいました。



 ここで1冊、気になる本を見つけました。(写真は部分)ニコラウス・ヴェクマンのビンゲン祭壇について書かれています。この本が旅の最後に思わぬ「悲劇」を生み出します。わずかの時間の余裕を見つけた私たちは、フランクフルトから西数十キロのビンゲンの駅に降り立ちました。ところがここにビンゲン祭壇はありませんでした。インフォメーションで調べてもらったらホーエン・ツォレルン城の近くのテュービンゲンにあるということでした。嗚呼!
 もちろん良いこともたくさんありました。ニコラウス・ヴェクマンの作品を数多くの博物館・美術館で見つけることができたからです。

〔532〕後期ゴシック彫刻を歩く⑯ 念願のズエルモント・ルートヴィヒ美術館(アーヘン)に行きました。

2022年11月16日 | 美術鑑賞
 旅行計画を立てる段階で、同行の啓子さんがケルンに行きたいと言われたので、それならケルンに宿泊して、アーヘンまで足を伸ばしましょう、ということになりました。ケルンからアーヘンはわずかの距離です。美しいアーヘン大聖堂はドイツ世界遺産登録第1号です。啓子さんにはお勧めの場所でした。
 我々夫婦がアーヘンを訪れたのは1回だけです。アーヘン大聖堂ではミサの時間待ちをして入場しました。その時に食べたヴルスト(ソーセージ)がとても美味しかった記憶があります。

 私たちにとってどうしてもアーヘンに行きたかったわけがあります。ズエルモント・ルートヴィヒ美術館を訪れたかったのです。
 1994年、国立西洋美術館と愛知県美術館で「聖なるかたち 後期ゴシックの木彫と板絵」展が開催されました。この時、ズエルモント・ルートヴィヒ美術館の木彫や絵が数多く来日したのです。大部な図録が発行され、私も少し前にネット購入したことはこのブログで紹介しました。さらにこの時、「芸術新潮」(1994年7月号)でこの展覧会の特集をしているのですが、解説を書いているのが植田重雄さんです。

 9月17日(土)、駅から40分は歩いたでしょうか、少しわかりにくいビルのあいだに美術館はありました。雑誌や図録で何回も見ていた懐かしい木彫に「再会」し、心が躍りました。他には来館者もなく、心ゆくまで鑑賞に浸りました。





  やはりアーヘン大聖堂は見どころ満載でした。