富田元治のブログ

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「娘の遺体は凍っていた」発見から3年。

2024年03月27日 | いじめ自殺事件
「娘の遺体は凍っていた」発見から3年。 
旭川14歳少女イジメ凍死事件とはなんだったのか
==「文春オンライン」特集班==2024.03.25






北海道旭川市の中学2年生だった廣瀬爽彩さん(14歳)が、
壮絶なイジメを受けた末、行方不明になったのが2021年の2月13日。

それから1か月以上が過ぎた3月23日、雪に覆われた公園で、
廣瀬爽彩さんは変わり果てた姿で見つかった。

警察による検死の結果、死因は低体温症。
失踪当日に亡くなった可能性が高いという。
それから丸3年の月日が経過した。


2022年9月に提出された第三者委員会の報告書は、
廣瀬爽彩さん(14歳)の死とイジメの因果関係を否定している。

しかし遺族はこの報告に強く反発し、
旭川市長もその意向をくみ再調査を命じる事態になった。

新たな調査委員会が3月末に再調査を終える予定と発表されているものの、
調査結果の公表時期などは未定となっている。
この問題が解決に向かう道筋はまだ見えていない。


「文春オンライン」は、廣瀬爽彩さん(14歳)が亡くなった
2カ月後の4月から事件を報じ続けてきた。

このいたましい事件を風化させないため、記事の中から一部を再公開し、
改めて卑劣なイジメの実態を明らかにする。

14歳の少女を死に追いやった陰惨なイジメ。
廣瀬爽彩さん(14歳)の遺体が発見されたのは2021年3月下旬。
その1月ほど前の2月13日に母親の留守中に自宅を飛び出し、
行方不明になっていた。

ボランティアなどが懸命に捜索を続けたものの、
雪解けが進んだ旭川市内の公園で変わり果てた姿で見つかったのだった。
取材班が遺族やその支援者への取材を進めていくと、
爽彩さんはかつて通っていた中学校でイジメにあっていたことが分かった。


爽彩さんが受けていたイジメの壮絶な内容は「ママ、死にたい」
自慰行為強要、わいせつ画像拡散……

爽彩さんが受けていたイジメは想像を絶するものだった。
爽彩さんは2019年に旭川市の中学校に進学し、
間もなく上級生などからイジメを受けるようになる。

裸の写真を送るように強要されたり、
早朝4時に呼び出されたりするなどといったイジメが続き、
爽彩さんはPTSDを発症した。

爽彩さんの母親は何度も担任の教員に相談したが
担任はイジメではないと問題に対処する意思を見せなかった。

爽彩さんへのイジメは次第にエスカレートしていき、
複数人の前で爽彩さんに自慰行為を強要するといった事態に発展した。

その頃には、爽彩さんの精神は限界を迎えていたのだった。
取材班はイジメを受けていた爽彩さんが驚きの行動に出ていた事実を掴む。

上級生による陰湿なイジメが始まってから数か月たった2019年の6月、
爽彩さんが市内を流れるウッペツ川に飛び込むという事件が発生する。

イジメグループが爽彩さんに強要したわいせつ画像を
拡散すると脅したことが端緒だった。
目撃者の通報により、警察が出動する事態にまで発展。
これによって警察も爽彩さんがイジメの被害者であることを認識する。

イジメグループの何人かは聴取を受けたものの、
14歳未満のため刑事責任を問えず、最も重い処罰でも厳重注意にとどまった。

爽彩さんのわいせつ画像は警察の手を通して削除させたものの、
イジメグループの一人がバックアップから復元し、
再び画像は流出してしまうことになった。

結局、爽彩さんは転校を余儀なくされ、市内の別の中学校へ通うことになる。
しかし、医師の診断により爽彩さんはPTSDになっていることが判明する。

新しい中学校に通うこともほとんどできずに
自宅で引きこもりがちになってしまった。


加害生徒が取材班に漏らした衝撃の言葉。

取材班は旭川市内に住むイジメグループの元生徒たちに取材を試みた。

すると、保護者同伴、もしくは保護者が代理をする形で、
計5人の元生徒が取材に応じた。

「イジメではなく悪ふざけ」「正直何も思ってなかった」と
イジメの事実を否定したり、
爽彩さんの死に責任を感じていないような返答をする元生徒がいる一方で、
一部の保護者からは「子どもも反省している」といった回答もあった。
中には、爽彩さんの家庭に問題があるようなことをほのめかし、
責任の転嫁をしようとする発言もあった。


