ミニマル君 3

2020-02-02 07:41:25 | 日記
手作りのソリは、

我が部署は、聖子ちゃんが張り切って作ってくれていた。

しかし、出来上がったソリを見た部署のみんなは唖然。。。

ベニヤ板に少し飾り付けをして、あちこちの釘がきちんと打ち込まれずに出たまま💦

上の方が大きめでかなりバランスが悪い。
それで滑ったらモレなく怪我をしそうだ…。

「本当にコレで滑るの?!💦」

「私、体育は5だったんだけど、図工は1だったのよね~❗」

「それにしても、かなりバランス悪いよね💦」

「とにかく勝ちたいから、雪と触れる面積を出来るだけ少なくしたの。」

「…だ、大丈夫?💦」

「私が乗るんだから、大丈夫よ❗」

「…………💦💦💦」

聖子ちゃんは、謎の言葉を残し、危険なソリをミニマル君達に抱えてもらい、ソリのスタートコースに向かった。



雪祭りの花形、ソリ滑りレースがはじまった。

各部署とも、かなり凝った手作りソリで颯爽と滑って来る…。

なんで聖子ちゃんにソリ作りを任せてしまったのか…、我が部署は反省しきりでレースを見守った。

「あれ?ロッジ部が先に滑って来たよ」

今までの順番だと、ロッジ部の先にゲレンデレストランが滑るハズだ…。

その後も、次々と他の部署が滑って来るが、なかなか『ゲレンデレストラン』が滑って来ない…。

「何かあったのかな?」

「むしろ、あれで滑ったら"危険"だから、"棄権"して貰ってもいいけど…」

チーフがくだらない駄洒落で爆笑している。

全部署が滑り終わった。

「何かあったんだね…きっと。棄権したのかな?」



ーーーすると、ボロボロのソリがヨレヨレになって滑り降りてくるのが見えた。

「あ、滑って来た‼」

すると、途中からバラバラに分解されて、さらに粉々になっているソリに必死につかまっているのはミニマル君だ。

「ミニマル?」

「聖子ちゃんじゃないの?」

さらにソリは、コースアウトして、林の中に入って、木に激突。

「ミニマル‼」

走り出すチーフより先に号泣した聖子ちゃんが転がるようにゲレンデを走り降りて来て、ミニマル君の側に駆け寄った。

笑顔で立ち上がるミニマル君は、額から出血して、きちんと打ち込まれない釘のせいなのか、着ている服もあちこち破けている。


聖子ちゃんが滑る予定だったのに、なぜミニマル君が滑って来たのか…。


聖子ちゃんたちがソリのスタートコースに着いた時に、雪祭りの運営の先輩たちが、そのソリを見て、『滑るの禁止』したらしいのです。

「これで滑ったら絶対怪我するよ‼️」
…と。

ゲレンデレストラン代表の聖子ちゃんは、責任を感じてしまって、その場で号泣。

全員滑り降りて、『終了』となった時、ミニマル君がいきなりソリに飛び乗り滑り出した‼️



こんな経緯を聞いたものだから、額から血を流しボロボロのソリを片手に、私たちの元にやって来るミニマル君は、スローモーションで🎵エンダ~~🎵と聴こえそうですね。

その後、ミニマル君と聖子ちゃんがデートした…という、ワクワクする話は聞こえてきました。