後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔194〕東海第二原発再稼働反対運動は燎原の火のごとく広がっています。

2018年10月19日 | 市民運動
  原子力規制委員会は東海第二原発再稼働に意欲的で、11月までに運転期間延長を認可しようとしています。地図を見てみれば、東海第二原発は東京まで100キロという距離にあります。そしてなんと、30キロ圏内には96万人が住んでいます。いわゆる首都圏は原発から200キロ圏内に入るのです。さらに、その原子炉は福島第一原発と同じもので、稼働40年を目前にしているのです。(とめよう!東海第二原発 首都圏連絡会のパンフ参照)
 こんな原発を再稼働させてよいわけがありません。清瀬・くらしと平和の会、清瀬・憲法九条を守る会では月2回、清瀬駅で街頭演説、再稼働反対署名を開始しました。心ある市民が足を止めて署名に応じてくれています。  
 
 さらに、清瀬市議会に仲間の一人が請願を提出しました。実に説得ある丁寧な書きぶりではないでしょうか。ところが、私たちが外遊中の9月28日の本会議で、9対10で不採択になったのです。(賛成は風・生活者ネット4,共産4,共に生きる1,反対は自民クラブ7,公明3)公明党議員は他市の同趣旨の請願に対して賛成に回っていることも見聞きします。そもそも公明党は平和と福祉の党ではなかったのでしょうか。
 今回のこの請願になぜ反対できるのか理解不能ですが、じっくり読んでいただければと思います。




東海第二原発の運転延長の反対を求める請願

    紹介議員  ふせ由女       

〔請願の趣旨〕

 首都圏住民の命と安全を守るために、40年を超える東海第二原発の運転延長を認めないことを求めます。

〔請願の理由〕

 日本原子力発電株式会社は昨年11月、東海第二原発について、あろうことか法律で定められた原子力発電所の運転期間40年を超えて、さらに20年もの運転延長を原子力規制委員会に申請しました。
 東海第 二原発は、周囲に人口が密集する「首都圏原発」で、30km圏内には96万人が居住しています(「とめよう!東海第二原発首都圏連絡会」より)。ちなみに、2011年3月11日当時の福島第一原発30km圏内の人口は約21万人でした(「福島県ホームページ」より)。首都圏は約200km圏内、東京圏は約100km圏内に位置する東海第二原発は、耐震基準がとても甘かった40年前の古い設計のもとに建設されました。その内部には可燃性ケーブルが全長1400kmのうち85%も使用されていて、かつてケーブルの延焼によって発生した米国のブラウンズフェリー原発の大火災事故を再現しかねない「脆弱原発」で、そのうえ、2011年の東日本大震災で被災し、外部電源が喪失した「老朽原発」でもあります。そのわずか2.8kmのところには、六ヶ所村の1.6倍もの高レベル放射性廃液を多量に保管している再処理工場があり、廃炉中の東海原発は言うに及ばず、点在する数々の原子力関連施設には、30万個以上の低レベル廃棄物(固体)も保管されています。くわえてこの原発は、運転30年以降、トラブルを多発しているそうで、法令届出トラブルがとび抜けて多いと言われています。
 このようなところでひとたび事故が起これば複合大災害になることは、想像に難くありません。風向きによっては3時間くらいで首都圏に到達してしまう、という推測もあります。この原発から福島第一原発までは約170kmあり、その近さを考えると、多重複合事故の可能性も否定できません。収束の目処も立たない福島第一原発事故で、避難を余儀なくされ苦しんでおられる数万人の方々のことや、劣悪な環境のもとに命を削りながら働いておられる原発作業員の方々のことを、私たちはけっして忘れてはならないと思います。もしも、この福島第一原発事故を上回ることが予想される東海第二原発の事故が実際に起こってしまった場合、私たちは未来の世代に償いようのない負の遺産をさらに遺すことになってしまうでしょう。同じ過ちを繰り返してはなりません。
 東海第二原発は、清瀬からたった120kmほどの距離にあります。その動向をめぐっては、市民の一人としてけっして無視することはできません。どうか、これらのことを深く念頭に置かれ、20年の運転延長に反対する決議を行ってくださいますよう、お願いいたします。

