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ターミネーター:ニューファイトは中二病を満足させる

2019-11-13 23:28:08 | MUSIC/TV/MOVIE

いやぁ面白かった。

やっぱりアクション映画は映画館の大きなスクリーンとでかいボリュームで観るに限るね。

あっ、この【ターミネーター:ニューファイト】(T3)を見に行こうと思ってる人、まだ見てない人はこの先は読まないでね。ネタバレしちゃう内容あるかもしれないので。一応、プレスリリースされてる以上のことは書かないつもりだけど、結構怪しいからさ。昔から感想文書くと「あらすじ書いてる」って先生に怒られてたくらいだからね。

ターミネーター(後にT2が公開されて【T1】とネーミングされた)、ターミネーター2【T2】を見てない人、ターミネーターシリーズ、そして今回の新作【T3】もなんとなくあらすじを知っても構わないって人は読んでください。ただしT1の公開(設定も)が1984年だからもう35年くらい前の話だ。T2でも1994年だから28年前。記憶が曖昧。記載事項が所々間違ってたらごめんなさい。

 

今回の【ターミネーター:ニューファイト】はさすが「正統の続編」って謳ってるだけあるのよ。見事に【T2】の系譜を受け継ぐ作品で【T3】を名乗るにふさわしいのだ。

 

低予算で作られた(噂ではラストエンペラーとかミッキーローク主演の映画とかの余り予算で製作されたそうだ)第1作目【T1】は、日本でも公開されたたんだろうけど当時は全く話題になってなかった。俺はアメリカに住んでる友達がVIDEOを送ってくれたで、それを観た。もちろん字幕なしだったのだが、それでもめっちゃ面白かったのよ。言葉が何言ってるかわからんでも映像で理解できるって、演技や描写演出がうめいってことだよね。下手な漫画やドラマほど、やたら説明台詞や解説が多いもん。

 

当時は店でMTVとか映画をモニターで映すのが流行ってて、映画の時は音声は流さず有線をBGMに映像だけにしてたの。それでもお客様からいつもターミネーターの時は「この映画、何ってタイトル?」って聞かれたもの。

 

【T1】は今更内容を解説しなくても知ってるだろうけど、新作が正統な3だということのために大事だから書く。知ってる人は飛ばして読んでくれ。

 

雷とか電磁波(当時はそんな言葉使ってない)と共に現れたターミネーター(T-800=シュワルツネッガー/悪者)は、未来から女(サラ・コナー=リンダ・ハミルトン)を殺しにやって来て、スカウター(ドラゴンボールでベジータが使った方が先だったか)を使って探し、別人であろうと同姓同名なら次々と抹殺していく殺人マシーン。

ほんでまた雷みたいなものと共に現れた男(カイル)は、サラ・コナーを助けに来た味方で、彼が言うにはサラは、救世軍のリーダーになる子供(ジョン・コナー)を産むんだと。

彼曰く、1997年の8月に「審判の日」ってのがあって、人工知能(スカイネット)によって核戦争が始まり、その日を境にスカイネットが暴走し機械が人間を抹殺しだす。その機械軍に対抗するレジスタンス軍のリーダーになるのがサラの息子ジョン・コナーだと言われても、今のサラはバイトしたり週末は遊びに出かける普通の女子学生だもの。それがいきなり未来の人類は君にかかってるって言われてもさって感じ。ここら辺も漫画的だよね。

 

でもサラは意を決してカールと共に戦うんだけど、倒しても倒してもまた現れるシュワちゃんが不気味なんだ。ここらへんはスピルバーグの【激突】とかと同じく、「もう勘弁してあげてくれよ」って画面に向かって叫びそうになるよ。

吊り橋現象じゃないけど危機下で二人は愛し合い、そしてなんとかターミネーターを倒す。カールは死んじゃうけど新しい命を身ごもった(それが後の息子ジョン・コナー)サラは、来るべき日に備えて“メキシコ”に・・・。ここも重要ね。メキシコだよ。

