Indian Summer

『小春日和』って、なんていい言葉だろう。　　な～んて書いてる私のタイトルがIndian Summerというのも変だけど。

このIndian Summerが、晩秋から初冬にかけての思いがけなく穏やかで暖かい日を指すのだというのを知ったのはずい分と前だったように思うのに、同じように、人生に例えて、晩年の穏やかで幸福な時期、というのもさすと知ったのはかなり後だったように思う。

確かにね、人生の前半は山アリ谷アリ、晴れもあれば土砂降りもあるって感じで、ジェットコースターみたいな時を過ごしたりもしたけど、私、今の私って好きだな。今が一番幸せ。
あ、これ、危ないかもしれない。　風林火山で大井夫人や三条の方も「今が一番幸せ」だと言ってたっけ。
もともと物欲も少なきゃ、ああしたいこうなりたいという気持ちも少ない方だとはいえ、やっぱり若い時にはいろんな事に振り回されたり・・・まあ、たいがいが子供だったりお金だったりするんだけど・・・して、バタバタバタバタしていたと思うの。
それが今、相変わらず振り回されていない、とは言えないけれどあるところから「どうでもいいや」というか、別にもう、いいかな？みたいに流せるようになってきた。
親、としては息子も頼りないながら一応、一人で生きていけるまで育て上げたし、妻としても、普通にやってきたと思うし。
地域社会でも突出しないように、かといって引っ込み過ぎないようにバランスとって付き合えてもいるし。　お金ももう、いいや。別に要らない。なんとかなると思ってるし、なんともならなきゃその段階で考えるわ。
老後を考えるというよりは既に老後だし（笑）　こうして好き勝手に駄文書き散らして好きなことを習って、ぽかっとあいた時間にひとりであちこち徘徊して・・・
考え出したらキリのないほどの・・・そりゃ、ありますよね心配事やら頭痛の種やらを「少し横によけといて」・・・気ままに過ごせている私は、小春日和に恵まれて、きっと縁側でぬくぬくしている猫みたいなんだろう。

な～んにもなかった。な～んにも人様に誇れるようなことはなかった今までだけど、
それでもこうして優しい時間が訪れる事をしみじみありがたく思う。

と、謙虚な気持ちで今週のピアノ曲。綺麗な旋律が奏でられるか？
『ハウルの動く城』より、世界の約束～人生のメリーゴーランド