唯川恵の直木賞受賞作品。
その中で、会社を辞めたOL萌と不倫中の男のやりとりの1節にこんなのが。
「どうして辞めたの?」
「あの会社は自分の居るところじゃないと思ったから」
彼は長く息を吐き出した。
「気を悪くするかもしれないけど」
「何?」
「それぐらいでやめるなんて、気楽でいいなぁと思ってね」
当然、気を悪くした。
どんなに気楽に見えても、リスクは背負っている。
辞めることは簡単でも、辞めた後は大変だ。
男はいつも耐えることを美化して、
どんなに不本意なことをやらされても今の自分に納得する。
それを責任とか、義務とかいう言葉に置き換える。
気楽という言葉を使われるなら、萌のほうこそ彼に言いたい。
「あなたこそ、辞めようと思わなくていい会社に勤められて気楽でいいわね」
萌の言い分、とてもよく分かる。
今のご時世、私の周囲でも転職を繰り返す女性が多い。
私も例に漏れず・・・なのだが。
どうも、男性の目から見ると、それらの行為が「気楽」と写るらしい。
とんでもない
何か事を起こすとなれば、とてつもないエネルギーを要する。
「今の自分を変えたい」という望みをかけて覚悟を決め、決断するのだ。
「気楽」なのは、責任や義務を言い訳にして、我慢している男性のほうなのでは?
かと言って、彼女達にはプランがあるわけではなかったりする。
結婚に逃げたり、ニートになり下がったりしてしまうかもしれない。
退職したことを後悔したりなんかもするかもしれない。
でも、決して「気楽」ではないのだ。
この辺りの男女の考え方の相違が実に上手く表現されている本だ。
唯川恵は、コバルト時代から大ファンだった作家さん。
しかし、直木賞受賞と聞いて、失礼ながら、
「意外」
なんて思ってしまいました
でも、読んでみて、納得
内容もよくできており、ドロドロしそうな人間関係、人間心理を、
実に爽やかに描いているのはさすが
この人の感性は、かぇるはとっても共感できます
読みながら、「ふむふむ、なるほど、うんうん」
なんてしきりに思ったものです。
その中で、会社を辞めたOL萌と不倫中の男のやりとりの1節にこんなのが。
「どうして辞めたの?」
「あの会社は自分の居るところじゃないと思ったから」
彼は長く息を吐き出した。
「気を悪くするかもしれないけど」
「何?」
「それぐらいでやめるなんて、気楽でいいなぁと思ってね」
当然、気を悪くした。
どんなに気楽に見えても、リスクは背負っている。
辞めることは簡単でも、辞めた後は大変だ。
男はいつも耐えることを美化して、
どんなに不本意なことをやらされても今の自分に納得する。
それを責任とか、義務とかいう言葉に置き換える。
気楽という言葉を使われるなら、萌のほうこそ彼に言いたい。
「あなたこそ、辞めようと思わなくていい会社に勤められて気楽でいいわね」
萌の言い分、とてもよく分かる。
今のご時世、私の周囲でも転職を繰り返す女性が多い。
私も例に漏れず・・・なのだが。
どうも、男性の目から見ると、それらの行為が「気楽」と写るらしい。
とんでもない
何か事を起こすとなれば、とてつもないエネルギーを要する。
「今の自分を変えたい」という望みをかけて覚悟を決め、決断するのだ。
「気楽」なのは、責任や義務を言い訳にして、我慢している男性のほうなのでは?
かと言って、彼女達にはプランがあるわけではなかったりする。
結婚に逃げたり、ニートになり下がったりしてしまうかもしれない。
退職したことを後悔したりなんかもするかもしれない。
でも、決して「気楽」ではないのだ。
この辺りの男女の考え方の相違が実に上手く表現されている本だ。
唯川恵は、コバルト時代から大ファンだった作家さん。
しかし、直木賞受賞と聞いて、失礼ながら、
「意外」
なんて思ってしまいました
でも、読んでみて、納得
内容もよくできており、ドロドロしそうな人間関係、人間心理を、
実に爽やかに描いているのはさすが
この人の感性は、かぇるはとっても共感できます
読みながら、「ふむふむ、なるほど、うんうん」
なんてしきりに思ったものです。