7月19日 きゅうり封じ 蓮華寺ほか
きゅうり封じとは、土用の丑の日の前後に行われる厄除けの行事だ。
祇園祭同様、この暑さが始まる時期には、病除け、厄除け、怨霊退散の行事が目白押しである。衛生観念の無かった古代には、ただただ神や仏にその願いを託した。仏教では特に「祈祷」を重視する真言宗にそのような行事が多い。
きゅうりは、特に栄養価が高く疫病退散の効果もあると信じられていて、空海が一切衆生病苦・悪業の根を断ち切って病気からのがれ、長生きし安楽に往生できるように願いを込めて行われた秘法が始まりだった。蓮華寺においては20日の土用丑の日には今でも秘法厳業の日となっている。
庶民は、キュウリに名前や年齢を記入し真言経を唱えながら体の悪い部分をなでる。その後土に埋めるか川に流すかで治癒すると言われる。
ごく簡単な行事である。
因みに、祇園祭ではキュウリは食べない。八坂の神文がきゅうりの断面に似ている事から、遠慮するのだそうだ。この時期京都市民はきゅうりをあらゆる場面で崇拝する。(食べるの食べないの??)
やっぱり土用の丑は、「鰻」で決まりだろう。
蓮華寺は右京区の御室にある真言宗の寺院である。他に天台宗にも蓮華寺があり混同しやすい。(こちらは江戸時代加賀前田藩の今枝民部が再建した事で有名だ。)
他にきゅうり封じのある真言宗の寺では、神光院が有名だ。神光院は、太田垣連月の歌碑でも有名である。