後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔520〕後期ゴシック彫刻を歩く⑤ オーストリアのマウアの祭壇も必見、それは凄まじいものです。

2022年11月09日 | 美術館・博物館鑑賞
 10月8日(土)、アダモフで衝撃を受けた次の日でした。ウィーンから列車で1時間と少しのところにあるドナウ川沿いのメルクに到着します。ローカル線に乗り換えてさらにそこから2駅、ここでタクシーを拾って教会に行くのがいいだろうとは教会の人の話でした。ちょっと金額が高いなと思いながらも土曜日にはバスもないようでした。
 小さな教会に入ると2,3人のグループが祭壇をしげしげと眺めていました。一人の男性が祭壇を指さしながら解説しているようでした。時折アダモフという地名が聞こえてきます。どうやらアダモフとこのマウアの祭壇を比較して話しているようでした。話はなかなか途切れることがなく、私たちはその邪魔をしないように撮影に入りました。

 ゆっくり眺めると、この祭壇も凄いものだなあと実感できます。
 テーマはやはりマリアの昇天でしょうか。マリアを囲む天使たちの表情が独特です。緑によると歌を歌っているというのです。マリアを祝福する天使たちの歌声が聞こえてくるようでした。この天使たちはおとなしくじっとして歌ってはいないようです。表情豊かな天使たちというのはアダモフと共通しているようにも思えるけど、マウアの方が少し穏やかのようです。蛇がとぐろを巻いているような雲の表現はどこかアダモフと関連があるようにも思えます。







 Zwettlとマウアは約50キロの距離です。ケーファーマルクト祭壇(緑写真集Ⅲ巻所収)のあるケーファーマルクトとZwettlとマウアはほぼ正三角形で結べる地点にあります。何らかの交流があったと考えてもあながち間違いではないように思います。果てしなく想像が膨らみます。





 教会の貴重なパンフレットです。
 帰りはバスがなく、地元のある家族にタクシーを呼んでもらって帰りました。