 

シュワちゃんはこの【T1】で人気が出て(それまではただのボディービルダー程度の扱い)、ヒット作に出演するんだけど、満を持して1994年にめっちゃ予算使って【T2】が作成された。これは万博のドライブインシアターで観た。映画館と違い、車に乗りながらラジオ(FM)で音声を拾い観るので他人の音(ポップコーンや独り言など)全く気にしなくていいのだが、ドライブインシアターってまだあるのかな。

 

 

【T2】は前回を凌ぐどころか圧倒的なスケールとバイオレンス。さすが予算はふんだんにあるし、CGも駆使されてた。

舞台は1作目から11年後の1994年。サラはジョン(エドワード・ファーロング)を育てながら、スカイネット開発防止のためにはテロ行為さえいとわないバイオレンスなマザー。銃を体の一部のように扱い、護身術や格闘術に長けた兵士。1話目のか弱き女子大生がここまでたくましくなるのかって感じ。漫画やアニメなら作者の書き分け一つだけど、実際に役者がここまで変われるのかって。まぁ、アメリカの女優はアクションもロマンスも平気でやるからね。アンジェリーナ・ジョリーやジーナ・デイビス、ミラ・ジョヴォヴィッチとかね。でも、すごい(T3ではもっとすごい).

スカイネットがコナー暗殺に送り込んできたのは新型ターミネーター/T-1000。こいつは前作以上に倒しても倒しても復活する。魔人ブウのように粉々になっても復活する。オイルのような液体でできたターミネーター。これも漫画的ね。少年ジャンプでよくありがちな、以前の強敵よりさらに強い敵が現れるって奴ね。北斗の拳とかジョジョ、HUNTER×HUNTERとかね。

 

このピンチに助けにきたのがT-800(シュワルツネッガー)。サラは以前のターミネーターだと警戒するが、そりゃそうだろうね、前回あんだけ執拗に追いかけてきた奴と同じ顔で同じ体型なんだんから。ここがまた【T3】のポイントね。T3のオープニングで同じ姿のT-800、そして中盤に容姿が老いたシュワちゃんが登場するのがこの【T2】を観てないといまいちわからないかもしれない。

 

T2で登場するT-800(シュワちゃん)は未来のジョン・コナーが人類を守るように改造し、サラと自分を助けるために送り込んできた味方。シュワちゃんがジョンを助けるために颯爽とした登場シーン、そのままバイクでのハードバトル、ショットガンぶっ放し車をふっ飛ばし・・・。どれもこれもいきなりかっこいい。アニメ的なカット割りが多いのだよ。よくこんなの実写で撮れるな。

 

そもそもこの、“今までの敵が味方になる”ってのが漫画やアニメの王道じゃない?「強敵」と書いて「友(とも)」と呼ぶってやつ(似たようなのに「本気」と書いて「マジ」と読むってのもある)、たまらない設定だよね。

「敵だったら嫌な奴だけど、味方なら心強いぜ」って、ほんま中二病をくすぐるよね。

 

そしてまたもや「もうどうやったら倒せんねん」「っていうかもうほんまマジで勘弁してくれ」っていうくらいのT-1000をなんとかやっつけ(バトルの合間にスカイネット本社もぶっ潰した)、そして感動のラスト。シュワちゃんはスカイネットの芽を絶つため、自ら溶解炉へ。これこそ「号泣必至」というにふさわしい映画ラストだ。

 

これで核戦争は回避され、審判の日は起こらないはずだった。

 

だから、その後作られた第三作目ではサラが死んでる設定にされて、ジョン役も違う役者。今度は女のターミネーター(T-X)が送り込まれてきてもナンノコッチャ辻褄が合わない。カーチェイスとかはそれなりに迫力あるんだけど、なんかストーリーがとってつけた感があるのよね。

