エメラルドの瑕疵

旧 『楽母の人見知り日記』です。 毎日更新しています。気候の良い時期は地元(京都)の寺社散策に励みます。

でっちあげ

2019-02-03 20:57:52 | 
福田ますみ著  新潮文庫  平成30年 10月5日 19刷

この本、最初の、割と早め段階から読むのが苦痛になった。 これがノンフィクション?

というのも、あまりにも“胸くそ悪い”展開で、なんでなん?? この学校の管理職バカなん?? と思って途中までで放置していた。

次々他の本を買ってきちゃあそっちを読む次第で、カバーをかけたまま寝室の整理ダンスの上に置かれているのが気になっていたけれど、やっぱり数ページ読んでは気分悪い。

買ってきたもののどうしても読めなくてそのままブックオフに行った本も今までに数冊ある。
これもそのクチかなーと思いながら、買い置き本のストックがなくなったのでイヤイヤ?読んでいた。

そんな時に野田市の小学校4年生の女の子が父親からの暴力で虐待死のニュース。
事実関係が明らかになるにつれ、学校や教育委員会、児童相談所のお粗末な対応に腹が立って仕方がない。

なんといっても、ひみつはまもります、というアンケートだったのに、そのコピーを当の父親に渡したくだり。
父親の『威圧的な態度』に負けて渡したらしいが、その態度を見ていて、ああ、こんなふうなら子供を虐待していてもおかしくない、とは思い至らなかったのか。

自分が責められたリ恫喝されるのに耐えきれなくてアンケートを渡しさえすればそれでその苦痛から逃れられると思ったのだろう。

この本にも、問題のある親が出てくる。
我が子を虐待するわけでなく、モンスターペアレントと呼ばれる親。

我が子の言ったこと、言ってないのにねつ造してまで言われた、された・・・と文句をつけて学校に何度もやって来る。
標的にされた担任はどんどん追いつめられてゆく。

担任も、やってないならやってないともっと闘うべきだったと思うし、学校の体面や己の保身ばかり考えてモンペアの言葉に逆らえず、担任を庇って事実を明らかにしようとしなかった校長をはじめとする管理職にも腹が立つ。 メディアの偏向報道も恐ろしい。

最後は裁判所で、担任の名誉は回復されるし、モンペアの言葉が虚偽だと断じられるが、そこにたどり着くまでにとてもしんどい思いをさせられた本だった。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 冷えるんですけど。。。 | トップ | 捨ててください! »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おはようございます (楽母)
2019-02-04 08:01:45
どっぐべあさん
野田の半年ぐらい前も、幼稚園児だったかなぁ。 まだ文字が書けるかどうかという幼子が「ゆるしてください」という文章を綴っていたのに殺されました。
連れ子いじめもあるけれど、野田の事件は実子でしょう? いったい何人の子供らが犠牲になれば本腰を入れるんでしょうか。

ドラマも本も、ど~んと落ち込むようなものはダメですねー。 
返信する
こんばんは (どっぐべあ)
2019-02-03 21:57:46
野田市の事件、情報番組で話題になる度に胸が締め付けられます
あの教育委員会の課長のインタビューを見る度にTVに向かって「辞職」と叫んでしまいます
ほんと胸くそ悪いったらありゃしない

ドラマもそうですが、小説もあまりに重いと嫌になりますよね
返信する

コメントを投稿