エメラルドの瑕疵

旧 『楽母の人見知り日記』です。 毎日更新しています。気候の良い時期は地元(京都)の寺社散策に励みます。

最後の晩ごはん

2022-07-24 08:11:55 | 
最後の晩ごはん  ゲン担ぎと鯛そうめん

椹野道流 著   角川文庫  令和4年 7月25日初版


シリーズ18作目。
この前の2月に出ていたものをすっかり忘れていて6月に読んだものだからひと月ほどで2作読んだわけで、前作までのストーリーもはっきり覚えているし(笑)1作ごとに完結しているとはいえ、続き感があってとても読みやすかった。
どうも私はシリーズものを半年なり1年スパンで読むよりも、少し前のものをがーっと大人買いしてまとめ読みするほうが合ってる気がする。

今作の柱になっているのは、、、流れ的にふたつあるけれど、やっぱりばんめし屋の主、夏神さんかな。
大学時代にグループで冬山登山をして遭難。
仲間を残して助けを求めるためにひとり雪山を下りた夏神さんだけが生き残り、恋人だった人を含む仲間は凍死して世間からも恋人の親だった人からもさんざんにたたかれ責められたという過去を持つ。
その夏神さんに恋人だった香苗が、幽霊となって現れる。

ばんめし屋で働く海里や付喪神のロイドは霊感があって成仏できずにさまよっている魂を見ることができるが、夏神さんはそうでもなかった。
だから、最初に香苗が見えた時、目覚めたばかりなのに、これは夢の中の出来事だと思ったぐらい。
しかし、そうではなかった。
恋人に会いたい、会って、死なせてしまったことを詫びたいとずっと思っていた気持ちが通じたのだ。
香苗の方も、自分を墓に縛り付けていたものから脱出?し、こっそり夏神さんの中にいた。

生きていた時の姿になって目の前に現れるにはかなりな鍛錬がいるらしい(笑)
夢ではなく、雪山で別れてしまった香苗の幽霊だと分かってから。。。

お互いの気持ちと、状況を確認できた二人だが、成仏するための2度目の別れは迫っていた。。。

という、ちょっと切ない流れと、海里、李英の成長ぶりも素敵。

三人の大きな一歩となった今作だ。





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