そもそもジェームス・キャメロンも参加してないし。ここら辺に松本零士が参加しなくなった宇宙戦艦ヤマト感が漂う。

ラストも「ちょっと待てよ」ってキムタクじゃなくても言ってしまうオチだ。宇宙戦艦ヤマトも2作目の【さらば宇宙戦艦ヤマト】はラストは号泣してしまうくらいの名作だが、その後松本零士抜きで作られた【3】、そしてそれ以降の作品はどれもこれも見終わった時に「?」なのだ。オチがないのだよ。

 

「やっぱり続編ってのは当たり外れあるよな」

【MATRIX】や【パイレーツ・オブ・カリビアン】もめっちゃ面白い映画なんだが、続編は2までだな。【スターウォーズ】なんて1,2,3,だと思ってたのが実は4,5,6で(しかもタイトルにエピソードってつけて)、新たに作成された1,2,3,はそれなりに面白いのだが、もうどれがどれだかって感じでごっちゃになってる。

 

話をターミネーターに戻すが、その後の第4作目はシュワちゃんでさえCG合成だし(州知事選に出てた)、ラストなんて「何も解決してないやんけ」って不完全燃焼。本来は続編を作るはずだったとか三部作構想だったとか聞くけどね。その後に作られた五作目【新起動:ジェニシス】はリブートだったので、もう問題外。漫画やアニメでいえば違う作家が書いた番外編とかアナザーストーリーものと一緒だ。ドラゴンボールの「転生したらヤムチャだった」とか「北斗の拳D.D.」みたいに面白いのもあるけどね。

 

そんな中、久々にジェームス・キャメロンが製作として復帰し、サラ・コナー役のリンダ・ハミルトンも復活、もちろんアーノルドシュワルツネッガーもT-800で登場する【T3】。これは映画館に観に行かないわけにはいかない。

 

冒頭から満足だよ。

ジョン(エドワード・ファーロング)やサラ(リンダ・ハミルトン)は以前のまま。T-800のシュワちゃんもね。【T2】撮影当時に別テイクで撮ってた秘蔵フィルムをお蔵出ししてきたのかか?ってくらいだ。

このオープニングのおかげで28年の月日が一気に引き戻され、そして現代の2019年に物語が一気に進んでも全く違和感がない。

これだけでも、この作品こそが正統な続編というにふさわしいのだよ。

 

内容はネタバレになってしまうから詳しくは書けないが、T1、T2の伏線や設定がちゃんと盛り込まれてる。そして今回も随所にターミネーターファン以外に、映画ファン、サブカルファン、中二病、アニメオタクetc...をうならせる、喜ばせる演出、ストーリー、セリフやアクションのオンパレードなのだよ。

 

幸せに平常を暮らしてるのにいきなり世界を揺るがす事件に巻き込まれるってのは王道だが、他にも

1,「死ぬなよ、お前を倒す(殺す)のは俺だからな」(ベジータがカカロット(悟空)に言いそうだ)

2,「俺のことは○○と呼んでくれ」(でもそのニックネームでは呼ばない、が、最後に・・・)

3,「逃げ続けるのはもう嫌だ、戦う」(似たようなのに「どうせなら戦って死ぬ方を選ぶ」とかもある)

 

など随所に盛り込まれている「たまらんなぁ」ってエッセンス。

 

死亡フラグ立ちましたの王道に、窮地で「ここは俺が死守する、お前たちは先に行け」『でもそれでは、あなたが・・・』「俺に構わず早く行け」『でも・・・』「いいから、行け!必ず後で追いつく」『きっとよ』・・・ってパターンがあるが、そもそもターミネーターの決め台詞は「I'll be Back」だものね。

 

【ターミネーター:ニューファイト】いろいろ面白いところや凄いところがいっぱいありすぎて、どこを焦点に紹介や褒めればいいのかわからないくらいだ。

長くなるので、今回はこの辺にしといてやろう。続きは近日書く。

とにかく面白い。まぁ観てくれ。

 

 

 

 



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