2018年8月29日
清瀬市議会議長
西畑春政 様

清瀬・くらしと平和の会 溜口郁子

 
 わずか1票の差で清瀬市の請願は不採択になりましたが、かなり多くの市で同趣旨の請願が採択されています。まさに原発再稼働反対運動は燎原の火のごとく燃え広がっています。


 

■とめよう!東海第二原発 首都圏連絡会(HPより)

《東海第二原発再稼働をめぐり採択された意見書及び決議》

■茨城県

水戸市「東海第二原子力発電所の住民理解のない再稼働を認めないことを求める意見書」

土浦市「東海第2原発の再稼働中止と廃炉を求める意見書」「日本原子力発電東海第二原発の再稼動を断念し廃炉を求める決議」

石岡市「運転期間40年を迎える原電東海第二発電所の運転期間延長を行わないことを求める意見書」

龍ケ崎市「運転開始から 40 年を超える東海第二原発の運転期間延長を行わないことを求める意見書」

下妻市「日本原電に対して、東海第二原発の運転期間20年延長の申請をしないように求める行動を要請する意見書」

取手市「東海第2原発の廃炉を求める意見書」

牛久市「まもなく40年を迎える東海第2原発の20年延長の申請をしないように求める意見書」

鹿嶋市「運転開始から40年を超えた東海第二発電所の運転期間延長を行わないことを求める意見書」

守谷市「東海第2原発の廃炉を求める意見書」

桜川市「東海第二原発の「20年延長申請」に反対する意見書」

つくばみらい市「まもなく40年を迎える東海第二原発の20年延長の申請をしないよう働きかけることを求める意見書」

北茨城市「東海第二原発の廃炉を求める意見書」

高萩市「東海第2原発の廃炉を求める意見書」

笠間市「東海第二原発の「安全協定見直し」に関する意見書 」

つくば市「東海第二原子力発電所の廃炉を求める意見書」 「東海第二原子力発電所の再稼動を認めないことを求める意見書」

筑西市「東海第二原発の廃炉を求める意見書」

古河市「東海第2原発の廃炉を求める意見書 」

常総市「東海発電所及び東海第二発電所の安全性確保と廃炉を求める意見書」

常陸太田市「東海第二原子力発電所の20年延長稼働に反対する意見書」の採択を求める請願

小美玉市「東海第二原発の廃炉を求める請願」

結城市「東海第二原発の廃炉を求める意見書」

阿見町「東海第二原発の廃炉を求める決議」

八千代町「東海第二原子力発電所の廃炉を求める意見書」

茨城町「運転開始から9年を超えた東海第二発電所の運転期間延長を行わないことを求める意見書」

五霞町「まもなく40年を迎える東海第二原発の20年延長の申請をしないよう働きかけることを求める意見書」

境町「まもなく40年を迎える東海第二原発の20年延長の申請をしないように求める意見書」

利根町「まもなく40年を迎える東海第二発電所の20年延長の申請をしないよう働きかけることを求める意見書」

美浦村「東海第二原発の廃炉を求める意見書」

常陸大宮市「東海第二原発の住民同意のない再稼働に反対する意見書」





茨城県の意見書等に関する新聞記事

茨城新聞 「東海第2原発 17市町村「延長反対」 議会意見書」(2017年11月1日)

茨城新聞 「東海第2再稼働「反対」 水戸市議会が意見書可決」(2018年6月20日)

東京新聞 「東海第二再稼働の反対意見書 常陸大宮市議会も可決」(2018年9月28日)





■東京都

西東京市 「東海第二原発の運転延長を行わないことを求める請願」(2018年9月)



■千葉県

流山市  「東海第2原発の廃炉を求める意見書」(2011年12月)

野田市  「東海第二原発の廃炉を求める意見書」(2012年3月)

我孫子市 「東海第二原子力発電所の廃炉を求める意見書」(2012年9月)

