後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔536〕後期ゴシック彫刻を歩く〔番外編〕⑲ ヴュルツブルクの駅前に反ナチスのモニュメントが設置されていました。

2022年11月18日 | 美術鑑賞
  9月21日(水)、ドイツの臍のアイゼナハからリーメンシュナイダーの聖地とも言えるヴュルツブルクまで2時間半かけて戻ってきました。ドイツの中でヴュルツブルクは私たちが最も訪れた町です。駅前のホテル・レギーナは定宿でしたが、久しぶりに宿泊しました。いつもは狭い部屋に辟易していたのですが、今回は最上階で眺めも良く広々としていて満足でした。

  駅を降りて、今までになかったモニュメントに出合いました。4枚のパネルにその由来が書かれているのですが、緑の解説によると、ナチスの犯罪を可視化したもののようです。
 ユダヤの民が持っていたであろう鞄やリュックなどの造形がコンクリートや石で設置されています。戦争犯罪を今も問い続けるドイツの姿勢に、我が国の戦争責任の認識の甘さを顧みざるを得ませんでした。










〔535〕西崎典子さんの熟読したい「憲法審査会ウオッチング」最新報告です。

2022年11月18日 | メール・便り・ミニコミ
西崎よりBCCでお送りします。

210臨時国会で初の参院審査会が11.9に開かれました。

■〔議題〕憲法に対する考え方についての意見交換として、各自が選んだテーマで意見を述べました。

衆院に比べると、テーマはばらけ、特定の憲法9条や緊急事態条項への集中はなし。

翌週の16日は審査会は開催されず、今の毎週開催をせかす衆院よりは落ち着いています。


■主な発言より

〇小西洋之 立憲 未定稿p.3上~下

「旧統一教会、国葬をめぐる問題は、法の支配、立憲主義の逸脱のあしき例であり、

我が会派として本審査会での徹底した調査審議を求める」。


「自民党の改憲案や改憲運動そのものが旧統一教会の影響を受けたものではないのか、

同性婚などのLGBTの権利擁護や、家族や教育政策の在り方がゆがめられていないのかなど、

極めて深刻かつ多岐にわたる旧統一教会をめぐる憲法問題を指摘します」


「衆院での国会議員の任期延長の改憲議論については、国会法及び公選法の改正によって、

改憲によらずに法律で解決できると考える」

「我が会派は、当然に国民投票法附則四条のCM、広告規制の法改正も求めます」

 

○福島みずほ 立憲・社民p.17下

「統一教会は様々なジェンダー平等政策が進むことを止めてきました」。


「山谷えり子議員にお聞きしたい。

 第二次男女共同参画基本計画においてジェンダーという言葉を使わせないように

チェックしたのか、どのように関与されたのか。推薦確認書を交わしたことがあるか。

性教育やジェンダー平等教育、選択的夫婦別姓、同性婚について、

統一教会構成団体と意見交換、講演、議論をされたことはあるのか」


(5分の持ち時間を超えての質問となる。会長の差配なし。回答はなし)。

■国葬、統一教会関連では、他に3議員が注文をつけ審議を求めた。

 

○山本太郎 れいわ p.26中

「憲法改正は、立法府が取り組むべき優先順位としてかなり低いものである。

逆に、命や暮らしが脅かされる事態が存在し、

生存権や幸福追求権が脅かされ続けている」

(注、いつものように指標や統計の数字を駆使して説明しました)

 

■合区について3人が意見を述べた。

〇西田実仁 公明

 ○安江伸夫 公明

〇牧野たかお 自民


〇大塚耕平 国民民主 p.7中

「緊急事態に直面し、選挙ができない場合を想定し、議員任期の特例延長を認める

規定の創設について議論すべきと考える」

 (注、衆院と異なり、議員任期延長について述べたのはこの議員ひとり)。


■憲法前文についての2名の意見⇩

〇浅尾敬一郎 自民 p.25下

「【平和を愛する諸国民の公正と信義】の中に、ロシアや北朝鮮が含まれるのか

どうかと考えると、様々な議論をして正しい憲法に変えていくのが当然のことではないかと思います。

 

〇松川るい  自民p.22下

「自分の国は自分で守る、その観点からは、前文の【平和を愛する諸国民の公正と正義に信頼して、

我らの安全と生存を保持しようと決意した】。

これは、他者に自国の生存を依存するという主権国家として恥ずべき規定、記述であり、

削除、改定が何としても必要である」。

(注、元外務官僚の議員。経歴からは思いもよらない意見)。

 

■以下、前文についての松川るい議員の陳述を小西議員が痛烈に批判し、松川るい議員が釈明する。

○小西洋之 p.25下

 (注、堂々と論を張り、改憲側を牽制します。是非、文書と画面でご覧ください)

「(略)なので、9条に自衛隊を明記するとこの分離解釈は壊れるわけです」。

「にもかかわらず、自民党の皆さんは、いや、自衛隊明記改憲は、

従来の政府の九条解釈は変えませんって言っているんですが、はっきり言います、

うそを言っているわけでございます」と断じ、


「まともな憲法議論のためには、憲法のことを勉強してから

政府解釈、憲法審査会をお願いしたい」と述べ、


「先ほど松川先生がおっしゃった、【諸国民の、平和、公正と信義に信頼して】、

このことについては何回もこの場で議論しているが、諸国民であって、

北朝鮮やロシアという国家権力を信頼しろとは言っていない。

国民なんです。そして、この言葉の前には、【人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚し…】。

この言葉の意味について、岸田総理はさきの通常国会において、

ロシアの侵略には全世界の国民が反対し、命の尊厳を思う声を上げている、

そのすべての行為が憲法前文に示されていると言っています」。


「皆さん、自民党総裁の、総理の憲法前文の解釈を否定するんでしょうか。

 ですので、松川さん、松川さんは今の御意見を平成28年、平成30年、二回にわたっています。

そして、平成30年には白眞勲先生、28年は私が今のことを説明しています。

憲法の議論を求めるなら、真剣に憲法に向き合って、申し訳ありません、

もう言わせてください、憲法をちゃんと勉強してから憲法審査会の開催を求めていただきたいと

野党筆頭幹事として申し上げなければいけません」

 

○松川るいp.27下

 「小西委員から私の発言についてかなり長い言及がございましたので、

私からも御説明を差し上げます。 二回も三回も同じ発言をしていると御指摘あったとおり、

同じ主張をしております。憲法前文は素直な理解が必要で、諸国じゃなくて諸国民だから

いいということではございません。北朝鮮に頼るのは駄目だが、

北朝鮮人だったらいいというのではない。自分の国は自分で守る、

自分の国の生存を保持する、そのことを他者に依存する、その態度が良くないということを

申し上げているわけです」。              以上