「ああ、あなたは美しい。わが愛する者よ。ああ、あなたは美しい。あなたの目は、ベールの向こうの鳩。髪は、ギルアデの山を下って来るやぎの群れのようだ。」(雅歌4:1新改訳)
イエス・キリストが花嫁なる教会に対して抱いておられる愛を示したことば。「ああ、あなたは美しい」と二度もくりかえして花嫁によびかけるとは驚くべきことである。▼新約聖書でこれに通じることばは、おそらくヤコブ書の一節であろう。「神が私たちのうちに住まわせた御霊は、ねたむほどに(私たちを)慕い求めておられる」(ヤコブ4:5別訳)である。人がキリストを信じて救われ、神の御霊を内に宿したということは、その人が(霊において)神の御目から見ると、特別に美しい存在になったということを意味する。信じがたいことかもしれないが事実である。▼あのベタニアのマリアは、主イエスに向かう尊敬と献身のあまり、高価なナルドの香油300グラムを全部主の御足に注ぎ、髪の毛でぬぐったので、香油の香りが部屋中に満ちたと書かれている(ヨハネ12章)。そこには、彼女の外見ではなく、心の美しさが輝き渡ったのであった。それを理解しない周囲の人たちは、「なんともったいないことを!」と怒り、マリアを非難した。しかし神が喜ばれるはなよめとはこのような心を持っている信仰者である。来るべき新天新地にあって燦然(さんぜん)と光を放つエルサレムは、すべての時代から選ばれたマリアのような人々から成る天の都なのだ。▼やがて子羊の妻たる花嫁が神のもとを出て天から降って来るそのとき、万物ははじめてキリストが感嘆しておられるわけを知るであろう。「私はまた、聖なる都、新しいエルサレムが、夫のために飾られた花嫁のように整えられて、神のみもとから、天から降って来るのを見た。」(黙示録21:2新改訳)