     「東海第二原発の運転期間延長を行わないことを求める意見書」(2018年3月)

銚子市「東海第2原発の再稼働と運転期間延長を認めないことを求める意見書について」(2018年6月)

多古町「東海第二原子力発電所の再稼働と運転期間の延長を認めないことを求める意見書」(2018年6月)

成田市「東海第2原発の再稼働及び運転延長を認めないことを国に求める意見書」(2018年6月)



栃木県

那須塩原市「東海第二発電所の稼働延長を認めない意見書の提出について」(2018年6月)

那珂川町「東海第二原発の稼働延長を認めない意見書」(2018年6月)

茂木町「運転開始から40年を迎える東海第二原子力発電所の再稼働を認めず、廃炉を求める意見書」(2018年6月)

益子町「運転開始から40年を超える東海第二原子力発電所の運転期間延長に反対する意見書」(2018年6月)

市貝町「東海第二原発の運転期間延長に反対する請願」(2018年9月)

芳賀町「東海第二原発の稼動延長を認めない意見書の提出を求める陳情」(2018年9月)

真岡市「東海第二原発の運転期間延長に関する請願」(2018年9月)



■埼玉県

鳩山町「老朽化した東海第二原発の運転期間延長を行わないことを求める意見書案について」(2018年9月)

吉見町「老朽化した東海第二原発の運転期問延長させないことを国に求める請願」(2018年9月)

草加市「東海第二原子力発電所の住民理解のない再稼働を認めないことを求める意見書」(2018年9月)

吉川市「東海第二原発の再稼動は認めない意見書」(2018年9月)

東松山市「老朽化した東海第二原発の運転期間延長させないことを求める意見書」(2018年9月)

富士見市「東海第二原発の運転期間延長を行わないことを求める意見書」(2018年9月)

熊谷市「老朽化した東海第二原発の運転期間の延長をさせないことを国に求めることに関する請願」(2018年9月)

志木市「老朽化した東海第二原発の運転期延長させないことを国に求める請願」(2018年9月)

越谷市「老朽化した東海第二原発の運転期間延長をさせないよう国に意見書の提出を求める件」(2018年9月)

新座市「東海第二原発の延長運転を行なわないよう国に求める意見書」(2018年9月)

久喜市「東海第二原子力発電所の運転期間を延長しないことを求める意見書」(2018年9月)


 
 最後に鎌田慧さんのコラムを読んでください。


◆ブラックアウト
  次の(原発)事故がおきたならわたしたちの居場所は無い
      鎌田 慧(ルポライター)

 太陽光エネルギーを抑圧して原発稼働を優先させる。九州電力の決定である。
「危険第一。安全第二」。このアベコベ政策は安倍首相、世耕経産相による時代
錯誤。原発猛進政策に従う、九電経営者の無責任経営だ。
 戦争解禁を狙う憲法九条改悪も危険第一主義。それにむけたイージスアショア
やオスプレイの爆買いは、アメリカ軍需会社への大盤振る舞い。
 庶民のカネを巻き上げるカジノ公認は、トランプ大統領「腹心の友・ラスベガ
スサンズ」の差し金。アメリカによるアメリカのための政治は、もううんざり、
という声が地に満ちてきた。
 沖縄・玉城デニー知事初登庁のインタビューで那覇に行った帰り、台風で飛行
機が欠航。続けて札幌の「さようなら原発集会」も台風で、野外集会とパレード
が中止。北海道は全道ブラックアウトという異常事態。それを利用して、泊原発
が稼働していれば停電がなかったという、フェイクニュースが出まわった。
 「次の事故がおきたならわたしたちの居場所は無い」というのが、札幌集会の
スローガンだった。
 ブラックアウト対策には、本州からの電源ケーブルの増設。自然(再生可能)エ
ネルギー発電のための送電線網の速やかな開放などがある。
 「次の戦争がおきたならわたしたちの居場所は無い」。
 それがミサイル戦争時代のスローガンだ。

       (10月16日東京新聞朝刊25面「本音のコラム」より)


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