ガレージライフ

バイク 時計 車 アウトドア 日常のあれこれと

瓶入り牛乳

2025-02-27 09:56:07 | 日記
瓶入り牛乳が生産中止になる
ほとんど見かけなくなったが一部ではまだ瓶入り牛乳があるが
どうやら来月で終了らしい
瓶入り牛乳と言えば 銭湯を思い出す


銭湯の牛乳にはちょっとした思い出がある
たしかワシが小学校5年か6年のころ家が町のど真ん中にあり
周りにはけっこう飲み屋が多かった

さらにうちの隣が料亭で夜な夜な太鼓やら三味線が聞こえてきた
そこに出ている芸者さんがうちの裏に住んでいた

日中はおばさん(でも若いころは美人だった雰囲気)だが
出勤時は着物、日本髪のかつらに三味線とテレビで見るような芸者姿

そこに3歳くらいの男の子がいて寝かしつけてから出勤するのだろうけど
時々 夜7時とか8時になったら起きて母親を探して
家の周りを泣きながら歩いている
ある日結構な雨の中泣きながら歩き回っていた
ずぶぬれなのでその家に「預かってる」旨のメモを入れて
うちに連れてきたことがあった。
そんなことが何回か続いた後、「お金を払うので預かってくれないか」
と言うことになりうちで面倒を見ていた
うちの家族になついてとってもかわいい子供だった。

出勤の時 芸者姿の母親がうちまで連れてくるのだが
そのうち 若い男の人が連れてくるようになった
聞くところによると その子の父親の弟分ということだった
(ただ父親は見たことはない)
弟のことを「おんじ」とか「おんちゃん」と言ったりするが
その子はまだ口が回らず「えんじ」と呼んでいた。

その弟分と言う人は 見るからにデンジャラスな人で
胸から手首近くまで入れ墨が入っていた。
ただ見た目とは違ってとても低姿勢で優しかった
(まあ子供を預かってるんだから変な態度はとらないでしょうけど)

仕事は何してるのかは不明だったが
町中であったりするとワシに「おにいちゃん いつもどうもね」
とあいさつしてくれたが
服着てても目つきや風貌がデンジャラスな人なんでちょっと困った。

ある日の事 銭湯でその人にあった。
気づかぬふりしようとしてたら
「おにいちゃん おにいちゃん ジュース、ジュース」と言いながら
銭湯の冷蔵庫開けて 「好きなの取って」と

上半身裸で 立派な入れ墨 ちょっとビビりながら
「じゃこれいただきます」とイチゴ牛乳を・・
時々銭湯であうとおごってくれた

多分1年位その子を預かっていたような気がする 
そのうちお母さんが芸者をやめて(というかその料亭も閉店した)
居酒屋をやりだしたので親子一緒に暮らしていた。
もうあの入れ墨の入った「えんじ」も見かけなくなった。

預かっていた子はその後もうちの遊びにきたりしていたが
その子が中学生になった時に無免許のバイクで事故死した。
ワシは行かなかったが母親が葬儀に行って泣いていた記憶がある。

瓶入り牛乳を見てちょっと思い出した。