後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔545〕後期ゴシック彫刻を歩く㉘ フライブルク大聖堂も見どころ満載、見落としていたものがたくさんありました。

2022年11月25日 | 美術鑑賞


  翌10月17日(月)、フライブルクからフランスとの国境近くの町、ブライザッハに「遠足」しました。ここの大聖堂にはショーン・ガウアーの唯一の壁画が残されています。以前訪問したときに、それを見て満足していたら、帰国してから、実はここの祭壇がマイスターHLのもので、祭壇史に残るものだということを知りました。(『北方ルネサンス』岡部由紀子論文)そして、マイスターHLとはハンス・ロイだとも言われているのです。
 そんなわけでせっかくフライブルクまで行ったらブライザッハには寄りたいね、ということだったのです。でもここは相変わらず撮影禁止だし、なぜかかつてのんびりした春先に訪れた感動はありませんでした。美味しいケバブ屋さんがあり、ワインで有名なところなんですがね。

 フライブルクに帰還して真っ先に向かったのはフライブルク大聖堂でした。塔にも一人上ったことがあり、もう見尽くした感のある大聖堂でしたが、どうしてどうして、新たな発見がてんこ盛りでした。



 内陣は有料ですが、ここに見るべき絵や彫刻があるのです。
 主祭壇の絵は大きなハンス・バルドゥンク・グリーンのマリアの戴冠の絵です。何度も写真で見てきたのですが、ここにあったのでした。



 そして、Hans Sixt von Staufen の祭壇、バクサンドールの本に登場していた作家です。鉄格子のあいだからなんとか撮影したのがこの写真です。



 ハンス・ヴィジツの作品も写っていました。こちらもバクサンドールの本に登場していました。


〔544〕後期ゴシック彫刻を歩く㉗ 作品はもとよりアウグスティーナー博物館(フライブルク)の図録に興奮しました。

2022年11月25日 | 自己紹介
 10月16日(日)、旅の最終盤に差し掛かってインスブルックからフライブルクまでやって来ました。
 前日はインスブルックからの「遠足」でイタリアのシュテアツィングに行って、ハンス・ムルチャーの聖母子像、祭壇などを見る予定でしたが、2人とも発熱があり、自重したのでした。まあ、イタリアと言ってもオーストリアをわずかに越境するぐらいだったのですが。今回の47日間の旅行の中で、唯一計画通り訪問できなかったのがシュテアツィングということになります。他日を期したいと思います。





 フライブルクに着いて直行したのがアウグスティーナー博物館でした。3回目になります。初回の目的はグリューネヴァルトの絵を見ることでした。2回目は後期ゴシック彫刻を見ることでした。ここにはリーメンシュナイダーやシュトースの有名な作品があるわけではありません。しかし、今回新たな発見があり、非常に興奮させられました。

 バクサンドールの本に登場するハンス・ヴィジツの作品が3点、マウホのレリーフが4点、ニクラウス・ハゲナウアー、マイスターHLなどもあるのです。さらに、絵画としてはハンス・バルドゥンク・グリーン(デューラーの一番弟子)が数点もありました。クラナハもあります。



 3階までの吹き抜けの展示場は独特のものがあります。新たに開館したフライジング博物館はこの博物館を参考にしたのでしょうか。

 閉館間際に書籍コーナーに立ち寄り、所蔵作品をドイツ語の文章と写真で丁寧に紹介した207頁の図録を購入しました。ホテルに戻ってからしばらくの間、この本とにらめっこをしていました。




〔543〕後期ゴシック彫刻を歩く㉖ シュトゥットガルトの州立博物館で多くの彫刻に出合いました。

2022年11月25日 | 美術鑑賞
 話は前後しますが、9月6日(火)のことです。
 我々3人の日本人を歓待してくれた4人のドイツの友人が、シュトゥットガルトの旧市街の中心部を案内してくれました。
 一番のお目当ては、旧宮殿で現在は州立博物館(ヴュルッテンブルク郷土博物館)です。ここにはリーメンシュナイダーの秀作があり、マウホのレリーフも4点があるはずですが、残念ながらリーメンシュナイダーは貸し出されていたようです。なぜかマウホの作品も見つかりませんでした。でも、それほど有名ではないけど、多くの後期ゴシック彫刻を見ることができました。カメラに収めてこれはこれで満足でした。

 その後は、新宮殿を横目で見ながら宮殿広場をぬけ、芸術館方面にそぞろ歩きです。
 その道々で撮った写真をお届けしましょう。でも、最初はアンゲリカの食卓からスタートです。