後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔488〕「壊憲政治は、戦争への道」(コンパス21)は投票前に読んで欲しい冊子です。

2022年07月02日 | 図書案内
 1週間前にあった「清瀬・憲法九条を守る会」の例会は192回目でした。特別ゲストとして、新社会党委員長・岡崎宏美さん、参議院選挙比例区出馬の岡崎彩子さんを交えての拡大版「清憲」という感じでいつもより多い20名の参加でした。
 ところで、あらためて九条の会の歴史について調べてみてびっくりしました。最初に結成されたのは日本ではなく、1991年の湾岸戦争時、アメリカでチャールズ・オーバービーさんが創設したのでした。日本国憲法九条の優位性を認め、その精神を世界中に広めたいという彼の願いが発端でした。改めて思い出した次第です。
 1993年、日本で最初の九条の会は名古屋で設立されたのですね。
 2004年、九条の会が全国組織になります。小田実、鶴見俊輔、澤地久枝などそうそうたる知識人、運動家9人が代表に名を連ねます。
 清瀬では2005年、布施・佐藤・篠原各氏が設立します。当時、清瀬・九条の会が存在していたため別組織として清瀬・憲法九条を守る会がつくられました。私は2回目から参加し続けています。今年で17年目ということになりました。



 その会で、1冊の本をいただきました。「壊憲政治は、戦争への道」(コンパス21)です。今年3月に発行された82頁、880円の読みやすい冊子です。現在の日本の政治や社会を俯瞰でき、参議院選挙の投票に参考になるものです。一読をお勧めします。。
*連絡先:コンパス21刊行委員会
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-10 三辰工業ビル3F
電話 03-6380-9960

◆「沈思実行」(103)
  続・裏切られた少女の希い
  沖縄の平和を抜きにして憲法第9条は存立しえない
                     鎌田 慧

 ロシアのウクライナ侵略を背景にした、バイデン・岸田会談。岸田
首相は、日本の防衛費をさらにふやして、防衛力を抜本的に強化すると
誓った。会談の主要なテーマが日米軍事同盟の強化だった。
 岸田首相が「敵基地攻撃能力の保有」をふくめて、「あらゆる選択肢を
検討する決意」を述べると、バイデン大統領は「強く支持する」と応じた。

 会談後の記者会見で、中国が台湾に侵攻した場合に、米軍が軍事的に
関与するかどうか、と記者団から質問され「イエス。それが我々のコミッ
トメント(誓約)だ」と答えた。
 さすがに、安倍元首相が主張する「核共有」の方針は確認されなかった
ようだが、軍拡強化から戦争へと進むのを容認する首脳会談だった。
 ウクライナのゼレンスキー大統領が、「ウクライナがNATOに加盟し
ていれば、ロシアの侵攻はなかった。それが歴史的失敗」と言ったのを受
けて、これから戦争危機?軍備増強論が横行しそうだ。

 会談後の共同声明に、権威づけとして、沖縄辺野古の新基地建設が言
及されている。これらの報道を読みながら、わたしは沖縄出身の歴史学者・
新崎盛暉さんの「沖縄を米軍政下に置いている不条理がいわゆる『平和憲
法』の成立と結びついている」(『わたしの沖縄現代史』岩波現代文庫)
との指摘を想い起こしていた。
 「非武装国家日本」が「アメリカの目下の同盟国」へ、「沖縄の分離独
立支配」が「沖縄の日米同盟の軍事拠点化」と実質的に変化する「構造的
差別」を、新崎さんは鋭く批判していた。

 全島米軍基地といっていいほどの、沖縄の大いなる犠牲と苦悩にはまっ
たく無頓着に、本土のわたしたちは平和を謳歌してきた。
 そしてさらにいま「台湾危機は日本危機」と言い募りながら、その犠牲
を奄美群島、沖縄本島、宮古島、石垣島、与那国島に押しつけようとして
いる。自衛隊とミサイルを配置しての要塞化である。
 沖縄の平和を抜きにして憲法9条は存立しえない。
 憲法9条が沖縄に適用されないかぎり、日本の平和はない。
         (6月8日発行、週刊「新社会」8面より)

最新の画像もっと見る