著者:与那原恵 筑摩書房
『東京に生まれた沖縄人二世の著者が、母の残した言葉を頼りに家族の歴史をたどる旅に出た。沖縄本島・戦後密貿易の行われた与那国島・そして母の育った台湾・・・』
この本の面白さは、著者の家族の物語が、沖縄の時代の象徴になっているところだと思います
沖縄人であれば、きっと自分の家族の歴史と、どこか重なるところがあるでしょう
若い人であれば、母の時代は、祖母の時代は、こういう世の中だったのかと、改めて興味を持つかもしれません
そして著者が生まれ育ったのが「東京・椎名町」であるところが、この作品を、沖縄人以外の人が読んでも興味深いものにしていると思います。著者の視点は、あくまで「東京人」ですが、それだけに、沖縄人よりもより深く沖縄を理解したいと思っているのが感じられます
オカマはオカマだからこそ努力して、女より女らしくなる、みたいなもんでしょうか。(ちょっと違うか
スミマセン
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著者のお母さんが、沖縄人で始めてのラジオアナウンサー(?)であったり、お母さんの叔父さんが画家の南風原朝光であったりすることで、物語がより華やかで楽しいものになっています