GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

後出し井上公造が嫌いだ

2020-11-17 18:07:58 | MUSIC/TV/MOVIE

後出しじゃんけんを比喩するネットスラングで、後諸葛亮ってのがある。

三国志で、策士・諸葛孔明がどんな予想外のアクシデントを報告されても「私はこうなることはわかっていました」と平然と言うことから派生したスラングだ。

関羽や張飛なら「さすがぁ〜!」「そこまで読んでましたか」と驚き感嘆するが、現代においては「ほんまかぁ〜?」って穿ってしまう方が多いと思う。

 

井上公造という人がいる。

芸能リポーター。この人がペーペーのときから知っているが、以前まだ梨元さんなど突撃リポーターがご健在の頃は、その先輩の背中を追って必死にやっていた。

なのに最近は偉そうにしてたりする。今や重鎮になったと勘違いしてるのかもしれない。テレビ局にそう扱われて偉そうにするだけならいいが、この人は後出しじゃんけん、そう、後諸葛亮が多すぎるのだ。

 

以前は芸能人のスキャンダルやスクープは芸能リポーターがとってきた。取材も懇意にしてる芸能人や事務所にべったりくっついてコメントとっていた。家のインターフォンを鳴らして取材したり、テレビ局はおろかロケの撮影現場にまで行ったりしてコメントとっていた。

で、「熱愛」とか「破局」とか「結婚秒読み」とか「禁断の愛」とかスクープしてた。

芸能界はまだまだ一般人には縁遠い世界で、憧れと畏怖を感じてた時代だ。芸能リポーターが唯一実社会と芸能界をつなぐパイプだった。

でも、今はタレント本人がブログやSNSで発表や報告したり、事務所がホームページに掲載したりするので、芸能リポーターの出番はない。

はたまた文春や新潮あたりがスクープしたり、スポーツ紙がフライング発表してしまったものを後追い取材し、報道するだけ。芸能リポーターって必要?ってくらいの位置だ。

 

各局の報道バラエティ番組には、この芸能リポーターというのが出演している。

三流ゴシップではよく「何々という話」という怪しげな記事の後に、(芸能関係者)とか(芸能界に詳しい事情通)などとこれまた素性のわからない(実在するかもわからない)人のコメントが載っているが、テレビにおいてはこの役目を芸能リポーターが請け負ってる。

「今話題になっている芸能人のことをよく知ってる」ように見え、「芸能界の裏事情をよく知っている」ように見えるからだろう。

しかし、実は全然知らなかったりする。そりゃそうだ、知ってたのならどこよりも先にスクープ記事を出すからな。

 

それを、いかにも「僕は知ってましたけどね」と、「知っていたけど、事務所との兼ね合いが」とか「今後の付き合いとかを鑑みて」風に喋る。

さらにひどいのになると「知っていたけど、タイミングを見計らってたら先を越された」なんてのもある。

井上公造のコメントはこんなんばっかりだ。スクープなんてここ最近何一つ取っていないのに、そのくせ「僕は知ってましたよ」的なスタンスが鼻持ちならない。

 

孔明なら「さて次の手は、こうです」と新たな作戦を提案し、「そこにはもう兵を配備しています」とすでに予測時点から戦略を変更してたりするが、井上公造においてはそんなことは皆無だ。

今回の近藤真彦の不倫スキャンダル(それほど大問題か、これ?)についても、「すでに僕は(当然)知ってましたよ」のスタンス。嘘つけ。

「すでに奥様からのコメントとってます」「徹子の部屋の最終回はマッチでと公言してる黒柳さんからもコメント頂いてます」なんてのも無い。

 

芸能人であろうと所詮夫婦と当事者、関係者くらいしか関わるべきでない不倫問題を、犯罪者を扱うかのようにこぞって群がる各局の報道ワイドショーだが、今回はなぜかシーンとしてた。

ダウンタウン松本が『ワイドナショー』で「基本この番組は不倫はあまりやらんとこって言ってるんやけど、あまりにも他の番組がやらへんから・・・」と疑問を投げかけ、さらに「もし忖度してるのなら結局ジャニーズ事務所が損する形になる」と苦言した。

それを受けてなのかどうかわからんが、ジャニーズ事務所からマッチの無期限活動自粛が発表され、ようやく各局が取り上げだした。

 

日本テレビ系の『スッキリ』でも取り上げたのだが、そこに出演していた井上公造、松本人志の発言に触れいつもの後出しじゃんけん発言。

「(自分も)その通りだと思っていて、自戒の念も含めて報じる側ももう少し透明性が必要だし・・・」

なんて語り出した。

そこへMCの加藤浩次がコメントを遮り割って入り、「『スッキリ』やらせてもらってて、週刊誌(の記事)をそのまま流すってできないんですよ。」「しっかりジャニーズ事務所の裏とか近藤真彦さんのコメントを出した上でやるってこと。」「週刊誌だけを鵜呑みにして出してしまうと、報道として責任のないことになってしまう」「そこのルールのために(これまで)やらなかったということがある。」と事情を説明。

井上公造は変わり身も早い。「不倫騒動があった時相手側が否定する場合もある」「その報道に事務所や本人が何らかのコメント出してから報道するのは当たり前のスタンス」と同調。

しかし、よく考えてくれ。こいつの職業は何だ。

芸能リポーターってその“裏”をとる仕事じゃないのか。

いち早くスクープネタをつかみ、裏を取り取材し報道する。それが芸能リポーターの仕事ではないのか?

