アーティストである彼女は、いつも紙と絵の具を持ち歩いているようだ。庭で私が大事にしているレモンを、サラサラと絵に描いてくれた。
私がイタリアから持ち帰った小皿を見せながら、私がどうしてレモンが好きになったかを話す。豊かな時間が流れた。
このファミリーが旅の途中で立ち寄ってくれるきっかけとなったのは、当時留学生のクナちゃんを我が家で預かったことだ。
今回クナちゃんは来ていないが、私にと料理で使うヘラをお土産にくれた。木目が美しいところが、私に合っていると選んでくれたという。私はただの食いしん坊なので何だかおこがましいが、クナちゃんの気持ちが本当にうれしく伝わってきた。クナちゃん、ありがとうね(^^)
朝早く、日本に残る妹ちゃんと一緒に駅に送り、ご両親は新幹線で東京に旅立って行った。この時間はもう、飛行機に乗っていることと思う。
長いアテンドを終えた妹ちゃんは、「今から温泉に行く」「温泉大好き」というので、私も調子に乗って付き合ってしまった。山の上の温泉まで行き、露天風呂に浸かった。木々はてっぺんから早くも紅葉が始まっていて、日差しはあっても、吹く風に違う空気を感じる。もう秋が始まっているのがわかる。
長い夏休みが、もうすぐ終わるんだな。
お客さんのお陰で、少し家もきれいになった。
いや、それは表面だけだから、隅に追いやったものを片付けていかないと。そして楽しみを見つけながら、秋を待とう。
ダンカン・ファミリーのみなさん、うちに滞在してくれてありがとう。いつかアメリカのお宅に行ける日を夢見ています。