今日たまたま仕事で運転中にラジオを聞いていた部分、思わず「えっ!?」と思ったので、NHKの聞き逃しサービスを聞いてみた。
→ 聞き逃しサービス(配信期限10月27日(水)午後2時55分まで)
全盲の人が美術館で美術鑑賞をする、と言う話で、その人がゲストの一人の白鳥さんと言う方。
「えっ、見えないでしょ? どうやって鑑賞するの?」って、思わず引き込まれ、聞ける部分だけ聞き入ってました。
結局全部聞けずに、改めて聞き逃しサービスを聞いてます。
残り時間45分くらいのところから、その全盲の人がどういうきっかけで美術館に行くことになったかを話してくれています。
きっかけは、デートらしいですw
その後、それがきっかけで、「全盲の自分でも説明を受ける事で、自分一人でも美術鑑賞ができるのではないか」と思ったそうです。
残り時間40分あたりから、彼が一人で美術館に行く過程の説明に入ります。
因みに、20年以上前の話なのでインターネット検索が今の様にできず、雑誌で調べる時代。
友人にどんな展示品が有るかを読んでもらって知り、美術館に事前連絡したのだそうです。
「自分は全盲なのだけど展覧会を鑑賞したいので、どなたか一緒に展示室を歩いてほしい。専門的な説明や作品に触るのは無くて良いので、作品の印象とか感想を話してもらうだけで構わないから、お願いします!」と頼んだそうです。
バリアフリーが進んでいない20年以上も前の話。
当然、「そのようなサービスは行っていません。」と最初は断られたそうです。
ここで彼の考え方とその姿勢、これが私の感じ入ったところです。
「僕としては断られるのは予め想定済みだったので、『サービスが無いとしても、それを何とかお願いします。』」と頼んだそうです。
「そうすると、『電話を折り返します。』と言う話になって、あちらも考えてくれて、許可を貰えました。」と言うのね。
いや、これ、熱意ですよね。それを相手に感じ取って貰ったから、相手が協力してくれたわけですよ。
最初は断られるってわかっていたから、自分の気持ちを伝える手段を考えていたわけですよ。
(それはそうですよね、物が見えない人が美術鑑賞するって、美術館側も戸惑うでしょ。「からかっているの?」って思われても仕方ないですもんね。)
この話を聞いてね、昨今何かとすぐに「差別だー、不平等だー」って騒ぐ人達がいるけどさ、この場合、彼が最初に「それって障害者差別ですよね。」なんて返していたら、どうでしょうね?
今だったら通じるかもしれないけど、当時だったら、「サービスは行っていません。」ってピシゃっと門戸を閉じられて、多分それでおしまい。
だって、「障害者差別ですよね。」と言う言葉の中に「美術品がどんな作品なのか感じたい。」という熱意なんて皆無ですから。
結果彼は美術を鑑賞する機会を得る事が今でもできず、今よりも不満足な人生を送る事になった、そう思いますよ。
この白鳥さんの話を聞いていると「心が豊かな人」と言う印象を受け、全盲と言うハンデがある様には感じないですね。
人それぞれだとは思いますが、「差別だー、不平等だー」とすぐ騒ぐ前に、まずは「なぜ自分がこの様にお願いしているのか」を誠実に伝え相手に理解してもらう事が大切ではないでしょうか。
今回のこのお話、とても参考になりましたw
因みに、白鳥健二さんの事が紹介されているページはこちら。