なのに何をトチ狂って「事務所や本人が何らかのコメント出してから報道するのは当たり前」などと言うんだ。

 

諸葛孔明みたいに「すべては私の頭の中で想定内」「だからもう手は打ってます(回してます)」と気どるなら、「滝川副社長からジャニーズ事務所として公式発表するまで待ってくれ」と言われてたから」とか、「実はロスまで行って中森明菜からコメントとってきてるんです」など、それで時間かかって「番組として取り上げるのを待ってもらってた」ならわかるのだが、当然そんなことは無い。

もちろん奥さまや不倫相手からも、ましてやマッチ本人からもコメントなんか取れてもいない。

 

さらにこの井上公造、加藤浩次が言ったことを、さも自分が発言したかのようにすり替えやがった。

 

17日、芸能リポーターたちが芸能情報を発信するYouTubeチャンネル『芸能ニュースチャンネル』で、近藤真彦報道問題に言及。そこで松本人志の苦言によって問題提起されたのが「非常に大きかった」と発言。そこまではいい。

しかし、メディアがマッチの問題を取り上げなかったことについて

「ジャニーズ事務所からOKがきっちり出ないことには放送できない、取り扱えないという感覚があったことは間違いない」

なんて偉そうに語ってる。

こいつが最初に『スッキリ』で言ったのは「自戒の念も含めて報じる側ももう少し透明性が必要だし・・・」だ。それを言ったのは加藤浩次だ。

しかも加藤浩次が言ったのは「週刊誌の記事だけ鵜呑みにせず、番組としてちゃんと事務所とか本人から裏とってからしか報道できない」だ。つまり1週間くらいのラグがあったのはちゃんんと裏取りの取材をしてたからって言い訳だ。

お前が言う「ジャニーズ事務所からOKがきっちり出ないことには放送できない、取り扱えない」なら、結局ジャニーズ事務所の顔色を伺いってたってことじゃねぇか。

つまり忖度してるってことだよな。加藤浩次が言ったことと、お前が言ったことはちょっとずれてるぞ。

 

井上公造はこうも言う。

「(話題を)扱う以上は公平に扱う。タレント、事務所の大きさで(扱うor扱わないが)許されることではないというのが自分の反省を含めて強く感じる」

まるでどこかの政治家の答弁のように、隠された言葉を読み取っても尚意味がわからない文章だが、要はジャニーズ事務所でもホリプロでもはたまた弱小プロダクションでも、大物俳優でも新人アイドルでも同じように扱わなければいけないって言いたいんだな。

じゃぁ、山下智久の事務所退所と、小林麻耶の事務所契約解除を同じ扱いで報道しろよな。でもそれ、誰が望むんだろうか。

 

まぁ、井上公造に何かを求めちゃいけない。

普段「次は誰もが知ってるSとTの熱愛が発覚する」なんて曖昧なことを言ってたりする人だ。

編集でP音で消したり、観客の「え〜!?」なんて音声をかぶせたりするんだが、これって、「明日の天気は晴れ時々曇り、ところによってはにわか雨、気候は穏やかですがところによっては冷え込むところもあるので・・・ 」みたいな天気予報よりタチが悪い。

誰もが知ってる「S」や「T」が名字なのか名前なのかは別にして、ミュージシャンなのか俳優なのか芸人やタレントなのかさえ曖昧。SとTのどっちが男でどちらが女かも曖昧。

「誰もが知ってる大物ミュージシャンSと、若手のモデル上がりの女優Tの熱愛がそろそろ発覚するでしょう」でもまだ曖昧だが、井上公造は得意満々で言ったりする。

 

そんな曖昧な予想を発言することによって、偶然にも当たったらラッキー、外れてもお構いなし(どうせ視聴者は覚えちゃいない)で次は「この二人です」って。

当たるも八卦、当らぬも八卦ってやつで千三つかましても、たまにニアピンだったら「今話題になってる芸能人の話題など、僕はずーっと前から知ってましたよ」と言えるからか。

自分はスクープ取れないから今の話題はスルーして「それより次はこれですよ」とイニシアチブを取りたいのか。

 

井上公造。よくわからん人だ。