GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

大ゴケの予感 竜の道 極主夫道

2020-08-09 20:22:01 | MUSIC/TV/MOVIE

おかしいなぁ。

『竜の道 二つの顔の復讐者』

第一話を見た時は、面白くなりそうな気配あったんだけどなぁ。後半あたりで、あれ?大丈夫か?って思ったんだけどね。まさか二話目でここまでダメになるとは・・・。

 

テンポが悪いとか、演技がどうとかではない。

脚本が悪すぎるのだ。

っていうか、これ、原作ある話だよね。ってことはその原作がプーなのかな。

 

目的のために相反する道を選ぶって話はこれまでにもある。

池上遼一氏の絵が物語を引き立てる。名作「ODESSEY」。一人は極道社会、一人は政治家へ。

コイントスで選び、別々の道を歩む。目的を果たすため、一人は裏社会の極道でのし上がり、一人は表社会の政治家で成り上がる。

最終巻は泣けるぞ。

 

これまた漫画が原作だが、生田斗真と小栗旬の熱演が光る実写化もされた「ウロボロス」。

大好きだった先生(広末涼子)を殺した金時計の男(東大首席卒業者)を探すために、小栗旬はヤクザ組織へ、生田斗真は警察へ入り、それぞれいろんな角度で探して追い詰めていく。

原作とドラマではラストシーンが違うが、どちらも傑作だ。

 

この『龍の道』も双子の兄弟が復讐を果たすために別々の生き方を選ぶ話だ。

運送会社を営む両親が騙され自殺した原因となった運送会社の社長・遠藤憲一に復讐する双子の兄弟を、高橋一生と玉木宏が演じる。

弟・高橋一生は遠藤憲一の運送会社を法で裁くために運輸省のキャリアに、兄・玉木宏は火事で死んだ事にして顔を変えゴシップ誌のライターをやりながら弱点を探す。

 

ね、面白そうでしょ。

でもね、これがまた全然面白くないの。

1、暗すぎる。

そりゃ復讐もんだからサスペンスタッチで、血生臭さかったりしてダークな描写が多いのはわかる。喧嘩や暴力のシーンとかだけじゃない、なんか無理してハードボイルドタッチってこんな感じでしょって作ってるの丸わかり。今時ネオンがパチパチする暗い部屋って・・・。

2、脚本(原作?)が悪すぎる。

親を亡くして親戚のところでないがしろにされながら育ったのに、高橋一生は国立大に入り運輸省に入省。その割には妹(血は繋がってない)・松本穂香は清掃員をしながら苦学して教員免許を取る。

玉木宏は火事を起こして整形して別人になるが、その金(手術費)はどこで得たんだ?

三流ゴシップ誌の編集長が裏情報を使ってしこたま溜め込んでるお金(約5億)を、無用心にも会社の金庫に入れてある。

その金を奪って西郷輝彦に払い、別名のパスポートを貰いブラジルに飛ぶ玉木宏。で、帰ってきてコンサル会社を設立し、今や全国展開の運送会社になった遠藤憲一にまたもや近づく。

 

いやいや、どうせドラマなんだから、非現実でもいいのよ。「そんな都合よく」とか「そんなわけあるかい」などとツッコミながら見るのも一興だ。(そうじゃないとウルトラマンなんて、怪獣はなんで日本ばかり狙うんだってなっちゃう)

だけどさ、クライム(犯罪)ドラマとしては、あちこち全然ダメなの。

 

普通は「親が自殺した原因のやつは誰か」とかから始まり、怪しい奴が何人か出てきては消え、ついに本ボシを探り当て、最後の復讐劇が始まるって感じでしょ。

それが、最初から遠藤憲一が復讐のターゲットとわかってるのだが、その両親が騙されたって内容が不十分にしか描かれてないの。

なんで業務提携したのが自殺するまで追い詰められたのかの説明も描写もないから、どうにも感情移入ができない。

そもそも、遠藤憲一は悪いやつなのかさえよくわからん。

会社を大きくする野望のため、手段は選ばないって感じはあるのだが、お客様、顧客の荷物をまず第一に考え優先するのがあちこちに出てる。現に運輸省の立ち入り監査で書類を持っていかれそうになってる時も「今日の配達先リストは渡さん、お客様に迷惑がかかる」と拒んだし、ことあるごとに「おきゃくさまの大事な荷物はしっかり運びますけん」って言うてる。

まさか、結局いい人だったってオチか?