爽彩さんの母親は家庭環境の問題を否定しながら、
「イジメの加害者に不幸になってほしいとは思わない。
ただ、反省はしてほしい」と静かに語った。


「加害者にも未来がある。学校は責任は負えない」旭川イジメ14歳凍死。

中学校教頭が母親に告げた言葉では爽彩さんが通っていた中学校が
イジメ問題に対し、あまりにも杜撰な対応をしていたことを明らかにした。

爽彩さんがイジメを受けた時に通っていた中学校の対応に
問題はなかったのか、取材班は取材を続けた。

すると、中学校は母親の度重なる相談にもまともに取り合わず、
杜撰な対応を続けていたことが分かった。
爽彩さんが川に飛び込みをした事件の後、中学校教頭が、
「加害生徒にも未来がある」といった内容の発言をしていたことも分かった。


そして、爽彩さんが通っていた中学校で行われた「謝罪の会」が
紛糾したことも明らかになった。

中学校は弁護士の同席に難色を示し、
教員が話し合いの場に同席することはなかった。
そして、加害生徒の中には「証拠はあるの?」と
反省する様子が全く見られない生徒もいたという。


遺族とその弁護士が中学校に加害生徒への聞き取り調査の結果を
開示するよう請求しても、市教育委員会と中学校は応じることはなかった
という。
取材班が担任だった教員に取材を試みるも、
「個人情報なので」とまるで他人事のような返答が返ってくるだけだった。

こういった学校側の対応は問題ではなかったのか。
爽彩さんがイジメにあっていた学校の当時の元校長を取材班は直撃した。
校長は2時間にわたって取材に応じた。

元校長は「いたたまれない」と爽彩さんの死を悼む発言はあったものの、
イジメがあったという事実は「そこまで至っていない」と
一貫して認めなかった。
あくまで加害生徒たちの行動を「トラブル」と称し、
それに対しては指導を行ってきたと主張した。

元校長は取材の中で「子供は失敗する存在です。
そうやって成長していくんだし、
それをしっかり乗り越えなきゃいけない」と語ったが、
爽彩さんの母親は、
「警察に犯罪行為と認められてもイジメじゃないと
まともに取り合ってくれないのなら、親はどうすればよいのか」
と肩を落としていた。


爽彩さんが通っていた中学校は一貫して
イジメの事実を認めようとしなかった。しかし、報道から1週間後、
ようやく旭川市はイジメの再調査に乗り出すことを発表した。

その直後に行われた中学校での保護者説明会では爆破予告もされ、
パトカーも出動する異例の事態となった。

質疑応答では学校側の煮え切らない回答に
保護者側の質問もヒートアップしていった。

文春オンラインの記事の内容を見て僕は涙が出た。
この学校に子供を通わす親として、本当に大丈夫なのかと。
それに事件に関して何の説明もない。
あのおぞましい行為をイジメじゃなかったと判断している学校。
この中途半端な説明会でどれだけみんなが納得すると思いますか。


ある保護者はこう怒りをあらわにした。
保護者の中には学校の態度に怒り、途中退席するものも大勢現れ、
次第に怒号が飛び交う事態となった。
爽彩さんの担任だった教員や教頭は一度も頭を下げることは無かったという。

この保護者説明会の翌月、旭川市は第三者委員会を設立し、
爽彩さんが受けていたイジメについて調査を開始した。
しかし、発足から1年4か月も経ってようやく提出された調査報告書は、
遺族にとって到底納得できるものではなかった。
遺族側は強く反発し、旭川市は新たな第三者委員会を立ち上げ、
再調査を始めている。
一日でも早く、爽彩さんの無念が晴れることを願わずにはいられない。


徹底検証・旭川いじめ①学校はなぜ?【報道特集】

 




大量の紙切れが貼りつけられた女子生徒の机と椅子。
写真を撮った後、そのまま午後の授業を受けたという。
(2016年9月30日、家族提供)

このいじめが、仲間同士のじゃれあいだそうです。
いじめられた女子生徒は、この状態で授業を受け、そして自殺未遂です。
担任教師が言う”仲間同士のじゃれあい”の中で授業を受けた女子生徒。
この状態で、平気で授業を行う教師。
自殺未遂の女子生徒は、死んだ方が良かったと言っているそうです。



第2部
「ママ、死にたい」自慰行為強要、わいせつ画像拡散……
氷点下の旭川で凍死した14歳女子中学生への“壮絶イジメ”《発見から3年》。
==「文春オンライン」特集班==

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