とても久しぶりにオペラに行った。
この3年間、高いチケットを買っても、感染状況を見て何度見送った事だろう。
途中で上演中止になった公演も、いくつもあった。
自分だってそうだ。
決まっていた演奏がバタンバタンと次々になくなっていった。
今回も買った時点では、何とも言えない状況だったが、政治の動きもあり、世の中の雰囲気が変わった。
今日は真珠のネックレスを付けて、大きな劇場へ向かった。
演目は「カヴァレリア・ルスティカーナ」と「道化師」の二本立て。
この二本は、大体いつもこの二本立てで上演される。(他にも同じような例はある。「外套」と「ジャンニ・スキッキ」のように)
今回は宝塚歌劇団で活動してきた上田久美子という若い演出家による全国共同制作オペラで、副題は「みんなさみしいねん」
今回の演出の話題は「文楽仕立て」だろう。
歌手とダンサーが二人一役で、舞台上にもいつも二人ずついて、一人は歌い、一人は動く。
役の内面をより深く表現するためかと思う。
またイタリア語によるオペラなので字幕が付くのだが、英語、日本語、そして下町大阪弁の3種類が常に表示される。
そして「たまに字幕はうそをつく」と口上が言う通り、大阪弁バージョンは気持ちを更に深掘りしたものを大阪弁で意訳している。
舞台も現代の大阪の下町に移っているし、歌い手はドレスなど従来のものだが、カヴァレリアの主役のサントゥッツァ(大阪弁字幕では聖子)のダンサーなど、ユニクロ風のベストに緑ジャージなんていう衣装。
ダンスというか、動きというか、演技というか、強い個性で始終走り回って目が離せなかった。
「サントゥッツァって、あんなに激しい役だったかなぁ」「イタリア人ならいるかもしれないが、現代の日本だとちょっときついかなぁ」なんてちょっと思った。
「カヴァレリア」は序曲も合唱もアリアも、好きな音楽がいくつもあり、そんな場面はマスクの中で口ずさみたくなるほど楽しく聞けた。
「道化師」は大衆演劇の芝居小屋が舞台になっていて、芝居も分かりやすかった。
劇場の合唱団として、何人も知人が出演していた。
後でパンフレットを見たら、恩師も出演されていて、カーテンコールだけ撮影を許された客席からの写真をよく見たら、ちゃーんと写っていた😄
あらあら。
こんな面白いオペラなら、人を誘って見に行きたい。
もちろん今回もコロナ対策は今もすごくされていて、出演した知人によるとステージに乗れる人数が決まっているため、合唱の半分はバルコニーで歌ったり演技したりしていた。
演出効果もあり、それもとても面白かったが、それはまだ舞台芸術の現実なのだ。
いくら政府が対策を緩めても、ウィルスは忖度してくれないから。
自分たちでやるしかない。
やりたいことをやり続けるには。
デパ地下まで辿り着けず、地下街の老舗寿司屋でちらし寿司を買って帰る。
掛け紙によると、明治2年に創業したらしい。
大正時代には本店の2階座敷で名人・王将の坂田三吉と宿敵関根八段との対局があったとのこと。5日間の激戦の末、関根八段が勝利をおさめたと書いてある。(あー、今日の藤井くんは渡辺明棋王に勝てず、残念だった)
この「ひなちらし」は知人がSNSで先日紹介していたものだ。季節ものだから、今日が最後だそうだ。
注文してから作るので、美味しさが違う。
夫も喜んでくれた。
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