7月~9月の夏期限定で、そのお城を“カフェ”としてオープンする事が決まった。
そこで、責任者として、部署内から二人が出向く事に。
一人は私…と、もう一人は、私が憧れていた先輩が任命!
な~んにも無い廃墟みたいな場所を二人で一から作ってカフェにする。
メニューもインテリアも一から。
その時の私はワクワクでした。
だって、数人居た先輩の中で断トツにイケてる先輩と一緒でしたから✨
先輩は、カフェのメニューを決める(先輩がキッチン担当)、
それとアルバイトさんのチョイス。
テーブルクロスを選んだり、テーブルの配置などのインテリアやカフェの壁に貼る装飾やお客様のテーブルに出すメニューは私の担当。
先輩とは、様々な決め事も揉める事も無く順調に進み、予定通りのオープン。
遊園地の入口にある…と言う事もあって、お客様も順調に来てくれた、
とても楽しい仕事でした。
…しかし私には、ひとつ気になる事がありました。
それは、お城の2階が“開かずの間”になっている事。
おそらく、倉庫なんだろう…と思うのですが、当初ホフブロウを任された時に、
2階を物置に使いたいから鍵を開けて欲しい…とマネージャーに頼んだところ、
「部長に聞かないとダメだ」と言われ…
「それじゃ、聞いてみて下さい」とお願いすると、しばらくして
「ダメらしい」と返事を貰ったきりで、
結局2階は使えず終い。。。
問題の2階は。。。というと、
ヨーロッパの中世のような古い建物で、石の階段がゆるやかに伸びている。だけど、その石の先は昼でも真っ暗。
それもそのはず、階段を昇りきった先には3メートル程の踊り場があり、その奥に重厚な木の扉。
もちろん、その踊り場には窓ひとつない。
いつも2階が怖かった。
つづく。。。