あの頃(新入生)20

2020-07-05 06:02:34 | 日記
あゆみが新入生としてやって来て2度目の公演を迎えようとしていた。

かつては、有名劇団で大きな舞台を踏んで来た彼女が、今は端役ではあるけど、全力投球で楽しんでいる姿に、皆のあゆみに対する好感度が上がっていった。



ところが、ところが……💦

後、数回の稽古を残して、間近に本番が迫ったある日、あゆみは稽古を休んだ。

確か…、前回の稽古の時もそうだ…。

しかも、今度は事務所に連絡が来ていない…と言う…。…無断欠席だ。

…あり得ない❗

あのあゆみに限って、無断欠席だなんて💦

あゆみとジャズの喫茶店で会うようになってから、たくさん話しをして来た。

とても真面目で熱心で、『芝居に集中できるのが楽しい』とまで言ってた彼女が、みんなに迷惑をかけるなんて…。

「電話、お借りしていいですか?」

私は、稽古の休憩中に、事務所の電話を借りた。

「プルルル…、プルルル…」

呼び出してはいるが、出ない…。

稽古が終わってからまた、電話してみよう…。

「あゆみ、どうしたんたろう…」

仲間たちは皆、心配していた。

皆も、無断欠席はあり得ない…と感じている。

何かしらのトラブルに違いない…💦💦

稽古からの帰り道、自宅に着いてから…、数回電話してみた…。

…出ない…。

あらためて言いますが、その昔は、スマホどころか、携帯電話さえ無かったんです。
…なので、私が電話をしているのは、彼女の自宅ですね。

彼女が自宅に居なければ、電話には出られない…ワケです。

懲りずに電話していた。

………かちゃ。。

出た。

「あゆみ?!」

………ぷつっ。

切れた…!

まただ…。