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マイケル・バクサンドールはイギリスの美術史家です。ルネサンスなどのイタリア美術に詳しくいくつかの関連本を出版しています。そしてドイツの後期ゴシック彫刻について書いたのが『彫刻家の芸術』です。
ちなみにバイエルン国立博物館のヴェニガー博士はこの本や福田緑の写真集に多くの価値を見いだし、ドイツ芸術史に新しい視点をもたらしていると証言しています。(写真集第Ⅳ巻前書き)褒めすぎという感じはしますが、嬉しいコメントではあります。
バクサンドールのこの本が我々の後期ゴシック彫刻を歩くためのバイブルになりました。彫刻の素材などについて詳しく書かれていますが、我々が一番関心を持ったのは作家列伝とその作品カタログでした。
今回の旅の訪問先を決定するためのドイツ語文献はあまたありますが、『彫刻家の芸術』もその大きな決め手になりました。以下の6つの像はどうしても見たかったものですが、拝観することができました。〔ブログ掲載済み〕
Ⅰ 聖母子像(ハンス・ラインベルガー)ポリング
Ⅱ 聖母子像(ハンス・ムルチャー)ランツベルク
Ⅲ ゲオルク像(ハンス・ラインベルガー)ミュンヘン
Ⅳ 庇護マントのマリア(グレゴール・エーアハルト)フラウエンシュタイン
Ⅴ マウア祭壇(作者不明)マウア
Ⅵ 聖家族を描写した翼付き祭壇(ダニエル・マウホ)ビーゼルバッハ
帰国して、写してきたあまたの彫刻写真を見ながらブログを書いていると、予想もしなかった発見がありました。そのことに驚き、興奮しています。写した写真の中にバクサンドールの本に登場している彫刻が5体もあったのです。
Ⅶ マリア戴冠(ヴィジツ)フライブルク大聖堂
Ⅷ 庇護マントのマリア(Hans Sixt von Staufen)フライブルク大聖堂
Ⅸ 悲しみのマリア(作者不明)ゲルマン国立博物館
Ⅹ アンナゼリプドリット (アルテエッティンクのマイスター)リンツ城博物館
Ⅺ 聖母子祭壇(作者不明)シュトゥットガルト州立博物館
ブログに縷々書き綴ってきましたが、これらの他にも多くの素晴らしい後期ゴシック彫刻に出合ってきました。何時の日か、どんな形でか、発表できると良いなと思っています。