偏見はやめよう!
アイドルの姫を見直したばかりなのに、
姫のダークな部分が見えてきた。
「あなたは、もう一歩下がった方がいいよ」
「え?だけど、これ以上下がると、踊る場所が確保出来なくなるし…」
仲間のひとりで、少し地味なコがいた。
彼女の見た目はとてもキュートだけど、いつも一歩後ろに下がる控えめタイプの女の子だ。
姫の斜め前で踊るフォーメーションになっていたので、姫的には邪魔だったのかも知れない。
「性格的には、一歩下がるタイプなのにね」
姫は、チクリと嫌みを言った。
一方、主演の王子は、まるで少女漫画の世界みたいに、いつも出演者の女の子たちの取り巻きの中にいた。
姫は、ほどよい距離感を保ちながらも、王子を気にしていた。
自分も取り巻きに取り囲まれる側の人間なので、取り巻く側のその他大勢になりたく無いのかも知れない…と、思った。
王子も、姫を気に掛けていた様子なのだが、なにやら『厄介な状況』(スキャンダル?)を引き起こしてはいけない…と思ったのか、あまり近づくこともしない。
いろんな大人の事情、個人的なプライドなどが見え隠れする状況でした。
その後、姫の暴走がはじまった。