 

遠藤憲一の奥さん役で斉藤由貴が出てるんだけど、これまでまだ大した出番はない。遠藤憲一に怒鳴られ、萎縮してる妻。まさかこのままだったらどうしよう。えらい無駄使いだ。『捜査一課長』の大福の方が合ってる。

娘役は松本まりか。ただの成り上がり運送会社の社長令嬢が、ここまでタカビーに育つか?ってくらいプライド高い女を演じさせられてる。妖怪シェアハウスのお岩(伊和)さんの方が合ってる。

今後の展開としては、この奥さん・斉藤由貴に玉木宏が近づいて、娘の松本まりかには高橋一生が近づいて(まりかから近く)、それぞれ内情を探るってなるんだろうけど、それもまたいかにもってパターンすぎるな。

 

一番気になるのは、ヒロインの松本穂香。

この女優さんってあまり知らないんだけど、キャリア浅いのかな。演技幅がなさそう。なんか素人っぽいぞ。劇団入団したてとか部活動の演劇部でやってましたって感じ。

そして、一番の欠点は“華”がないこと。

地味とか暗いとかじゃないの。もちろん美人だとか可愛いとか、そんな容姿のことじゃないよ華がないって。

この華がない女優は、どんなセリフも生きないし、どんないい演技もスルーされちゃうのだよ。脇役女優ならいいけど主役女優としては致命的なのだ。

同じように華がない女優に、浜辺美波とか小芝風花がいる。それぞれ頑張ってほしいもんだ。

 

まぁ一番このドラマのダメなところは、玉木宏がやたら「復讐するぞ」「追い詰めるぞ」「これからだ」って言うんだけど、その割には戦略も詰めも全然チャチイの。

これは玉木宏が悪いんじゃなくて、脚本(または原作)や演出が悪すぎるんだけどさ。

 

玉木宏ってそんなに演技悪くないのよ。すでに田村正和やキムタクとかと同じ「何を演じても玉木宏」の域にまで達してると言っても過言じゃないくらいだもの。(褒め言葉です)

『ウォーターボーイズ』以降、『のだめカンタービレ』『鹿男あをによし』『スパイラル』など、原作漫画や小説を実写化したドラマを演じてもうまいし、嵐の大野君主演『鍵のかかった部屋』の最終2話で今回と同じく復讐する男を演じてたのも上手かった。

 

『キャリア〜掟破りの警察署長』や『巨悪は眠らせない』や、映画『空母いぶき』『幕末高校生』なんかも好きだな。

 

そう玉木宏は、相方の女優がいいと演技も冴えるのだ。

『のだめカンタービレ』では上野樹里、『鹿男あをによし』では綾瀬はるか(多部未華子も)、『スパイラル』では貫地谷しほり、『キャリア』では瀧本美織、そして忘れてた、コメディタッチの『残念な夫』では倉科カナだ。

それに比べて今回ヒロインらしきのは松本穂香。ちょっとなぁ。

玉木宏の部下(秘書?右腕?)を演じてる奈緒の方がなんか訳ありっぽくて、最後裏切りそうでいい感じなんだけどな。

松本穂香主演の『みをつくし料理帖』には奈緒も出てる。

 

そうだ、相手役といえば、10月から放送される予定の『極主夫道』。

このドラマは、かつて「「不死身の龍」と恐れられた元ヤクザだが今は主夫をやってるという、おおのこうすけ原作のコメディ漫画の実写化。

玉木宏はこの「不死身の龍」を演じるのだが(別に「竜の道」と龍は関係ないと思うけど)、なんと家事全然ダメなキャリアウーマンの妻役を川口春奈が演じるらしい。

明らかにミスキャスト。(思わず井上陽水の曲が頭に流れた)

どこでも出てくる川口春奈。ろくな演技はできないくせにやたらと自信満々な川口春奈。華がないのに無理やり事務所が光を、後ろから前から横からこれでもかと当てて、ようやくもたせてる感満載の川口春奈。Youtubeやったりしてるが、空回り感満載の川口春奈。(しつこいな俺も)

 

『麒麟がくる』で沢尻エリカの代役に選ばれた時のがっかり感より、今回の『極主夫道』での玉木宏の妻役の方がかありがっかり感が大きい。

キャリアウーマン役、できるのか?龍が下手惚れしてる女の設定だが、無理ないか。

さらに舎弟役が、これまた演技が下手すぎて、出るドラマ・演じる役、すべてコケまくってる志尊淳。

見る前からコケるのが分かってしまった。

期待度マイナス260%くらい。原作漫画が面白いだけに残念だ。

 

というわけで(何がどういうわけだ?)、『竜の道』は第二話でドロップアウトした。

今後面白くなったら、ごめん。

『極主夫道』は初回から観ない。文句言うだけだと思うから。

面白かったらごめん。