この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 上 (100周年書き下ろし) | |
白石 一文 | |
講談社 |
白石一文 著 : この胸に深々と突き刺さる矢を抜け (上)
を、読みました。
週刊誌“週刊時代”の編集長、カワバタタケヒコ43歳が主人公。
胃がんとの対峙、生まれたばかりの息子との早すぎる別れなど、
ひとりの人間が生きてゆくことが、どれほど淡々としたものなのか。
雑誌編集という地位から見渡した、この現代の仕組みや、社会の矛盾
などを、強烈に描いている作品。
この世に平等なんて、あり得ない。機会均等なんて嘘っぱちだ!
今に生きる人々誰もが、抱える苦悩と現実を
鋭くえぐり、訴えかけます。
幸せと、贅沢。誰も混同していないとしても、
出来ればセットになっていてほしい。そう思うのは
私だけなんだろうか??
そんな疑問が、ここにも書いてありました。
読み応えがあって、さすがの100年記念書き下ろし作品です。