7月25日の行事をもう一つ書く。
真如堂(真正極楽寺)虫払定(むしはらいのさだめ)
真如堂は1000年以上の歴史を持つ天台宗の寺院だ。特に女性からの信仰が篤く、不断念仏の道場として庶民の崇敬を得ていた。京都の寺院はほとんど応仁の乱で焼失し、秀吉の政策で場所を変えるが、真如堂もその典型である。現在の地に落ち着くのは江戸時代元禄の世である。五重塔を含め当時の建造物である。
御本尊は立像である。写真はない。
「うなずきの阿弥陀」と呼ばれる御本尊は、慈覚大師円仁が、一彫りごとに3度拝んで彫ったもので、「比叡山の修行者の本尊となりたまえ」と言えば首を横に振り、「では京の都に下って、一切衆生をお救い下さい。中でも女人等を救いたまえ」と言えば3度うなずいたと言う。
重森三玲高利の墓
また、三井高利を祖とする三井家の菩提寺である。三井の井桁の紋があるお堂がある。
紅葉の名所で、隣の金戒光明寺から一帯は多くのひとが訪れる。
さて、虫払定。大徳寺では「曝涼」という。一般庶民では、虫干し、虫払い、土用干し・・・・。要は梅雨の間についた害虫やばい菌を、梅雨明けのこの時期に日に晒して日光消毒するのである。しかし、これが国宝級の寺宝を持つ寺院なら、普段目に出来ないお宝を蔵から出して一般人が拝見できるチャンスになる。
神護寺の有名な「似せ絵」(伝源頼朝像など)はこの機会しか実物は見れない。
ここ真如堂では、名物びわ湯を接待してくれる。