大型車は一般乗用車に比べ頑丈、それは正しい。
何故なら、たかだか総重量1~2トンの乗用車は、支える重さがそれだけ。
(それだけ、って言っても、人間の重さに比べれば、相当重いけどね・・・)
大型車、しかもトラックともなると、総重量は24トンまで。
大型トレーラーともなれば、30トン以上の重さを運ぶ事も有る。
仮に、30トンの荷台に向かって、24トンの大型トラックが突っ込んだ場合、どうなるか。
20トン以上の自らの積み荷の重さで、運転席はいともた易く潰されてしまう。
それがわかる事故がこちら。
【故障の情報も】停車中のトレーラーに大型トラック追突 1人死亡【兵庫・三木市】
見てお分かりの通り、運転席に生存空間は残されていない・・・。
衝突時の速度がどのくらい出ていたかわからないけど、20トン以上の積み荷を背負っているのだから、運転席なんて段ボールも同然・・・。
トラック運転手は、常に「自分の荷物に押しつぶされる危険」を背負って走っている。
(尤も、これは私が免許取り立てから5年間、バイトでトラックドライバーやっていたから肌身で感じた事だけどね)
この様な事故例を見て、トラックドライバーの皆さんは「明日は我が身」と気を引き締めて走って貰いたいと思う。
さて、この事故は午前10時頃発生。
3車線の中央で大型トレーラーが止まってしまった原因はわからないが、何らかのトラブルで停車させる場合、普通路肩に寄せる行動を取るだろう。
それができなかったという事は、駆動系が突然壊れた、と考えられる。
ただ、日中の高速道路、視界は良いはず。
追突した運転手は、何故回避行動が取れなかったのだろうか?
事故後の車の位置関係とトラックの運転席の潰れ方を見る限り、居眠りをしていたのかわからないが、ハンドルでの回避行動を取ろうとした形跡が無さそう。
ブレーキを踏むのが精一杯で、ハンドルでの回避行動を取れる時間が無かったのだろうか?
トンネル出口直後という事、事故のタイミングでの日差しの角度(この動画の時点では「日差しで眩しい」と言う位置では無さそうだが・・・)によって、トレーラーが蒸発現象で見えなかったのかもしれない。
いずれにしても、トラックが乗用車とぶつかっても勝ってしまうのは、運転席の高さと荷物を支えるだけ頑丈なフレームのお陰。
そのお陰で、積み荷のエネルギーの殆どが相手側に行くから勝っているだけであって、相手が同族なら運転席は棺桶になる。
これからトラックドライバーを目指す人達は、この事を理解して目指してもらいたいと思う。