もう何度目だろうか、この人の暴言は。
普段政治家が失言しようがあまり気にしない。1部分だけを切り取って報道されてる場合が多いから。それで「差別だ」とか「侮辱だ」とか周りがキーキー騒いでるってパターンが結構多いから。
質疑応答やコメントの全文読んだら、うーん、ちょっと問題だけど本当はこういうこと言いたかったんだろうなとか、言いたいことはわからなくはないなってのも少なからずあるもん。
しかし、この森喜朗の今回の発言はダメだ。
2月2日の「(新型)コロナ(ウイルス)がどういう形であろうが必ずやる」「やるかやらないかではなく、どうやってやるのか、新しい五輪を考えよう」と自民党本部で開かれたスポーツ立国調査会の会合で述べた。
同日東京大会実施本部合同会議では3月25から始まる聖火リレーについて「有名人は田んぼ(の沿道)を走ったらいいんじゃないか」と述べた。
2月3日のJOC(日本オリンピック委員会)の臨時評議員会で「女性がたくさん入ってる理事会は時間がかかる」「誰かが手を挙げるとみんな発言したがる」と述べた。
この3つの発言、特に3つ目がダメだ。
完全に女性蔑視である。五輪憲章の「いかなる差別をも〜」をわざわざ引用するまでもなく、明らかにオリンピック組織委員会の会長として不適切な発言である。
「女性理事を選ぶのは文科省がうるさく言うんです」=文科省/スポーツ庁がうるさく言うから女性理事を登用してるのか?
「だけど女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」=男性だと早いのか。地位や利権で忖度させたりゴリ押しや黙らせたりできるからなのか?
そしてかなり問題なのがここ
「ラグビー協会は今までの倍かかる。女性は今、5人か。女性というのは競争意識が強い。誰か一人が手を上げて言われると、自分も言わないといけないと思うんでしょうね。それでみんな発言される」
=男ならそうじゃないのか?誰かが言ってくれたら自分は言わなくていいやって男は思うのか?何基準?誰基準?
そして
「女性の数を増やしていく場合はこの発言の時間もある程度規制しておかないとなかなか終わらないので困る、と誰かが言ってた。」
なんか末尾は『遺留捜査』で上川隆也が甲本雅裕に分析を依頼するときに毎度言うセリフのようになってるが・・・。時間を短縮するために発言の時間制限や発言回数の制限する会議ってどうなのよ。
「私どもの組織委員会にも女性は7人くらいおられる。みんなわきまえておられて、みんな協議団体のご出身で、国際的に大きな場所を踏んでおられる方々ばかりですから、お話も的を射たご発信をされて非常に我々も役立ってる」
なんだこりゃ。五輪組織委員会にも7人ほど女性がいるが、元アスリートで国際大会や会議などの経験ある人ばかりだから、話も要点のみで無駄な話がない。だから会議もスムーズで早いってか?文化人とか、役所の女性はダメってことか。短絡思考で申し訳ないが俺にはそう取れる。
全文読んでも庇うところなし。
要約すると森は
「文科省が女性の登用ってうるさいからいろんな委員会に入れてるが、人選をしないと会議が長くなって困るんだよ。」
「元選手とかで国際大会や会議経験者は要点の的を射てるからいいけどさ。女性って競争意識が強いのか、誰か一人が手を上げて発言すると自分も言わなきゃと思うみたいだ。」
女性はみんな発言しようとするから女性の数を増やす場合は発言の時間もある程度規制しておかないと会議が長くなるよ。って誰かが言ってた」
誰が言ってたんかしらへんけど、森の本音やろ。
これで世間はさらに呆れ、マスコミやメディアなど報道も風向きが変わっていくだろう。
特に海外のメディアはこういう発言には目ざといし、批判的だからな。
バッハと森喜朗(橋本聖子も同調)がしつこく「オリンピックは何が何んでも開催するぞ〜」と言っても、世間は踊らされてへんし、海外では「本当にまだする気なのか?クレイジーだ」って報道だった。
でも日本は新聞社や報道各社は五輪スポンサー企業に名を連ねてるなかなか「いやいやもう無理でしょ」「世論はもう止めようって風向きですよ」とは言えなかった。
ちなみに朝日、読売、毎日、日本経済各新聞社がオフィシャルパートナーで、産経と北海道新聞社がオフィシャルスポンサー。
それがここにきて森が自爆してくれた。願ったり叶ったりだろう。
世界的にまだ新型コロナの感染が全く落ち着く気配さえない。日本の大都市では緊急事態宣言の延長が決まってる。
インフルエンザで学級閉鎖になってるクラスがいっぱいある学校で、古参の重鎮が「体育祭は絶対やるぞ〜」って言ってるようなもんだ。
各国で予選や試合ができてなかったり、いやそれ以前にアスリートたちが調整がロクにできないこんな状況で「まだやる」って息巻いてても、マスコミはまだ否定的には報道しなかった。できなかた。
それどころかバッハが「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証」、「世界中に希望と勇気を届ける」ためにするんだと言い出しても「あれ?東日本震災復興五輪のはずじゃぁ???いつコロナ復興に変わったの?」と報道したところは皆無だった。
挙句にはバッハが1月27日に「日本国民にどうか辛抱して待ってほしい」とまで言い出したのをそのまま報道してた。
こうなると「たかが世界規模運動会に戦時下のような我慢をさせようってか?」と反発の声もあちこちで聞こえた。でもマスコミ・メディアはそんな声は一切報道しなかった。相変わらず夜の街で時短や自粛を強いられてる飲食店を取材して「大変ですわ」って。
あぁ太平洋戦争の前や戦時中に、新聞やマスコミが大本営寄りの提灯記事書いて、国民を欺き煽ってたのはこういうことなんだなって。
マスコミは「どうやってやるんだ?やれるんだ?間に合うわけがない」どころか、「国民一丸となって開催に向けて我慢しましょう」って平気で報道してるんだもん。
「戦争反対」といえば非国民扱いされたように「もう東京オリンピック止めようよ」とかの声は絶対報道されない。これで普段「報道の自由がぁ〜」って言ってるから怖い。
東京オリンピック開催には「安心安全」が大前提だが、森は「安心安全の基準はあるかといえばない」とはぐらかしにさえなってない迷回答した男だ。さらに「事故があるとわかって電車や飛行機に乗る人はいない」と飛躍した持論を述べてた。
それでも「もう森は辞めてくれ」なんて町の声を報道するのはタブーだった。
でも本音は誰かが言いだすのを待ってるって状態。さながら我慢比べのチキンレース。
そこへ森の失言だ。チャンスだ、一気に世論を煽れ、得意技だろ。
いくら森が「アスリートのために開催するんだ」と今更言ったところで「嘘つけ、そんなこと1mmも思ってないやろ」って突っ込め。
出番だぞバラエティ報道番組のコメンテーター。
どこの誰かわからん人権弁護士とか男女均等雇用法に詳しいなんとかとかを引っ張り出して森叩きに勤しめ。
海外のマスコミに同調しろ。
乗り遅れるな。
どうでもいいがこの人のことを書くときいつも困る。というか面倒臭い。
森喜朗東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長が正しい名称であるが、元総理なので森元総理と書きたい。その方が打つの楽だもん。
でも、森元総理って書くと森元って名前の総理大臣がいるかと勘違いされたり、「あのー、今は菅総理ですが変わったのでしょうか」などとわかってるくせにアホなコメント入れてくる人がいたりするからな。面倒臭い。
参考までに昨年2-3月の延期決定までの流れを添付しておきます
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