エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

冬苺

2016年12月10日 | ポエム
ふゆいちご、である。
着地する直前のように、低い位置に実っている。

けれど、その赤い実は艶やかである。
日を返すかのような、存在感がある。

小粒であって、可愛い。
小さいと云う事の、特性であろうか。
摘んでみたくなるのは、ぼくだけだろうか。







「土に触れ小さき一粒冬苺」







葉に隠れるように、恥ずかし気な風情もまた良い。
自己主張の少なさこそが、冬苺である。

同じ苺でも、やたらと自己を自慢したがる苺とは大分違う。
大味な苺でも、しめやかなら良いのだが。
この冬苺は、小粒の中にしっかりと味わいを含めている。



       荒 野人