前回は「道徳の教科化に反対するの陳情書」が何とかこのブログで世間の目に触れましたが、今回は連れ合いが清瀬・憲法九条を守る会を代表して同じ日に提出した「原発の再稼働に反対する意見表明についての陳情」です。こちらも清瀬市のホームページでは全く掲載もされず、その提案趣旨も紹介されない現状があります。残念ながら委員会や本会議で「少数否決」されてしまったのですが、その内容について読者のみなさんにお知らせする次第です。
まあ、それにしても、二つの陳情が通らない清瀬市議会の現状を憂います。数年前ならその議会構成から通ったと思うのですが。実は私たちの清瀬・憲法九条を守る会では特定秘密法案批判の陳情を提出していますが、この議会では扱われませんでした。今地方議会で何が進行しているのか、草の根右翼が登場してきていることをどこかで書きたいと思います。
原発の再稼働に反対する意見表明についての陳情
陳情の趣旨
現在、安倍政権は原発の再稼働を一刻も早く進めようとしています。しかし、私たち「清瀬・憲法九条を守る会」の会員は福島原発事故以来、原発の危険性を痛感し、全ての原発を廃炉にして再生可能エネルギーに切り替えるべきだと考えています。従って、福島原発事故が現在進行中であるにもかかわらずこのような再稼働をするべきではないと、貴市議会として意見表明し、国に対して要請することを求めます。
理由
清瀬市議会は、1982年(昭和57年)9月29日に以下のような非核宣言を行いました。
「世界の恒久平和は、人類共通の願いである。 我々は、世界で唯一の被爆国民として、被爆の恐ろしさ、被爆者の苦しみを、声を大にし て全世界の人々に訴え、再び「広島」・「長崎」のあの惨禍を繰り返させてはならない。我々は、非核三原則(造らず、持たず、持ち込ませず)が完全に守られることを願い、すべての核保有国に対し、核兵器の廃絶と軍縮を求め、いかなる国の、いかなる核兵器も、わが清瀬市内に配備・貯蔵することはもとより、配備訓練、空中輸送、核部隊の通過も許さない。
我々は、核攻撃の目標となるおそれのある施設の撤去に努め、いかなる理由があろうとも、新たに設けることを認めず、疑わしき施設の実態把握と公表に努めることを宣言する。」
私たちは、32年前のこの非核宣言を清瀬市民として大変誇りに思っています。しかし、現状はどうでしょうか。「広島」「長崎」に続いて「第五福竜丸」、「福島原発」と、水爆実験、および原発事故による悲惨な被爆が続いてしまいました。
現在日本各地に散らばる54基の原発は、核攻撃の立派な目標となり、福島原発からは事故の3年後となる今もまだ、放射性物質が空気中にも水中にも放出されています。東海原発、浜岡原発に何か異常が起きれば今以上の大きな脅威が東京都に住む私たちに降りかかってくることは明らかです。川内原発だから大丈夫ということでもなく、これ以上の日本および世界の人々の被爆を防ぐために、すべての原発の再稼働を許すべきではありません。例え事故が起きなくとも、再稼働によって放射性物質はますます増え、しかもその処理技術も定まっていない中で、この国に生きるすべての人々の「被爆」の可能性は格段に高まるからです。
今後はまず、福島から避難せざるを得なかった人々が生きていく希望を見いだせるように生活を保障し、被爆に対する検診体制と医療保障を整えること、それと並行して福島原発を第一号として原発廃炉技術を確立し、新しい、しかも世界に誇れる産業としていくことが大切だと考えます。
以上の考えから、貴市議会として、国に対し「原発の再稼働に反対する意見表明」を行っていただくよう要請いたします。
2014年5月19日
清瀬市議会議長
粕谷いさむ 様
清瀬・憲法九条を守る会
福田緑