ガレージライフ

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旅する自転車 その2

2024-11-28 14:44:54 | ツーリング
フェリーに乗ると友人が船酔いで寝てしまい
ワシは甲板に出て風にあたって失恋気分を全開で味わう

横に人の気配を感じて視線を移すと若い女性
目があったので軽く会釈
むこうも会釈して「どこから来たの」と私に
「札幌です」と(実際は札幌の隣の町なんだけど)
正直な話 ワシは特に大人びた風貌ではないし、なぜその人が話しかけてきたかは不明
ただ今思えば・・もしかしてだけど 逆ナンか・・笑

なぜだかわからんけどその人のファッションをよく覚えている
ベルボトムのジーンズに太いベルト ヘンリーネックのTシャツ
靴は茶色のインディアンモカシン、なんかビーズが付いていてかわいらしい感じ
年は・・たしか23歳くらいと言ってたような
ただ・・・・・・・・・・・顔は・・・・・・・・・・
フォーク歌手のイルカさんに似ていた・・・・・・・・・・

どのくらい話していたか覚えてはいないけど
その人は初対面にもかかわらずけっこうワシに自分の身の上話をした
札幌で働いていたのだけど結婚しようとしていた人と別れて実家に帰るらしい
誰かに聞いてもらいたかったのか・・・
けっこうワシは人の話を聞くのは好きであいづちや適度な質問を絡めていたので話しやすかったか?
ワシが自転車で弘前迄行くというと「気を付けていきなよ」と助六寿司をくれた

いまだったらね~「青森に着いたらご飯でも・・」とか下心アリアリにお誘いするけど 笑

フェリーが青森についたころはもう夜(時間は忘れた)
どこか駅の端っこで寝袋に入って寝る予定・・だったけど
駅前にあったロータリーの植え込み(自分の記憶ではそうなんだけど定かではない)
若者が集まって歌(フォークソング)を歌っていた
中心になってるのは米軍放出の軍服を着た数人の若者
あとは自転車旅行の若者、リュックを背負った旅行者(カニ族とか呼ばれてた)

ただギターを弾いてる人が・・下手くそで 
一緒に行ったワシの友人はギターがうまいので
「僕が弾きましょうか」とギターかりて岡林信康の曲なんか弾いたら
上手なもんだから皆 歌に気合いが入って 大盛り上がり
どのくらい歌ってたかは記憶にないが
岡林信康の 「私たちの望むものは」と言う曲のサビの部分
いまある~♪ 不幸せに~♪ とどまっては~♪ な~らない~♪
と歌っていたら パトカーが来た 若者が騒いでると通報されたらしい

しかしこれバックバンドが はっぴいえんど すごいわ
https://www.youtube.com/watch?v=bO7GNzRz2vE

まあワシらはどう見ても自転車で旅する小僧 怪しさはない
結局 その米軍放出の服を着た人たちが職務質問

警察がその人たちに「君たちはヒッピーかい?」と尋ねると
その人たちは急にキッとなった顔で「俺たちはジプシーです」と答えた・・
別に警察の聞き方もさげすんだ言い方ではなかったし
なんでそんなにこだわるのか・・とちょっと不思議に思った
まあとりあえずここにいてもいいけど歌はダメと注意を受けた

その後はそのジプシー組といろいろ話をした
なんか手作りの小物(巾着とか針金で筆記体の名前を作るとか)それを道端で売ったり
農家や漁師のところでバイトしたりとか日本中を旅しているらしい。
でワシらにはギターのお礼といって「色即是空」と書いたちいさな巾着袋をくれた

そのうちリーゼントのお兄さんが数人寄ってきて「お前ら楽しそうでいいな」というので
「どうしたんですか」と尋ねると
飲みに行ってアパートに帰ってみると 家賃を滞納していたので
大家にドアに板を打ちつけられて入れなくなってたとの事・・笑

結局 そこにいるみんなで、なんだかんだ話しているうちに朝になってた

その3に続く