これは面白い交通安全教習。
先日、会社で「『交通安全 動画KYT』なるものをやるので、全従業員で参加しましょう。」と言うアナウンス。
「動画KYT」のKYTとは、「危険・予知・トレーニング」の頭を取ってKYTなのだそうだ。
今までの危険予知トレーニングは、静止画を見て「どんな危険が潜んでいますか?」を見て取るやり方。
例えば運転席から見た交差点の絵が描かれていて、前方が赤信号、左のドアミラーにオートバイが写っていれば、「左折をする時に巻き込む危険がある。」と読み取れるだろう。
ところが、実際の運転は時間に応じて刻々と状況が変わる。
静止画を予知する方法は正しいけれど、ゆっくり見て観察する時間が有る。
しかし実際の運転は、その場その場で臨機応変に対応しなくてはならない。
それに対する一つの回答として作られたのが、「動画KYT」と言う物。
受講者は、自分で車を運転している気持になって、又は助手席に乗せてもらっている気持になって、画面を眺める。
自分の乗っている車は色々な場面を走る。
そこには一般道の日常的な状況が映し出され、そこを自分の車が走っていく。
そして、危険を感じた時に手元にあるリモコンのボタンを押す。
すると、教官にはどのリモコンを持っている人がどのタイミングで危険を感じたかが一目瞭然。
まずは一通り、事故が起こらないプログラムで車は走り、その中で各受講者が「危ないっ!」と思ったタイミングでボタンを押す。
それは、モデルとなる車が走っているタイムチャートに全部記録され、受講者が危険を感じた場所で静止画として止めることもできる。
例えば、Aさんが「危険」と感じた場面をBさんが危険と感じなかったとしても、危険と感じた場面を見ながらその理由をAさんに聞くことで、Bさんが感じなかった潜在的な危険をBさんに教えてあげる事ができる。
教官が「○○番のリモコンを持っている方、何故ここで危険を感じたのですか?」と質問してくるから、それを答えることで危険と感じていない他の受講者にそれを知らせる事ができるわけね。
さて、では私の場合は、と言うと、ゲーマー魂が出てきてしまい「このプログラマーが何処で事故を起こすつもりなのか、全部見抜いてやろう」なんて考えが出てきてしまったものだから、走り始めの頃は交差点で相手が完全に止まっていてもボタンを押す始末(苦笑)
結局、プログラマーが想定した事故を起こすポイントの手前で、一つを除いて全部ボタンを押していた。
その一つは駐車中の大型車のドアが、こちらが通り過ぎようとする時にいきなり開いたもので、私自身はドアが開いたことに気が付かなかった。
(だって、画面の左上の方に大型車の運転席が隠れる頃にドアを開けたのだから・・・。何故事故がおきたのかわからない状況でした 汗)
でも、これは一般的に想定される事故で、実際の状況で私が走っていれば、このタイミングでは避けられなかったかも・・・。
で、他の色々な人が危険を感じた場所を取り上げて説明を受けると、「あ、成る程、ここで気が付いているのか。」とか、「自分もこれは見えていたよ。」とか、かなり経験の差で危険予知の差が出ていても、これを集団で実施する事でその差を埋める良い機会になりそう。
また、「こんな場所で何でこんな運転をするの!?」と思えるような事故が有ります。
でも、相手方の心理が意外と理解できるパターンで、この事故はプログラムされているのね。
(相手方の視点でこちらを見る事もできるのです。すると、相手方の「このタイミングでこの行動」は、自分で絶対やらないパターンとは言えないケースなのでした。)
唯一許せない事故例は、交差点での右折事故例
前方の大型車が右折。
後続の私がゆっくり直進したら、大型車の陰のかなり右側(つまり、反対車線からすると左寄り)から急に右折して私の前に飛び出して来たオートバイ。
全然減速する気も無く回避行動を取るそぶりも無く、物の見事に突っ込んできたので、思わず「このやろ~っっ!」と(笑)
しかも、運転席からはオートバイが見えていない位置でも、オートバイからはこちらの左半分が見えているのです。
そこで加速して突っ込んできました。
まさに自殺行為です(苦笑)。
さて、この教習が終わって帰り道、「この道をあのプログラムと仮定して運転してみたら・・・・」と思いながらも、やはり「プログラマーの裏をかいてやろう。」なんて言う気持にはなかなかなれず・・・・(笑)
(この世の中のプログラマーって、「神様」ですか?)
でも、「ありえない」はずのところで動物の飛び出しとか有りますからね。
「神様がプログラマー」とすると、かなり意地が悪いかも(^_^;)
「神様が自分に事故予知できるかどうか狙っているぞ。」なんて言う気持で常に運転していれば、かなりの確率で事故は防げるかな? と思いました。
これ、ゲームが好きな世代には、事故防止の教育に役立つかな? とも思いましたw
コメント
- LUXEL [2008年10月12日 23:46]
- こんばんは(〃▽〃)ノ
動画KYT。。。なるほど、運転シュミレーターとはまた違った危険予測システムのようですね。
この動画は、「危ないっ」と思った時にスイッチを押すようなシステムが採り入れられているみたいで、反射神経も働かせる必要があるのかなと勝手に連想しました。
事故で一番多いケースは、クルマ対クルマで言いますと、側面と正面の衝突が多いと言われているらしいです。
私は過去に同乗によるものですが、このような事故を経験しています。
うちのフィールダーくんを運転している時に、右ピラーの視界が非常に悪いので、バイクや自転車、歩行者の動きに注意して走るようにしています。
このシュミレーター、教習所に採り入れたら、凄く良いと思いました。 - EP82-SW20 [2008年10月13日 22:16]
>LUXELさん、こんばんは。 コメントありがとうございますw
反射神経はかなり重要ですね。
一般ドライバーのレベルですと、危険を感じてからブレーキを踏むまでの反応速度は0.5秒くらい掛かるそうです。
60km/hで走行している場合、8mは走ってしまうことになりますからね。
フィールダーもAピラーが太いのですね、多分。
私のシエンタもかなり太くて、右側は首振りしてピラーから先を見て、安全確認してますよ(^_^;)。- おぺ [2008年10月14日 0:09]
- こんばんは、おぺです。
このKYTはEP82-SW20さんがご指摘のように、とても有効だと感じました。自分の運転は至って常識的だと思っていても、人によって、相手方から見て同様とは限りませんからね。時間軸を加えた判断というのもとても大事な要素です。
潜在する危険に対して、いかに余裕をもって的確な判断ができるかというのは、日頃からの意識やトレーニングが必要だと思います。 - EP82-SW20 [2008年10月14日 22:28]
>おぺさん、こんばんは。 コメントありがとうございますw
今回初体験だったのですけど、かなり新鮮で楽しめましたよw
危険を認識する違いの個人差、私は比較的早めに気が付くほうでしたけど、更に「ここであの影にいた車を見つける人もいるのか!」とか、反対に私が感じている危険を感じていない人(車が走っているタイムチャート上にボタンを押した表示がされていない人)もいて、「この人、ぶっついているよなぁ・・・」という事もありましたね。
危険認識の共有ができるから、かなり良い取り組みだと感じましたよw
あなたのブログにコメント投稿されたものです。